NJWindow(J)

モルモニズムの情報源、主要な主題を扱うサイト。目次を最新月1日に置きます。カテゴリー、本ブログ左下の検索も利用ください。

中国における「新共同訳」のような存在?「和合本改訂訳聖書」について

2013-07-12 10:54:40 | 中国、中国のキリスト教
圣经 和合本修订版 中国基督教两会とある

3年前、2010年9月香港で「和合本改訂訳聖書」が翻訳出版された。中国語では「聖経和合本修訂版」と言い、1919年に出版された「和合本」聖書の改訂版である。

1919年に出た「和合本」聖書の評判が大変よく、大陸中国はもちろん中国語圏にくまなく普及し定着していたので、別の訳が出てもそれに取って代わるものはなかった。しかし、さすがに長い年月を経たので、香港の聖書協会が中心になって27年の歳月をかけて、和合本の改訂版が出版された。

翻訳に際しては、中国の聖書学者を顧問に招いたり、中国のキリスト教界の組織とも連携したりしながら進められた。この完成記念の催しにも中国キリスト教会代表が招かれている。

2010/09/27 香港 英国教会の聖ヨハネ大聖堂で行なわれた出版記念式典

西側にいるクリスチャンにとっては、聖書の新しい翻訳・出版は珍しくないことであるが、中国にあっては「和合本」の存在があまりにも大きく、上記改訂版の翻訳改訂に際してもその原則は「改訂は最小限に」、「和合本の文章、雰囲気、味わいを維持する」などがうたわれて、和合本に愛着を持つ現在のキリスト教徒たちの気持ちに配慮する形になっている。

中国においてもこの改訂版の印刷出版が行われていると報じられているが、香港側は大陸中国においてもこの改訂版ができるだけ普及するよう、広報に努めている様子がうかがわれる。ただ、中国本土はまだ香港発の改訂版にシフトする気配はないようである。しかし、中国の家庭(地下)教会にとっては、大陸以外で改訂が行われたことで三自愛国運動(共産党政府の息がかかったと見る)と無縁であることを知って歓迎しやすいのかもしれない。今後、改訂版の普及がどのようにはかどるか注目される。

(私は中国の聖書について現在執筆中である。大変興味深く、実り豊かな分野であると実感している。)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿