アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

表れと真実

2009-09-17 17:39:52 | 心や気持ちのお話
今日も、病院に息子の様子を見に行ったのですが、体に入っていた管も外れ、
ずいぶん元気そうでした。

良かった、良かった!

そういえば、昨日、こんなことがありました。

息子は、ここ2年ほど、ほんとにとんがっているんですよ。

何か聞いても
「さぁ」「別に」「知らない」「わかんない」
しか言わないの。

その上、「お母さん、うざい」光線が、体中からハゲシク出ているのよね。

「ケッ、一人じゃなんにもできないくせに!」
という私のイライラも、わかっているみたいに、ますます向こうを向いている。

そんな状態ですから、できるだけ、息子とは距離をおくような毎日でした。

それが昨日。

手術室のある階で、エレベーターを降りると、もうそこからは、手術室と家族控え室が
左と右に分かれてしまうのです。

「お母さんは、右側の奥の家族控え室でお待ち下さい。」
といわれ、1~2歩歩いてふとふり返ると、それまで
「お母さん、来なくていいよ。じゃま。」
みたいな顔をして黙っていた息子が、曲がり角で立ち止まって、
先生と看護士さんに囲まれたまま、じっとこちらを見ていました。

思わずハッとして
「がんばって!!」
と叫んでいました。

私を知っている方は、わかると思いますが、私はふだん、めったに大きい声は出しません。
ささやきを少し大きくした程度の声しか、出さないというか出せないのです。

それが、自分でもびっくりするくらい大きな声で
「がんばって!!」
と叫んでました。

声に乗せて、私のエネルギーを息子の体にたたき込むような感じでしたねぇ。

その声を聞くと、息子は小さくうなずいて、手術室の方に歩き始めました。

息子の表面の「表れ」だけを見て、
「私はじゃまなようだから、早く彼の視界から消えた方がよかろう」
と思って歩き出したけれど、真実、本音は違ったんだね。

うざい光線を出せるのも、相手を心の奥で信頼しているからこそかもね。

表れと真実は、真反対だったりするんだね。