第151回 2017年2月14日 「鮮やか!色あせない輝き~東京 七宝~」リサーチャー: 森泉
番組内容
銀に色とりどりのガラスをちりばめた指輪が人気だ。空から眺めた大都市の姿をデザイン化したもので、東京で作られた。金属にガラスを焼き付ける七宝のワザによる。もともと東京では、七宝による勲章やバッジ作りが盛んだったが、今新たな製品が続々登場しているのだ。話題となっているのは、犬や猫など愛するペットの姿をリアルに写す七宝。ペンダントや帯どめなど、注文により作られる。色あせない輝きの秘密に森泉が迫る。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201702141930001301000 より
「七宝 (しっぽう)」とは、金・銀・銅の土台に、釉薬(ガラスの粉)を盛り、800℃余りの高温の炉で焼成する伝統工芸のことです。
土台に描かれた図柄の区画ごとに釉薬を一色ずつ盛るという緻密な絵付けを繰り返し、色鮮やかな世界を描き上げていきます。
その歴史は古く、正倉院の宝物にも見られますが、日本で七宝が盛んになるのは江戸初期以降。
「東京七宝」の祖とされる平田彦四郎(平田道仁)が登場してからのこと。
彼は徳川幕府のお抱え七宝師として名作を残しました。
慶応3年、パリで第5回万国博覧会が開かれた時、薩摩藩が、パリの勲章師に「レジョン・ドヌール」というフランスの勲章をかたどらせた「薩摩勲章」を作り、ナポレオン3世以下に贈り、好評を博します。
このことを機に勲章の認識が高まり、旧幕府時代の七宝焼家元であった平田家が試作品を完成させ、後の「旭日章」となり、これが東京七宝の元祖となり、七宝による勲章やバッジ作りが盛んになりました。
七宝の最大の魅力は、なんと言っても色の美しさにあります。
まず、彫り上げられた土台の金属を硝酸で洗う「キリンス(酸洗い)」という下準備をします。
土台の金属表面をしっかり洗い隈なく拭き上げる「キリンス」の良し悪しで、釉薬が溶けた時の発色が決まるのです。
そして、最も難しいのが仕上げの「磨ぎ」の作業です。
一般的な有線七宝の土台は溝の深さが0.8mm程なのに対して、東京七宝はたったの0.35~0.4mm。
これは、溶けた釉薬が最も美しい色を放つとされる厚みだそうです。
溶けて溝よりわずかに膨らむ釉薬の0.05mmを研磨して仕上げていきます。
その磨ぎの感覚は職人一人ひとりの指先に委ねられているのです。
1. 畠山七宝製作所
番組内で、リポーターの森泉さんがしている銀に色とりどりのガラスを散りばめた指輪の他、ペンダント、ピアス、猫ピンズ・・、
他にも、和物アクセサリーの根付、帯留、妖怪七宝なども人気です。
2. 坂森七宝工芸店
御徒町にあって、七宝製品の他、七宝の材料・パーツの販売や、七宝教室なども併設されているお店です。
七宝焼でも始めて見ては?
*http://atmarymead235.seesaa.net/article/446996400.html より