田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

小さな秋の旅/ロカール線烏山「竜門の滝」

2008-09-28 13:26:01 | Weblog
9月28日 日曜日
●宇都宮から宝積寺。乗り換えてローカル線は烏山線。わたしたちの世代だと知っている「蛇姫様」という映画で有名な場所だ。原作は川口松太郎。

       

       

●ローカル線での日帰り、小さな旅にでた。
●ワンマンカーで、運転手席の後ろに運賃箱がある。二輌編成だ。下りるときはこの運賃箱に無人駅から乗った場合はお金を入れる。

       

●「下野花岡」というこころよい響きとロマンチックなイメージを膨らませてくれる駅名があった。澄み渡った秋空のはるか北の彼方は福島県。智恵子のほんとうの空が広がる安達太良山はあの方角だろうかなどと想った。

       

●小塙トンネル(?)をくぐると「滝」駅だった。プラットホームから直、道路にでられてしまうのがおもしろかった。

       

●このところ、「魔法iらんど」のbooksのほうで「coelacanth三億八千万年の孤独」というタイトルで恋愛小説も書きだした。「麻屋ブログ」も載せている。恋空で人気を博しているサイトだ。こちらは何せ年配なので心配だ。訪問者はおそらくぴちぴちギャルばかりなのだろう。
●そんなわけで「50年後の恋空」みたいな小説を書きたいものだと構想を練っている。恋愛は成就したあと、長い日常がまっている。わたしたちはいまだにトキメイテいる。まだ恋愛の旬、ずっとずっと楽しい。ずっとずっと一緒にいる。そのことを書いてみたいのだ。
●いま「恋空」読んでいる。テレビドラマを見ていても純愛もの、涙を誘うドラマが流行なのかと思う。吸血鬼作家としては一番書きにくいテーマだが挑戦していきたい。
●歩道に、栗のイガが落ちていた。イガの向こうで川音が高鳴り、滝が見えた。というのは誇張した表現だ。飛瀑の音が聞こえてきた。

       
      
●夏の間、雨が多かったためか、竜門の滝は水量もおおく、ドウドウと音高く流れおちていた。その高さ20m。幅65m。みごとな風貌をみせていた。

       

       

       

       

       

       



●しぶきを顔に受けてカミサンがシャッターをきっている。その真剣な横顔がいい。
「虹がかかっている」滝の音に負けまいとカミサンに呼びかける。カメラを虹の方に向けることで応えてくれた。

       

●突然滝の上空で汽笛が鳴った。烏山線が通っているのだった。
●「竜門ふるさと民芸館」では案内の男の方が親切に色々な話をしてくれた。冷たい麦茶のサービス。すごくおいしかつたです。ごちそうさまでした。二階の展望台からの滝、カミサンは感激して何枚もカメラにおさめた。
●ロマンチックになれる隠れ里にあるような竜門の滝。若い人のデートスポットとしてもお勧めのローカル線の小さな秋の旅でした。
●写真は今夜あたりカミサンが載せてくれる予定です。

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魔闘学園  麻屋与志夫

2008-09-28 09:29:42 | Weblog
玉藻と鹿未来がいいあらそっている。
Dの配下のいまや黒装束となった吸血鬼集団が包囲網をじわじわとせばめてきた。
彼らは黒と白のリバーシブルの衣装を着ていたのだ。
それでこそ、新鹿沼前で彼らがふいに消えた謎がとけた。
あのとき妖狐たちは白い衣装に裏返して雑踏にまぎれたのだ。
三津夫はかれらの動きを油断なく目でおいながら玉藻と鹿未来の話しにききいっていた。
いろいろなことが起き過ぎる。
妖孤という代紋を背にした黒装束のコイツらと駅であってから。
彼は異界を見てきた。
いまさら、なにを見ても、なにが起きてもおどろかない。
じぶんの肉体にも変調は現れている。
この包囲網をやぶれるのか。
相手の強さはわかっている。
パンチや脚の蹴りの破壊力はさほどない。
牙がこわい。鈎爪で引き裂かれる傷は深い。
このふたつの攻撃は、どんなことがあっても避けたい。 
鹿未来は戦えうるのか。
このオバサンは自分のことくらい守れるのか。     
かんがえていると。
鹿未来がどこにかくしもっていたのか‼
剣をぬいた。
きりこんだ。
三津夫は知らないが、鹿沼は稲葉鍛冶の鍛えた技ものだ。
夫さえ泣きながら切った鹿未来だ。(吸血鬼浜辺少女、参照)
吸血鬼をにくむきもちは強い。
死可沼流の始祖の娘の剣さばきだ。
いま起きていることが、三津夫にはどうしても現実とは思えなかった。
ためらって、かんがえていると敵が襲ってきた。
鉤爪をむきだしにしてシュというようなかけごえをかけてかれの胸をないだ。
三津夫はぎりぎりでかわしその腕を逆にとる。
ひねった。
黒装束が回転しながら着地した。
「敵も、パワーアップしてるようだな」
避けたつもりだった。
三津夫の胸筋が浅くではあるが、きりさかれていた。
痛みはなかった。
アドレナリンが分泌されているからだ。
三津夫の右足のまわしげりが敵の悪鬼にヒットした。
ヒットしているのだが黒い悪鬼には重量というものがないみたいだ。
ボールでもキックしたようにとびさっていく。
ダメージは受けていないようだ。
すぐにぶきみな雄叫びをあげてはねかえってくる。
御殿山での闘いの再現だ。
これでジレた。
深追いして失敗したのだ。
人間どうしの戦いとちがう。
技がつうじないあいてだ。
相手は人外魔境にすむ悪鬼……。
吸血鬼。
妖狐の一族だ。
胸の血が止まらない。
「むりしないで。すきみてにげて」
ささやくように、三津夫に戦いぶりをよこめで見守っていた鹿未来がいう。
彼女も全身に敵の青白い血をあびている。
ただひとつの救いは悪鬼には悪鬼なりの闘いかたがあるらしい。
ひとりしか向かってこない。
あとのものたちは鹿未来と三津夫を遠巻きにしている。
妖狐の棟梁、ボス。
玉藻の後にひかえている。      
「そんなことできるか」
「赤い血をながすものには、失血死があるのよ」
たしかに三津夫の筋肉は人間離れした状態を維持している。
だが、気力が萎えていく。
体が安定しない。ふらつく。
限界か。心臓が喉元につきあがる。


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