田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

魔闘学園/吸血鬼浜辺の少女外伝 麻屋与志夫

2008-09-09 17:14:48 | Weblog
 動悸が高まる。            
 三津夫には幻聴が聞こえている。
 おれの恐怖感が作り出している。
 おれの脳が作り出している幻の声。
 おれだけにしか聞きとることのできない声なのか。

「番場、あまり離れるな」
 声をはりあげたが遅かった。
 番場の悲鳴が聞こえた。
 民家の中だ。

「男の血は吸えないな」
「女の、わかい女の子の血でないと口に会わん」
「男の血はまずいからな」
 そんな幻聴の渦のなかで、番場が忽然ときえた。
「どうした、番場。おれたちをからかうきか」 
 からかっているわけではない。
 そう感じている不安な声で武が叫んでいる。
 声にならない。
 声としては聞こえてこない。
 恐怖、おそれおののく波動が番場のきえたあたりからながれでている。
 ふるびた民家の中で、悲鳴がおきた。
 番場だ。
 武と三津夫がとびこむ。
 囲炉裏がきってある。
 巨大な鍋のなかで湯がにえたぎっている。
「おや、向こうから獲物がやってきたぞ」
「たべてもらいたいのかな」
 囲炉裏をかこんで、ごくあたりまえの人型がうかびあがった。
 こんどは武にも聞こえたらしい。
 見える。
「なんだ、きさまらこんなところに住みついて」
 ホームレスと思っている。
 そう思っているほうがしあわせかもしれない。
「こいつらは……」
 三津夫がなにかいおうとした。
 おくの部屋で番場が「ここだ、武さん。たすけてくれ」と叫んでいる。
 襖を開けた。
 番場が鬼に首をしめられている。

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大麻たばこへの恨み

2008-09-09 09:00:29 | Weblog
9月9日 火曜日
大麻 2
●日光例弊使街道の道沿いでも大麻の栽培禁止令は適用されないですんだ。

●それから数年たってから、わたしたち鹿沼の大麻商人は現実に大麻の葉の盗難を経験することになる。東京の大学生とか外人が夜陰に乗じて大麻畑から葉を持ち帰る。そうした盗難の記事が下野新聞を賑わすことになった。

●さあ大変。北押原の県の農事試験場で麻の成分の薄い、タバコとして吸っても無効のような新種を作りだした。改良したその品種は押原一号と呼ばれた。しかしその種を播いてとれた麻は強度がなく粗雑な製品しかとれなかった。ともかく一さっぱ、二センチほどの麻一枚で米俵を下げるといつた自慢の強度は犠牲となった。そこえきて、手引きだった加工方法に機械が導入されだ。年間生産高45万貫を誇った全国一の麻の生産地は自滅してしまった。

●合成繊維が麻の販路、使用道に食いこんできたことももちろんあった。

●わたしはこの野州(栃木県)盛衰を小説に書こうとした。それがわたしが小説を書きだした原点だ。

●あまりにテーマが大きすぎていまだに完成していないのは残念だ。おのが非力を嘆いている。

●いまでは麻といえばマリファナ。悪役だ。わたしたちの生活に密接につながっていた麻の用途について知っている人はあまりいない。寂しいことだ。

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