登録番号 第45号 若狭小浜小鯛ささ漬
特定農林水産物等の区分 第24類 加工魚介類 調味加工品(小鯛ささ漬)
特定農林水産物等の生産地 福井県小浜市
登録生産者団体 協同組合小浜ささ漬協会
特定農林水産物等の特性 日本海産の小鯛を三枚におろして薄塩にし、酢あるいは調味酢に漬けた後、樽詰め等にしたもの。皮の色が美しいピンク色に輝き、身はつやを伴った淡い飴色または透明感のある白色で身の締まりと適度な塩気と酸味を有している。塩や酢の使い方により保存性を有しながら生に近い風味を持つ。
地域との結び付き 古くから鯛漁が盛んで、大消費地の京都に近い生産地の立地から、保存性を有しながらも生に近い風味を持つ小鯛ささ漬の製造技術が、明治期に当地で確立。小鯛を三枚におろし、骨を取るといった作業は、機械化することが困難であり、生産地の熟練した技能者により品質が支えられている。
*https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/i45.html より
「若狭小浜小鯛ささ漬」は、日本海産の小鯛を三枚におろして薄塩にし、酢または調味酢に漬けた後、樽詰め等にして作られます。小鯛の皮は美しいピンク色を呈し、身は艶を伴った淡い飴色または透明感のある白色となり、身の締まりと適度な塩気と酸味を有しています。
「若狭小浜小鯛ささ漬」は、塩や酢の使い方により、保存性を有しながら生に近い風味を持っているのが特徴となっています。
わさび醤油を付けて食べる以外に、ちらし寿司(1)や手まり寿司(2)の具にも適しています。その他、吸い物や酢の物でも食されます。
原料は、日本海産の小鯛(小型のレンコダイ)を用います。
製造方法は、先ず、小鯛の鱗を落とし、頭および内臓を除去します。
真水で洗浄した後、三枚におろし、腹身を薄く削いで骨を取り除きます。そして、これらの一連の処理を素早く行います。
次に、振り塩または塩水に漬けた後、余計な塩分を真水で洗い流して調味酢に漬けます。
最後に、樽詰めまたはトレー等に並べて包装します。
若狭湾(3)に面した小浜市は、古くから鯛漁が盛んでした。明治後期(4)からレンコダイが海流等の影響により大量に漁獲されるようになりました。
小浜市は、日本海地域では近隣の大消費地である京都に最も近かったため、魚の日持ちの良さだけでなく、新鮮さも求められました。そのため、冷蔵技術が発達していないこの頃にあって、塩漬けと酢漬けの2つの工程を塩や酢の使用量や漬け込みの時間を絶妙に調整し行うことにより、保存性を有しながらも生に近い風味の小鯛ささ漬の製造技術が確立されました。
小鯛を三枚におろし、骨を取るといった作業は、機械化することが困難であり、生産地の熟練した技能者により、現在に至る「若狭小浜小鯛ささ漬」の品質が支えられています。
1964年、任意団体「小浜ささ漬協会」が設立され、同年の「第13回全国水産加工品展」において、小浜の生産業者の商品が水産庁長官賞を受賞しました。
2013年には「協同組合小浜ささ漬協会」として法人化され、現在では、小浜市の代表的な特産品として全国的な知名度を有するに至っています。
(1)ちらし寿司:酢飯に多種類の具材を合わせて作る寿司の一種です。
(2)手まり寿司:具材を載せた酢飯をラップなどで包み小さな球状に丸めて作る寿司の一種です。
(3)若狭湾:福井県から京都府にかけて日本海が深く入り込んで出来た湾。日本海側では珍しい大規模なリアス式海岸が特徴で観光地としても有名です。
(4)明治時代:1868年~1912年。日本の時代区分の一つ。日本が幕府による封建制から近代化に移行した時代です。
*https://gi-act.maff.go.jp/register/entry/45.html より
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