欧米の白人はエフライムの血を引いていてイスラエルの家に属するという。この伝承はどこからきたのだろうか?典拠はどこにあるのか?実際は根拠のない神話(myth)ではないのか?現代、万国の民は平等であると説かれ、聖書もキリスト教もそれを支持するはずである。
末日聖徒イエス・キリスト教会が1901年日本に布教を開始するに当たって、米国の教会幹部や教徒はエフライムの血を引いていない異教の民に福音を伝えることに躊躇する発言をしたり、モルモン書の中で航海に出て行方不明になったハゴツとその一行が日本に辿り着いたかもしれない、その子孫である可能性がある、あるいは、日ユ同祖論を伝え聞いてそれでは布教するに値する、彼らは耳を傾けるのではないか、などと議論が持ち上がった。私は最近このようなことを読んで、はてと疑問を感じたことからうかんだ仮説である。
自分たちはエフライムの末裔であるという伝承には、エフライムの血を引く者はイスラエル(選民)に属し、他の民族よりも優れている、という言外の概念が伴っている。これは黒人を奴隷にすることの正当化を聖書に求めたことに類する物語(orこじつけ)である。そもそも西欧人の祖先は民族の大移動の時に歴史に登場するが、ローマから野蛮人(バーバリアン)と呼ばれていたのではなかったか。
中国人は中華思想を持ち自分たちは中央に位置する文化的に優れた民族であると考え、日本人もかつて天孫降臨の考えから神の民とさえ考えた。多くの国民が同様の伝承を持ち誇りを持って暮らしている。それである程度、どのように考えるかはそれぞれ自由ではないか、という気もする。
伝承、myth(神話)も信仰に近いものと見なければならないのだろうか?!黒人差別の正当化なども「そうじゃない」「間違っている」と外から言っても、そう考えるようにしみ込んだ人にはなかなか通じなかった。西欧人(白人)はエフライムの血を引く、という話しも同じであろう。外から否定しても信じる人たちの概念を変えることは難しい。どこか聖書に結び付けて(こじつけにしても)、そのような伝承をどこか本気で受け入れているからである。lds教会で祝福師がエフライムの血、マナセの血(養子縁組)などを宣言することは容易になくなりそうもない。
私はそういった伝承が人種差別につながっていく可能性を感じるので、仮説を明確に論証して拒否したいと思っている。サイードのいうオリエンタリズムに通じる土壌を感じ取るからである。
参考
Reid L. Neilson, "Early Mormon Missionary Activities in Japan, 1901-1924," University of Utah Press, 2010, pp. 66-68
http://en.wikipedia.org/wiki/British_Israelism (英文)
末日聖徒イエス・キリスト教会が1901年日本に布教を開始するに当たって、米国の教会幹部や教徒はエフライムの血を引いていない異教の民に福音を伝えることに躊躇する発言をしたり、モルモン書の中で航海に出て行方不明になったハゴツとその一行が日本に辿り着いたかもしれない、その子孫である可能性がある、あるいは、日ユ同祖論を伝え聞いてそれでは布教するに値する、彼らは耳を傾けるのではないか、などと議論が持ち上がった。私は最近このようなことを読んで、はてと疑問を感じたことからうかんだ仮説である。
自分たちはエフライムの末裔であるという伝承には、エフライムの血を引く者はイスラエル(選民)に属し、他の民族よりも優れている、という言外の概念が伴っている。これは黒人を奴隷にすることの正当化を聖書に求めたことに類する物語(orこじつけ)である。そもそも西欧人の祖先は民族の大移動の時に歴史に登場するが、ローマから野蛮人(バーバリアン)と呼ばれていたのではなかったか。
中国人は中華思想を持ち自分たちは中央に位置する文化的に優れた民族であると考え、日本人もかつて天孫降臨の考えから神の民とさえ考えた。多くの国民が同様の伝承を持ち誇りを持って暮らしている。それである程度、どのように考えるかはそれぞれ自由ではないか、という気もする。
伝承、myth(神話)も信仰に近いものと見なければならないのだろうか?!黒人差別の正当化なども「そうじゃない」「間違っている」と外から言っても、そう考えるようにしみ込んだ人にはなかなか通じなかった。西欧人(白人)はエフライムの血を引く、という話しも同じであろう。外から否定しても信じる人たちの概念を変えることは難しい。どこか聖書に結び付けて(こじつけにしても)、そのような伝承をどこか本気で受け入れているからである。lds教会で祝福師がエフライムの血、マナセの血(養子縁組)などを宣言することは容易になくなりそうもない。
私はそういった伝承が人種差別につながっていく可能性を感じるので、仮説を明確に論証して拒否したいと思っている。サイードのいうオリエンタリズムに通じる土壌を感じ取るからである。
参考
Reid L. Neilson, "Early Mormon Missionary Activities in Japan, 1901-1924," University of Utah Press, 2010, pp. 66-68
http://en.wikipedia.org/wiki/British_Israelism (英文)
人生の指針というか天命を考えることに役立っている気もします(^^;
気もするというのはさほど普段は気にして生きてはいないのかも。
私の周りの兄弟姉妹はエフライムもけっこういますよ。。
実際の家族なのにエフライムだったりマナセだったり。
ある神殿職員はベニヤミンに養子縁組されたとか。
養子縁組という言葉が入っていなければ現実の血族を宣言されたとなるのでしょうね。
昔、懇意にしている祝福師に「イスラエルの血族の宣言は霊的なものか実際の系図と矛盾しない予言的なものか?」と質問した事があります。
答えは。。
抽象的で祝福文的でした(^^;
そういえば、「やっぱりそうだった、目の色でだいたいわかるねー」と祝福師との雑談で言っていましたから
やはり霊感によって系図上の血族を言い当てている感覚があるんでしょうね。
今後はアフリカ系の方々でも養子縁組でないエフライムの血族に宣言される事が増えるのでは?
前に香港の祝福師が、受ける人に教育を受けて大学院に進むよう祝福していると聞いたことがあります。郷土愛を持って、同朋たちの活躍、幸福を願って祝福している様子を心にとめたことがありました。