「じゅんさい鍋」
主な伝承地域 県北西部
主な使用食材 じゅんさい、鶏、ごぼう、ネギ、セリ、きのこ、豆腐、糸こんにゃく
歴史・由来・関連行事
「じゅんさい鍋」とは鶏肉やごぼうなどの具材とともにたっぷりのじゅんさいを入れた鍋料理。つるりとしたのどごしとぷりっとした食感が特徴のじゅんさいは、鶏肉との相性が大変よく、たっぷり入れて食べるのが産地ならでは。
じゅんさいは淡水の沼や池に生育しており、水面に丸い葉を浮かべるスイレン科の水草の一種。春から夏にかけて鮮やかな緑の葉を伸ばし、茎から出てくるゼリー状の新芽を食す。日本では昔は各地に自生しており、秋田県においては、三種町にある角助沼に自生していた。沼に縄のように細長く生えていることから、ヌナワ(沼縄)と呼ばれ食されてきたが、環境の変化により現在は自生している地域も減少してしまった。地域の人たちにとって大切な食材であるじゅんさいを絶やしてはいけないとのことから、じゅんさい沼の開墾整備が始まり、現在三種町は日本有数のじゅんさいの産地となっている。いまでも箱舟に乗ってひとつひとつ丁寧に手摘みする作業を行っており、三種町の夏の風物詩となっている。
食習の機会や時季
じゅんさいの収穫期である5~8月。秋田では「夏の鍋」として親しまれている。
飲食方法
鍋に鶏ガラでとっただし汁、地鶏、ごぼう、セリなどを入れて煮立て、すべてに火が通ったら最後にじゅんさいを入れて食す。じゅんさいには火を通しすぎないのがおいしく食べるポイント。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
毎年6月下旬または7月上旬に「世界じゅんさい摘み採り選手権大会」というイベントを開催している。また、三種町の観光農園の一部では、5~8月までじゅんさいの摘み採り体験をすることもできる。
三種町内の店舗や直売所では5~8月頃まで生じゅんさいを購入することができるほか、じゅんさいの水煮は通年購入することができる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/29_16_akita.html より
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