私がこだわるのは、日本の占領統治に関する氏の説明です。アジア諸国を支配してきた、イギリス、オランダ、フランス、アメリカのそれと比較した時、氏の説明は日本の状況を、正く読者へ伝えているのかと疑問が残ります。
〈 イギリスの植民地と統治期間 〉
ビルマ ( 124年間 ) マレーシア ( 123年間 ) インド ( 99年間 )
〈 オランダの植民地と統治期間 〉
インドネシア ( 300 ~ 350年間 )
〈 フランスの植民地と統治期間 〉
ラオス ( 80年間 ) カンボジア ( 60年間 ) ベトナム ( 79年間 )
〈 大畑氏の説明 〉
「日本は3年半にわたる南方占領中に、現地の住民と資源を絞れるだけ絞り、」「全て日本の戦争遂行手段として、使い果たそうとした。」「赤道をめぐる宝庫とまで言われた地域が、飢餓線上に追い詰められたのである。」
下記に示す通り、昭和18、19年は、日本が敗戦への道を転げ落ちている時です。本土を守ることで精一杯になっていたため、アジア諸国の統治が杜撰になったのも、分からないではありません。氏に言わせれば、都合の良い言い訳となるのかも知りませんが、欧米諸国の統治との比較を、全くしないのは学問的に客観性に欠ける説明です。
〈 日本の戦況 〉
昭和18年 5月 アッツ島守備隊玉砕
昭和18年10月 明治神宮外苑で、学徒壮行会
昭和19年2月 クェゼリン島、ルオット島、グリーン島守備隊玉砕
昭和19年4月 独ソ和平斡旋案をソ連に申し入れ、拒否される
昭和19年6月 マリアナ沖海戦 日本陸海軍大敗
ネトウヨの意見と軽視されても、一言言っておく必要があります。以下のように内閣が目まぐるしく変わりながら、それでも日本は自衛のための「大東亜戦争」を戦っていました。陸軍と海軍の対立を抱えながら、非情な国際社会で、孤軍奮闘した政治家や軍人に、氏はなん考慮もしないのでしょうか。
〈 内閣の変遷 〉
1. 近衛内閣 昭和12年6月から、14年1月まで
2. 平沼内閣 昭和14年1月から、14年8月まで
3. 阿部内閣 昭和14年8月から、15年1月まで
4. 米内内閣 昭和15年1月から、15年7月まで
5. 近衛内閣 昭和15年7月から、16年7月まで (・・第二次近衛内閣 )
6. 近衛内閣 昭和16年7月から、16年10月まで (・・第三次近衛内閣 )
7. 東條内閣 昭和16年10月から、19年7月まで
「参考情報2」のため、詳細の説明が次回に延びましたが、本日は息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々へ、もう一つの報告があります。
12月8日の『太平洋戦争 - 下 』 - 4 ( 氏の説明と別の意見 ) のブログに、GOO事務局から、次の警告メッセージが書き込まれました。
一部の表現内容が不適切な表現に繋がる恐れがあるため、文章の一部を加工しています
何度か読み返しましたが、どこにそのような表現があったのか、今も分からないままです。GOOのブログにはお世話になっていますので、苦情を言いたくありませんが、不親切な気がします。どこかの国のネットのように、利用者への干渉を始めたのでしょうか。
そうでないことを願いつつ、今回は終わりとします。