アメリカの話であるが、人口の2%に満たない末日聖徒がアメリカの大企業で数多く幹部職についていることに同誌は注目し、その分析を試みている。それは背景に若い時期に伝道に出て苦労した経験があると指摘する。
記者はプロボにある宣教師訓練センターやハーバード経営学大学院、BYU経営学大学院、それに教徒で活躍している人物などを取材して、モルモン教会の伝道制度を紹介しどのような経験が後の人生にどのように影響しているかを記事にしている。
それによると、宣教師は任地先の地元の人たちと同じような生活をし(アメリカで快適な生活をしていても質素な環境に馴染まなければならない)、普通自分を改善しようと望む求道者を前にして若い宣教師は責任感を覚え、教える人のためにも自分自身のためにも人生について本気で考えるようになる。また、大人の問題に接し、社会の現実を見て伝道中に急速に大人に成長していく。
それに加え、半数近くの宣教師は外国に伝道に行き、外国語を習得することになる(BYUの70%がバイリンガルであるという)、伝道期間中5-10人と同僚になるので対人関係を円滑にできるすべを得る、先輩の立場に必ず立つことになるので指導者の役割を経験する、そしてその間外国の文化や経済に対して深い洞察を得ることをあげ、いずれも将来仕事についたり起業するときの資産になると説明している。
そして、どこの国においても今日ほとんど決まって「いえ、結構です」と断られることについて、フランスに伝道したミット・ロムニーは謙虚になれたといい、デルコンピュータの元CEOは「実業界でもやろうとすることはほとんどうまくいかないもの。一回の失望で諦めてしまうようなら起業家になれない」と言って、散々断られることも宣教師を将来に備えさせている、という面を紹介している。
伝道をまっとうするには、強い意志と懸命に働く精神が必要とされ、培われる。聖書が勧める勤労をさらに推し進めてピューリタンの労働倫理を高めたものであり、勤勉と自立が強調される、という内容である。
[コメント] この記事はアメリカで要職につくモルモン教の伝道経験者の活躍が積極的に評価されていること、lds教会の特徴の一つ - -人は懸命に働くべきであるという勤労倫理 -- を積極的に記述していることに興味を覚えた。日本ではまだ緒についたばかりであろうか、大企業のトップになったとか就職に有利に働いたという話はまだあまり耳にすることがない。
Source: God's MBAs: Why Mormon Missions Produce Leaders, Bloomberg Businesssweek June 9, 2011
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2008.2.4 モルモンの成功の基盤(スターク)上の5
2008.2.4 モルモンの成功の基盤(スターク)下の10
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それによると、宣教師は任地先の地元の人たちと同じような生活をし(アメリカで快適な生活をしていても質素な環境に馴染まなければならない)、普通自分を改善しようと望む求道者を前にして若い宣教師は責任感を覚え、教える人のためにも自分自身のためにも人生について本気で考えるようになる。また、大人の問題に接し、社会の現実を見て伝道中に急速に大人に成長していく。
それに加え、半数近くの宣教師は外国に伝道に行き、外国語を習得することになる(BYUの70%がバイリンガルであるという)、伝道期間中5-10人と同僚になるので対人関係を円滑にできるすべを得る、先輩の立場に必ず立つことになるので指導者の役割を経験する、そしてその間外国の文化や経済に対して深い洞察を得ることをあげ、いずれも将来仕事についたり起業するときの資産になると説明している。
そして、どこの国においても今日ほとんど決まって「いえ、結構です」と断られることについて、フランスに伝道したミット・ロムニーは謙虚になれたといい、デルコンピュータの元CEOは「実業界でもやろうとすることはほとんどうまくいかないもの。一回の失望で諦めてしまうようなら起業家になれない」と言って、散々断られることも宣教師を将来に備えさせている、という面を紹介している。
伝道をまっとうするには、強い意志と懸命に働く精神が必要とされ、培われる。聖書が勧める勤労をさらに推し進めてピューリタンの労働倫理を高めたものであり、勤勉と自立が強調される、という内容である。
[コメント] この記事はアメリカで要職につくモルモン教の伝道経験者の活躍が積極的に評価されていること、lds教会の特徴の一つ - -人は懸命に働くべきであるという勤労倫理 -- を積極的に記述していることに興味を覚えた。日本ではまだ緒についたばかりであろうか、大企業のトップになったとか就職に有利に働いたという話はまだあまり耳にすることがない。
Source: God's MBAs: Why Mormon Missions Produce Leaders, Bloomberg Businesssweek June 9, 2011
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2008.2.4 モルモンの成功の基盤(スターク)上の5
2008.2.4 モルモンの成功の基盤(スターク)下の10
本気で神の言葉を伝える人なら、2年で「私の伝道は終わりました、後はこの世の富と名誉を蓄えます。」
とは、ならないでしょう。
モルモンの若き伝道者達は、どうして宗教家としての成果ではなく、職業人としての成果を賞賛されるのでしょうか?
専任宣教師になると言う事は、単なる自己啓発なんでしょうか?
この暑い夏に毎日自転車で走り回って汗をかいているのが、彼ら自身の成長の為だとしたら、実に哀しい。
他方、現代化と世俗化の進んだこんにち、伝道が容易でないことも周知の事実です。そこでビジネスウィークはモルモン教会における伝道の副産物に注目したものと言えるでしょう。
別の種類の刊行物であれば、精神的な成熟に焦点を当てていたかもしれません。あるいは教会の発展状況について。
何にしても、M教会の現状(の一側面)を伝えていると見て取り上げたわけです。幸か不幸か日本のことではありません。
本当はもっと他の部分に注目しなければならないと思う。
何故なら全ての帰還宣教師が実業界で成功していないからです。(社会に受け入れられない方もいる)
私が考える社会的成功の要因は、
Ⅰ、聖典を研究会する習慣があり言語能力が高い。(奇跡の学習、灘高校の銀の匙の例)
Ⅱ、基本的生活習慣が整っている。(早寝、早起)
幼少からこれらのことを行なったうえでの伝道経験が人間を形成するのだと思います。
実は脳科学者の黒川伊保子さんが『早寝、早起、朝ご飯、読書』で、幸せ脳を育てようと言われています。
昨日の朝日新聞朝刊に、大統領選候補、ブロードウエイのミュージカル、等を取り上げて、モルモンが注目されている。と言う趣旨の記事が掲載されていました。
御存知のように、ミュージカルはモルモンを揶揄する内容であり、大統領選も、候補者がモルモンで有る事がどう影響するのか?
と言った事で、つまり、モルモンの負のイメージを、モルモン自身がどうして行くのか?が問われて居るのだと推察します。
モルモンで成功した人が出たから、モルモンは良い宗教だって、そんなに世の中は甘くないって思いますけど・・・。
ま、いずれもアメリカの話で、日本には影響無いと思われますが・・。
ミュージカル「モルモン書」については改めていずれ取り上げたいと思っています。もちろん見方はいろいろ、それぞれがどうとらえるかということになります。