池上彰 スペシャル企画 「宗教がわかればニュースのナゾが解ける」で。2012年1月12日。関西では関西テレビ7:00pm-9:54pm.
[以下ミット・ロムニーとモルモン教関連の部分の要約] ブログ「日々徒然 ~歴史とニュース?社会科な時間~」の記事を参考にさせていただいた(管理者の許可取得済み)。池上氏のプログラム3時間のうち約20分であった。
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池上彰
4年に1度行われる大統領選挙が、いよいよスタートします。民主党と共和党が候補を出し合って戦います。4年前の2008年、黒人初のアメリカ大統領バラク・オバマ氏が当選。世界中が大きな驚きに包まれました。そして、今回でも、これまでになかったサプライズがあるようです。果たして、新しい世界のリーダーは誰なのでしょう?
この選挙の行方が、宗教を見ればわかるのです。民主党は現職のバラク・オバマ氏、では、共和党は?これから決めることになります。この大統領選挙の勝敗を分けるとっても重要な要素が宗教なのです。それはキリスト教です。では、アメリカの大統領選挙はどれだけキリスト教と関係が深いのでしょうか?
世界のキリスト教の週は別人口割合は次の通りです。
カトリック・・・・・50.6% 約11億5,066万人
プロテスタント・・・18.5% 約4億1,979万人
東方正教会・・・・・11.8% 約2億7,022万人
英国国教会・・・・・・3.6% 8,605万人
その他・・・・・・・15.5%
キリスト教といっても、こんなにたくさんあるのです。世界ではカトリックが過半数ですが、アメリカ合衆国ではプロテスタントが過半数を占めます。そして、大統領もアメリカ合衆国でケネディ以外はみんなプロテスタントなのです。そこには、アメリカの歴史がありました。もともとヨーロッパで迫害を受けてきたプロテスタントが、新天地を求めて海を渡りアメリカを建国したのです。つまり、プロテスタントの人が作った国なのです。
私(池上)が注目しているのは、ミット・ロムニーさん。彼は、先日の代表選で共和党候補のトップに躍り出ました。彼はカトリックでもプロテスタントでもないモルモン教徒です。では、モルモン教とは?
正式には「末日聖徒イエス・キリスト教会」と言います。創始者はジョセフ・スミス・ジュニア。本部はユタ州のソルトレークシティにあります。そもそもモルモンとは、かつてアメリカにいた預言者で、神様の言葉を聞いたモルモンという人が神様の言葉を記録しておいて、それを、ジョセフ・スミス・ジュニアが掘り出して宗教を広めたということです。信者数はアメリカで約600万人、全世界で1,410万人と言われています。どうして外国の方が多いかというと、教徒の男性は2年間伝道に出る義務があって、ソルトレークシティにある語学学校で外国語を学び外国へ布教に出かけるからなのです。
モルモン教徒は自分たちがキリスト教の中のモルモン教と思っていますが、カトリック教徒やプロテスタント教徒にとってみれば、教えも伝統的なキリスト教徒は違うのでキリスト教ではないと、思っています。
モルモン教徒は、アメリカで1.7%。すごく少ないのですが、資金力があるのです。モルモン教徒は、自らの収入の1割を寄付しなければならないのです。教会としてはかなり大きなお金ができて、そのお金を運用して、アメリカ経済で大きな影響力を持つようになってきているのです。全体の資産価値は推定250億ドル~300億ドル(日本円にして約2兆円)と言われています。
ロムニーさんが有力な候補者になる理由は何か?財界への強い影響力があります。ハーバードビジネススクール[大学院]卒業、投資会社の経営者、実業家として大成功をおさめる、ソルトレークシティ五輪組織委員長として成功、という経歴があります。経済手腕があるのです。
しかし一方で、モルモン教徒であるということに反発を持っているキリスト教徒もいるのです。(特に南部の福音派と呼ばれる人たちの層。沼野注。)だから、ロムニーさんは、政策が評価されつつも支持率があまり伸びないのです。彼の支持率が上下するのはこの人たちとの関係が背後にあると分かれば事情がよく見えてくるわけです。
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池上氏が最も言いたかったのは最後の4行。そして、一般にあまり知られていないモルモン教(末日聖徒イエスキリスト教会)について視聴者の理解を深めること。そう考えれば一部厳密でない点(例えば、宣教師が語学を学ぶのはプロボの宣教師訓練センターであってソルトレークシティの語学学校ではないことなど)は本質的なメッセージに支障はなかった。イスラム教にしてもユダヤ教にしても、解説はオーソドックスで、偏見を除く方向で構成されていた。内容は正確、良識的であると言える。さまざまな問題やリベラルな層の紹介などに割く時間はこの番組にはなかったし、番組の意図でもなかった。
池上彰は優れたジャーナリストで、彼の洞察、観察は鋭く、解説は明快である。一種使命感に突き動かされるように、精力的に重要な先端的な問題を取り上げ、取材し分析している。
末日聖徒は自分たちの宗教が取り上げられたことに注目し喜ぶだけではなく、池上氏の解説を通じて他の宗教や宗教全般について学ぶ機会が得られたと認識すべきであろう。
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ロン・ポール下院議員(76)は「自分たちの国にしてほしくないことは他国にもすべきではない」と語り、ブーイングを浴びた。
後者のほうが教会的と感じますが。
アメリカは依然大国であり、これからもガリバーのように振る舞うことが予想されます。結局、国は自国の利害を最優先に動くことを知らなければならないと思います。組織の持つ本質!?
私はロムニーの登場を注目してはいても、多くのldsのように喜んでいるわけではありません。
聞くところによれば、ロムニー氏は同性婚容認派で、末日聖徒の現在の方向とは違っているようですね。
共和党でも穏健派と言われていますし、どちらかと言うと今のオバマ大統領とは政策的に近いような気がします。
大統領に成るかどうかは、いかにモルモン色を消せるか?にかかっているのではないでしょうか?
プロゴルファー、女優、テレビに出る弁護士・・等、日本でも知られている何人かのモルモン知名人が居ますが、ここで一つ会員として悩ましい問題が生じます。
知名人が出ると、とうぜん、モルモンの広告塔的存在になるのですが、その人の行動が、モルモンを代表してしまうと言う側面も有ります。
その知名人の職業柄、モルモンの戒めなどを厳格に守れないことも多いですね。
その事で、広告塔にしておきながら、批判してしまう、と言う矛盾も出てくるのではないでしょうか?
下世話な事ですが、ロムニー氏が大統領に成って、日本を訪問した時に、歓迎レセプションはアルコール抜きになるんでしょうかね?安息日は守れるんでしょうか?(笑)
モルモンの会員が日ごろ言われている戒律を守れない人を、知名人であるがゆえに、「模範的なモルモン」としてしまう矛盾を抱える事に成りますね。
それで、モルモンのあほらしい戒律が変われば良いですけどね(笑)
昔は農務長官のエズラ・タフト・ベンソン、最近は滞中国米大使ハンツマンなど。
広告塔を大事にしたいし、その人物の信仰実践のあり方には少し目をつぶるという矛盾をかかえているのは事実ですね。ただ・・
広告塔と目される人をそれほど気にしなくなるとその宗教組織が成熟してきた、ということになるのかもしれません。矛盾なく運営しやすくなります。すでにSLC本部の広報部はそのような態度になりつつあるのではないでしょうか。気にしない、一線を画すということです。
そうなんでしょうか?
池上氏の番組の中では、「LDSはその豊富な資金力により、ロムニー候補のバックアップを行っている。」と紹介していました。
その実例として、最近「私達はモルモンです。」と言うキャンペーンをメディアや、該当広告で盛んにやっている。との事でしてた。
私自身この関連性については疑わしく思いますが、少なくとも、番組の中では、LDSが、ロムニー候補の応援を資金面でも行っているように伝えられていましたね。
私が言おうとしたのは、広告塔のような存在の人物を公然と支持して、彼らの言動、振る舞いに逆に教会が拘束されるというか矛盾にとらわれ、攻撃に曝されるようなへまはしない、慎重な言い回しに終始している、のではないかということです。一線を画すこと、中立を保つ(特定の個人に肩入れしない)姿勢を原則とするなど。
最近数年間の報道で教会広報部がメディアとの折衝に当たり、教会幹部や管理監督会などが出てくることがないことに気付いています。新たな重要ポスト(部局)なのでしょう。おそらく優れた官僚であり、スタッフもそろえていることと見ています。
上のキャンペーンについても、教会はどのような勘定から出しているのか、複数の勘定を持っているのではないか、など確認したいことが幾つかあります。
但し額は上限無しだと?
ロムニーさんは、昨年10月から12月の3ヶ月間で2400万ドル(約18億4000万円)集めたそうです。
ただ、オバマさんはその3倍から4倍は集めたようです。
当然、モルモン関係者からの個人献金も有るんでしょうね?
あまり教会が目立っても、ひいきの引き倒しになるんでしょう。
>上のキャンペーンについても、教会はどのような勘定から出しているのか、
広告宣伝費か伝道の費用じゃないですか?いずれにしても、公表しないので分かりませんが。
しかし、そんなに金が集まるのなら、選挙に出ても良いかな?(笑)
アメリカには「井戸塀」って言葉は無いんでしょうね・・。
候補への直接献金と「PAC」と総称される政治団体に対する献金が認められています。
>但し額は上限無しだと?
2010年まではPACに対する献金は有権者1人5000ドルまでという上限規制がありました。
2010年にこの規制を違法とする判例が出、原則上限なしになりました。
資金力を増したPACは「スーパーPAC」と呼ばれるようになり候補者陣営に肩代わりしてネガティブキャンペーンを展開していると報道されています。
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2012/01/post-390.php
http://democracynow.jp/dailynews/12/01/11/2
(高橋和夫氏は放送大学教授、1974年大阪外国語大学ペルシャ語科卒 [私の同窓 私は中国語科卒])
日本では、給与の十分の一、ボーナス全額という福音派教会も有りますよ。
最近宗教と政治絡みの話が多いようですが、言いたい事言わせてやって下さい。
新聞雑誌たくさん講読しているようです。
この間、彼が番組でC●Aとバチ●ンを比較して情報を暴露している話がありましたが、テレビでよく放送できたと褒めてやりたいくらいです。
まだ人類を創造した神様の末裔が実在を暴露していないようですが、キリスト教の宗教を信仰していない利害の少ない彼が暴露する日は近いと、、、