田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

魔闘学園  麻屋与志夫

2008-09-22 12:04:34 | Weblog
「三津夫。むりするな」

オッチャンの声が耳元に残っている。
ここはどこだ。
ケイコが青いフレアの中で犬に変身した。
おれは、いまではなにが起きても。
すなおに信じられる。
おれたちのいるこの鹿沼が異界に変わってしまった。
だから、おれもパワーアップした。
ケイコが犬に、あれは狼犬だ。
変身する姿を確かに見た。
それがどうしたというのだ。
なんでもありの裏鹿沼。
それでいいではないか。
おれたちは、戦うのみ。
この故郷から、吸血鬼を追いだすのだ。
おれたちを、おれたちの祖先をずっと育んできた――。
故郷鹿沼を守るために闘うのだ。
そう思うと不覚にも涙がこぼれた。
死んでもこの地は吸血鬼などに。
明け渡してなるものか。

ここは万葉の昔は防人の地。
祖国を守るために命をかけた。
防人の血がおれたちにもながれているのだ。
World war 2 でも宇都宮14師団の勇猛果敢な闘いぶりもはや伝説となっている。
あれが侵略戦争だったとみとめて。
近隣の国々に謝罪することは黙認できる。

祖父たちの世代のひとびとは。
国を思い、家族の平和を思い死んでいったのだ。
それは賞賛してあげなければいけないことなのだ。
だれもそういうことをいわない。
だから硬派の極みを生きるおれが。
高校生のおれがいってやる。

あんたたちは偉かったよ。

おれもいまこの故郷のために命をかけるからな。
見ていてくれよ。

ケイコ,ケイコはどこなのだ。
そうだ、ケイコはぶじだ。
つかまったのはおれだけだ。
ケイコはオッチャンたちといる。
つかまったのはおれだけだ。
どじなやつ。
ふいに、もりあがった筋肉は。
もとにもどってしまっている。





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枯れるには早すぎる  麻屋与志夫

2008-09-22 08:00:22 | Weblog
9月22日 月曜日 朝から雨
●「腐れ彼岸が三日ある」という。昨夜から雨が降り続いている。この降りかたはまさにこの季節らしい雨だ。

●そうひしひしと感じた。肌寒くなる季節を誘いこむ雨だ。土砂降りでもない。梅雨の小糠雨でもない。春雨だ。濡れていこう。というわけにはいかない。屋根や庭から聞こえてくる雨音。感傷的にひびいてくる。これでは傘をささないと日向野接骨院までは歩けないだろう。

●おっくうだ。それほどのことはあるまい。カミサンを起こさないようにそって温シップをとりだす。扉ががたぴしした。秋になったのだと感じた。夏の間はあまり響かないもの音が、どうかすると鋭く響くことがある。家具などもきしむ。

●家具がよよむのはいいとしても、体がよよむのは困りものだ。昨夜階段を踏み外して倒れた。膝とわき腹と左の腕にいささか損傷。まつたくいやになってしまう。

●電気代を節約しなければならない。年をとったものだ。ごたぶんにもれず「電気消し男」になっている。オシッコだってほんとは庭の片隅でしたい。水道代の倹約になる。とまあ、みみっちいことをぼやくのはやめにする。

●この経済的な不安があるので小説を書きつづけられる。小さな学習塾をやってなんとか雨露をしのいでいる。あの時、屋根をなおしておいてよかったなと思う。それまでは、このくらいの降りになるとあちこちで雨漏りがした。盥に雨を聞く。などという芭蕉翁の風流は理解する。でもあちらこちらで、ちがった音階で、雨漏りがするのでは風流をたのしんでいる心境にはなれなかつた。

●ああいうのは、やせ我慢。風流という余裕ある境地にはいたらない。それどころかトラウマとしてのこっている。雨漏りで畳がびしょ濡れになる夢をいまでもみる。

●あらあら、腕の具合もそれほどのことはなさそうだ。

●うれしくて、構成も考えずにだらだらと書きつづけている。

●指がうごけば「魔闘学園」もこのあとすぐに投稿できる。

●接骨院にもいかなくてすみそうだ。心配するほどのこともなかった。――とまあ、これは遠く離れたこのブログを読んでくれている娘や息子、孫たちへのメッセージだ。

●訪問者のかたには、年よりの弱気をおみせしていささかお恥ずかしい。ということでこのあとは「魔闘学園」をおたのしみください。

●それから、ほい……忘れていた。ヤフーのブログ「麻屋与志夫/小説」に等身大の、老境の、年相応の小説を発表してあります。「安穏作家のおだやかな朝」です。こちらもぜひご愛読ください。お若い方はお立ち寄りにならないほうがいいと思います。作者にたいするイメージが変わります。

●年は考えないことにしている。枯れるのには早すぎる。




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