田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

魔闘学園  麻屋与志夫や

2008-09-19 05:23:54 | Weblog
そして、三津夫は――。
犬の咆哮に。
呼び起された。
そうなった。
三津夫がかつて。
そうであった。
姿に立ちかえった。           
 
形姿にはそれほどの。
変化はない。
もともと拳法で鍛え抜いた。
体だ。
体から放出されるエネルギーが。
神であるものへ。
かぎりなくちかい。
変質をみせた。          
光っている。              
後光がさしている。           
からだが光につつまれている。      
炎をあげている。            
ケイコのDNAに潜み。
彼女をながいこと守護してきた。
犬の遠吠えが。
彼の遺伝子に作用した。                 
三津夫も目覚めた。           
ケイコがうれしそうに。
彼によりそった。

ざわっと悪意がおそってきた。     
麻屋の吸血鬼縛の経文にその力は弱められていた。
だが真紅の顎が。
牙がケイコの首筋をねらって。
おそいかかってきた。    
三津夫が。
もりあがった筋肉のたばを。
そなえた腕で裏拳をはなつ。
Dの顎にヒットした。
Dはわざとらしく。

顎をまわす。

くだけたはずの顎も。
曲がった牙ももとに復している。

「なんだコレア」
「回復力が異常にはやいのよ」

Dがたのしそうに、ニタアッとわらう。
「よくわかるね。オジョウちゃん」

麻屋はふたりをかばいながら。
出口に退く。
「あんなヤツがいるなんて。
ちくしょう、信じられるかよ」
「あせるな、三津夫。
Dもおまえをみてそう感じているはずだ。
おまえのその体は、金剛力をやどしている。
あいつらの牙でも噛み砕くことはできない。
外にでたらおもいきりたたかってみろ」

犬に変身したケイコは三津夫によりそう。



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