我孫子 (あびこ)
古代カバネのアビコ(我孫・阿比古・我孫古・などに由来)
「彦」という原始的カバネに接頭語のアがついたもの。
後、姓氏化した。地名はその裔の住地またはゆかりの地。
【主な関連姓氏】
吾孫子・安孫・安孫子・安彦・吾彦・
亜孫子・阿孫・阿孫子・阿比古・我彦子
『難姓・難地名辞典』丹羽基二:著 参照
≪2010.9.16 追記≫
「古事記」・・・最古の記録、第9代開花天皇の第4皇子の建豊波豆羅
和気王(タケトヨハズラワケノキミ)の子孫で依網之阿毘
古(ヨサミノアヒコ)。
ヨサミノアヒコ・・・ヨセアミ、すなわち網で魚鳥を捕る職。
アヒコ・・・アミヒコ(網曳子)の意。
「日本書紀」・・・①仁徳天皇の頃、依網屯倉(みやけ、天皇領)阿弭古
(アビコ)というものが異鳥(鷹)を捕って天皇に献上した。
②神功皇后摂政前紀条、「依網吾彦男垂見」。
当地付近は古代の大依網郷内であって、天皇領のある
この地方に天皇家と深い関係を持って繁栄した依網吾彦
一族居住していたと考えられる。(大阪市住吉区)
「続日本紀」・・・天平勝宝2年、8月16日条、「摂津国住吉郡人外従五位
下依羅我孫忍麻呂」ら5人に「依羅宿禰」の姓を賜う。
「新撰姓氏録」・・・①摂津国未定雑姓に「我孫 豊城入彦命男倭日向健向
八網田命之後者」とあり、我孫氏が当地に居住していた
と考えられる。(大阪市住吉区)
②和泉国未定雑姓に「我孫公 豊城入彦命男和日向健
向八網田命之後者」とあり、当地に網曳御厨があったと
する説があるが、詳細は不明。(大阪府泉大津市)
「和名抄」・・・平安時代中期、大依網(オオヨサミ)郷の地名があり、
その一邑に吾孫子。
「大徳寺文書」・・・①南北朝時代、楠正成が大聖寺(我孫子観音)に
甲冑を奉納した。
②室町末期の文明3年(1471)、我孫子屋次郎の存在有。
『大阪府地名大辞典』(角川書店) 参照
『地名は語る』岡本良一・脇田修:監修、大阪民主新報社編集 参照
≪追記以上≫
【主な所在地】
(一) 千葉県我孫子市 (←リンクしています)
1. 千葉県我孫子市
2. 千葉県我孫子市我孫子
3. 千葉県我孫子市我孫子新田
4. 千葉県我孫子市東我孫子
我孫子の紹介 (←リンクあり、常磐線「我孫子駅」周辺)
手賀沼公園・本土寺・ラーメン店などのアルバム集が
スライドショーで見られます。とても綺麗に撮られてます。
(二) 大阪市住吉区
http://www.tecta.co.jp/gokuraku/abiko.htm
「あびこ」な地名、 「あびこ」な人々、 「あびこ」な団体
「あびこ」談話室 は全国のあびこさんの書き込みページです。
これはとてもいい企画で、楽しそうです。
大阪市住吉区の「我孫子」について (あびこな地名より)
http://www.tecta.co.jp/gokuraku/abiosa.htm
古代編:「あびこ」さんの歴史上最初の登場
中世編:堺の豪商に我孫子屋があった。
我孫子五箇荘は信長や秀吉の鉄砲工場だった!
など、面白い情報が載ってます。
<以下、2009.9.20 追加リンク>
http://www.voluntary.jp/weblog/myblog/516/1919987
郷土を知るシリーズで、
講師は我孫子市史研究センター副会長の柴田弘武先生、
テーマは「アビコ地名と古代鉄文化」
柴田先生は古代の産鉄地、全国621箇所を訪問されたとのこと、
凄いですね。
由来の場合、文書で有名になるのは歴史上初めての記述のものでしょうから・・。
意外とあちこち繋がりが広がって、結構大変なものに手をつけたかな?
なんて思ってきたところです。自分の知りたいものに
留めておきます。
千葉県我孫子のところに「我孫子界隈」という
面白いHPを見つけましたので、付け加えました。
綺麗に撮られている写真集もあったので、雰囲気
を解かってもらえそうです。
ラーメン店の写真もありましたヨ。