「そば」
主な伝承地域 全域
主な使用食材 そば粉、塩
歴史・由来・関連行事
そばは、そばの実をひいたそば粉につなぎと水を加えてこねたのち、細長く切った麺料理。そば自体は古来より食べられてきたが、今日のように麺にして食べるようになったのは、江戸時代以前から蕎麦は粉にしてそば練り、粒食がなされていたが、江戸時代初め寺院でそば切がふるまわれていたものが、江戸の町で麦切のうどんと並んで蕎麦切が売られるようになった。江戸っ子はうどんよりもそばを好み、けんどんそばをはじめとして店構えの蕎麦屋から屋台そばまで広がった。江戸時代後期には蕎麦屋のメニューには盛そば、花巻そば、てんぷらそば、あられそば、しっぽくそば、かも南蛮などがあった。
「西はうどん、東はそば」と言われるが、まさに気の短い江戸っ子にはもってこいの料理だったと言えよう。江戸時代中期には屋台で温かいぶっかけを提供する「夜たかそば」(「風鈴そば」とも)も登場する。
東京でそばといえば「砂場」「更科」「藪」が江戸そば御三家として有名だが、砂場は細打ちの白い麺、更科は透明感のある麺、藪は蕎麦の実の甘皮による緑がかった麺とその姿は三者三様だ。さらに藪そばにいたっては、雑司が谷がルーツとされ、江戸っ子ならではの塩辛いつゆが特徴。
食習の機会や時季
広く日常食としても親しまれている。江戸時代にはすでに、そばは体に良いとされ、健康食としての一面も持っていた。健康に良い=縁起物となり、「みそかそば」「節分そば」と呼ばれ、毎月月末や季節の変わり目に食されるようになった。現在でも、大みそかの年越しそばや引っ越しそばなどの慣習が残っている。また、駅の立ち食いそばも日本ならでは風景である。
飲食方法
つゆにつけて食べる「もりそば」と、丼に入れた蕎麦に温かいつゆをたっぷりかける「かけそば」がある。ネギや刻み海苔などの薬味を入れると、味の変化を楽しめる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
大みそかの年越しそばは「そばは細く長く伸びるため、寿命を延ばし、家運を伸ばす」「そばは切れやすいので、一年の苦労や厄災をさっぱり断ち切り新年を迎える」など諸説あるが、大みそかに国民が食するようになったのは、明治以降。引っ越しそばは「そばに越してきたことにかけて、おそばに末永く、細く長くお付き合いを」との意味を持つ。
また老舗店「かんだやぶそば」「並木薮蕎麦」「まつや」等々、江戸から続く名代の老舗が当時のそばの味、下町の雰囲気を色濃く残し、守り続けている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/34_20_tokyo.html より
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