「ぼた餅」
主な伝承地域 栃木県全域
主な使用食材 もち米、うるち米、小豆
歴史・由来・関連行事
彼岸の添え物として欠かせないごちそう。牡丹の花が咲く頃の春の彼岸では「ぼた餅」、萩の花が咲く頃の秋の彼岸では「おはぎ」と呼ばれるが、栃木県内では「ぼた餅」の呼び名が一般的である。また、県内では、もち米とうるち米をつぶしたものを俵型にまるめて、あんを包んだものは、多く和菓子店等で作られたが、農作業で多忙な農家では、ご飯茶碗等に盛ったご飯の上にあんをのせただけの場合が多く、その場合も呼び名は「ぼた餅」であった。
食べる時期も彼岸以外、盆行事にも欠かせず、「盆にぼた餅、昼にうどん、夜は米の飯でとうなす(かぼちゃ)汁よ」の言葉が伝わるように、お盆にも「ぼた餅」はつきものである。
食習の機会や時季
ぼた餅は、主に春秋の彼岸や盆の時期に食された。県内の農家では、稲刈り終了時や稲こき(脱穀)終了時に、庭の上に零れ落ちていた稲穂や籾で特別にぼた餅を作る風習があり、前者を「刈りあげぼた餅」、後者を「こきあげぼた餅」と呼ぶ。
飲食方法
うるち米ともち米を混ぜて洗い、1時間ほど分量の水に浸してから炊く。うるち米ともち米の割合を7:3にして炊くと良い。炊き上がったご飯を茶碗に盛り、上にあんをたっぷりのせる。俵型に丸める場合は、炊きあがったごはんをボールに移してすりこぎ棒で半つぶしにつき、1個約30gの俵型にし、あんとまとめる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
栃木県ホームページで掲載している郷土料理集『ふるさとの味 とちぎの味』(とちぎ郷土料理研究会監修)で紹介されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_21_tochigi.html より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます