ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自由民主党への疑問 - 9 ( 外資系金融資本 ( ファンド )の動き )

2025-01-29 21:26:20 | 徒然の記

  〈 集約された5社の株主 〉

 民族系石油会社の株主構成を紹介する前に、関係の深い外資について参考情報を3つ紹介します。

 〈 1.  モルガン財閥 〉

  ・国際金融資本家であるモルガン財閥は、米国最大の銀行であるチェース・マンハッタン信託銀行を設立

  ・日本法人は現在、「日本マスタートラスト信託銀行」と名称変更

  ・モルガン財閥は歴史をたどると、ロス・チャイルド家の援助を受けて成長した企業で、今も関係が深い

 〈 2.  サウジアラムコ 〉

  ・サウジアラムコは、サウジアラビア国営石油会社である

  ・「サウジアラムコは、株式の5%未満を2017年中に上場する計画で、サウジ国内の証券取引所のほか、米ニューヨーク市場への上場が有力視

  ・日本取引所グループの、清田瞭最高経営責任者(CEO)はサウジを訪れ、サウジアラムコの、東京証券取引所への上場を働きかけている。

  ・サウジアラムコが上場すれば、時価総額は2兆ドル(約230兆円)を超えるとみられている。時価総額トップの米アップルを大きく上回り、世界最大のエネルギー会社となる。

 アラムコが株式の一部を上場した時の記事が、令和元年 ( 2019 )12月11日の日経新聞にありましたので紹介します。

  ・サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが11日、サウジの国内証券取引所タダウルに新規株式公開し、発行済み株式の1.5%を売り出した
 
  ・初値は値幅制限の上限となる35.2リヤルを付け、売り出し価格(32リヤル)を10%上回った。終値も35.2リヤルとストップ高水準のままで初日の取引を終えた。

  ・上場時の時価総額は約1兆8770億ドル(約200兆円)と、米アップル(約1兆2千億ドル)を上回る世界最大の上場会社になった。

  ・アラムコのルマイヤン会長は公開に先立ち、「上場によってアラムコのガバナンスと透明性が高まる」と強調した。
 
  ・米欧の同業他社と比べて収益力は高いが、サウジ政府が支配する企業統治に課題が残る。海外上場のメドも見えず、規模に見合うだけの成功を収めたとはいえない状況だ。
 

 〈 3. SSBTCクライアントオムニバス 〉 (旧: SSBT OD05 Omnibus China Treaty 808150)

   ・中国の政府系ファンドで、国家外貨管理局による運営と言われている。

  ・日本企業の大株主として知られ、平成23 ( 2011 ) 年3月末時点で34社の株主として、「有価証券報告書」に登場した 

  ・日本株の時価総額は、2012年3月末時点で3兆5000億円に達して238社の株主となった

  ・2013年3月末時点で4兆2000億円になるも、2014年3月末時点で日本株を1279億円の22社まで減らし、2015年3月末時点で1社も株主で見られなくなった

  ・BONYT  JAなど、複数の名義に分散したともされている

    (  注 : BONYT  JAとは、実質の株主である海外機関投資家の株式を管理している金融機関の名義である。)
 
  ・当初日本の窓口銀行は三井住友銀行だったが、平成21年から香港上海銀行東京支店他になった。しかし住所はオーストラリア・シドニーとなっている。

 金融資本の動きを知っている人には、普通の話なのかも知れませんが、得体の知れない中国政府系金融ファンドが登場すると、ますます陰謀論めいてきて「ねこ庭」を驚かせます。

 集約された5社の株主を紹介する予定が、回り道のため伸びてしまいました。いつものことなので驚く人はいないと思いますが、わざと引き伸ばしているのでないことを知ってもらえる訪問者の方々に感謝しております。

 次回は驚いてもらえると、期待しています。

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自由民主党への疑問 - 8 ( 民族系石油会社の合併・吸収 )

2025-01-29 17:40:04 | 徒然の記

  アメリカの巨大資本と「スーパーメジャー」の動きを受け、日本の石油業界はどのような動きをしているのか。

 国際金融資本と「スーパーメジャー」が、「脱炭素社会」に向けて石油業から撤退し、「再生可能エネルギー」と「環境」分野で、新たな市場を開拓しようとしているのなら、力のある彼らが、日本の産業界に手を伸ばさないはずがありません。

 あるいは逆に日本の中にいる勢力が、彼らと連携しようと野心を抱いても不思議ではありません。世界第二の経済大国という肩書きは中国に持っていかれましたが、それでも日本が経済大国の一員であるという事実は残っています。

 日本がエネルギーの大量消費国であり、「スーパーメジャー」や「国際金融資本」にとって重要な顧客であると言う事実も変わりません。

 前に述べましたが、もし日本が「メタンハイドレート」と言う自前資源を自由にできるようになったら、彼らは二つの意味で大損失を被ります。

   1. 日本から得ている巨額の「エネルギー購入代金」を失ってしまう。

   2. 日本が「メタンハイドレート」を、安価で他国へ輸出を始めたら、彼らが開拓しようとする新ビジネスの障碍となる。

 世界規模の投資事業ですから、彼らは何としても日本の動きを抑え込むか、それができなければ、リーダーシップを自分たちの手にしたいと考えるのではないでしょうか。

 「ねこ庭」が立てた予測も、2つです。

   1. 彼らは自分の影響力を、「日本の石油業界」で行使しようとする。

   2. 彼らは自分の影響力を、「日本の産業界」でも行使しようとする。

 資本の信奉者「アメリカの巨大資本」と「スーパーメジャー」は、マネーの力で世界を支配しています。具体的には、融資、出資、買収などですが、それは株式の動きで知ることができます。

 ヒントを与えてくれたのは、『ジェトロ ビジネス短信』と『日経新聞の記事』でした。 

 第一ステップとして、日本の民族系石油会社の、現在の株主構成を調べてみようと思いますが、「ねこ庭」の推測が正しければ、彼らの名前があるはずです。しかしこのまま株主構成の調査へ行かず、理解を早めるには石油業界に関する状況を知っておくことが大事です。

 ウィキペディアの情報を中心として調べた結果を、報告します。

  ・わが国の石油業界では、外国資本の出資を受けていない石油会社を、民族系石油会社と呼ぶ。外資系石油会社に対する言葉で、特に精製・元売会社を言う場合に使われている。

  ・昭和60 ( 1985 ) 年時点では、日本に35 社ある精製・元売会社のうち、 17 社が民族系だった。代表的な会社は、

     出光興産(株)、日本鉱業(株)、大協石油(株)、丸善石油(株)、

     共同石油(株)、富士石油(株)、九州石油(株)、三菱石油 (株)などだ。

  ・昭和56年に出された、石油審議会の提言を受け、業界は合併、吸収などの再編を繰り返し、令和2 ( 2020 ) 年時点では、日本の石油元売会社は5社になった。

 提言の主な理由は日本の人口減少や、世界的な車の排気ガス対応の動きがあったためとされていますが、もっと大きな理由は次にあったのではないかと「ねこ庭」は推察しました。

  ・「アメリカの巨大資本」と「スーパーメジャー」に対抗するには、中小の石油会社が乱立したままでは勝てない。

  ・外資に負けない資本規模の拡大のため、最低でも5社への集約が必要である。

 令和3年度の売上高で並べますと、集約された5社の順位は次の通りになりました。

   1 位. エネオス ( ENEOS )  ・・  7兆6,580億円         

   2 位. 出光興産      ・・  4兆4,251億円                

   3 位. コスモ石油     ・・   2兆383億円        

   4 位. 太陽石油      ・・    4,576億円   

   5 位. キグナス石油    ・・    2,838億円                 

 集約された5社の概要を、ネットで調べましたので紹介します。

 〈  1 位. エネオス ( ENEOS )  〉

 ・持ち株会社・ENEOSホールディングスの傘下にあり、日本の元売りの最大手で、世界第6位の規模を持つ。

 ・平成22年に、国内石油卸1位の新日本石油と同6位の新日鉱・ホールディングスとの経営統合後、燃料油販売量の国内占有率も約34%という圧倒的シェアとなった。

 ・統合後の売上高約12兆円は、産業界では日立製作所と肩を並べ、トヨタ自動車や三菱商事などに次ぐ日本有数の大企業誕生となった。

 ・石油会社としても、世界で売上高第8位を確保した。

 〈  2 位. 出光興産  〉

 ・令和元年、昭和シェル石油の子会社化後は、通称として「出光昭和シェル」を使っていた。

 ・令和3年4月から、全国の給油所名を「アポロステーション」へと、令和5年までに統一すると決め、通称を「出光」に戻した。

 ・出光の筆字は、創業者出光佐三の手によるものである。

 〈  3 位. コスモ石油  〉

 ・持ち株会社・コスモエネルギー・ホールディングスの、100%子会社である。

 ・昭和61年に、大協石油と丸善石油と旧コスモ石油の3社が合併して発足した。

 ・現在、エネオスと業務提携を結び、販売を除く特許、石油輸送、製油所の共有などを図り、日本最大の石油元売グループを形成している。

 〈  4 位. 太陽石油  〉

 ・国内市場占有率は4位。

 ・愛媛県を地盤とし、主に西日本( 近畿・四国地方 )に事業展開している。

  ・ガソリンスタンド名は、SOLATO(ソラト)である。

 ・太陽を意味する「ソーラー」と、明日を意味する「トゥモロー」からきている。

 ・ソ連やルーマニアから、日本で初めての石油の輸入を行うなど、旧東側諸国からの石油輸入に積極的だった。

 〈  5 位. キグナス石油  〉

  ・規模はかなり小さいが、ハイオクガソリンを業界で初めて販売した会社である。

 ・かつては、エクソン・モービルグループ傘下であったが、平成16年からは三愛石油の傘下となっている。

 ・コスモエネルギー・ホールディングスが、資本参加。( 製品の仕入れは、ほぼ全量をコスモ石油から行っている。)

 「自由民主党への疑問」と言う入り口から、「日本のエネルギー問題」という深い森に入り検討をしています。余計な回り道と思われるかもしれませんが、驚く結果が見えてきますので、もうしばらく辛抱して下さい。

 次回は集約された5社の株主状況について、ネットで調べた結果を紹介します。

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