20
翔子と百子、そしてクノイチの美少女剣士がFを取り囲んだ。
翔子はさらにFに斬りかかろうとした。
「ちがうんだ。ぼくはこのヒトに助けられた」
体についた青い粘液を拭う。
まるで羊水のなかから生まれたようだ。
純がその動作をくりかえす。
そしてやっと声を出した。
だれがそんなことを想像したろう。
「アケロン川にさしかかっていたようだった。ぼくはダンテの描く辺獄をどこまでも堕ちていくような感覚にとらわれていた。だれかがぼくを押し上げてくれた。それがこのひとだった。三途の川の渡し守、カロンかと思ったが、ちがっていた」
「純。FF7のヤリスギじゃないの。純は、神羅のソルジャーじゃないシ」
そこまでいうと翔子はゲキ泣き、爆ナキ。
百子がそんな翔子をハグして「よかったね。よかったね」とくりかえす。
「わたしも……よかった。信行が……」
「いや、わたしは鬼軍団の、Q――吸血鬼軍団の雇われ軍師だ」
「美魔と敵対関係にある側に属している」
「それでも……Fが血を啜っているのでなければ、うれしい」
「おう。純は神羅のソルジャー。かっこいいネ」
と紅子がマジで純に拍手。
これはFF7のワールドだとヤング。一斉に純に拍手をおくっているクノイチガールズ。
ミイマはダンテの神曲を想った。
信行はFと呼びかけられてとまどっていた。
FF7の世界。
などという言葉にいったっては――カオスの世界に突き落とされたも同然だった。
もつとも蘇生して間もない信行。RPGをしらなくても、ムリはない。
救急車がきた。日名子には翔子と純がつきそった。
いや純も診察の必要があるだろう。
緊張がとけると虚ろな顔になる。
なにを翔子がはなしかけても、顔の表情に変化がない。
PTSDが心配だ。臨死体験からよみがえったのだ。
「純」
翔子は呼びかけた。そっと彼の手をにぎった。
わたしたち……いつも普通でない場所にいる。
……愛してる。愛してるよ。純。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
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翔子と百子、そしてクノイチの美少女剣士がFを取り囲んだ。
翔子はさらにFに斬りかかろうとした。
「ちがうんだ。ぼくはこのヒトに助けられた」
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まるで羊水のなかから生まれたようだ。
純がその動作をくりかえす。
そしてやっと声を出した。
だれがそんなことを想像したろう。
「アケロン川にさしかかっていたようだった。ぼくはダンテの描く辺獄をどこまでも堕ちていくような感覚にとらわれていた。だれかがぼくを押し上げてくれた。それがこのひとだった。三途の川の渡し守、カロンかと思ったが、ちがっていた」
「純。FF7のヤリスギじゃないの。純は、神羅のソルジャーじゃないシ」
そこまでいうと翔子はゲキ泣き、爆ナキ。
百子がそんな翔子をハグして「よかったね。よかったね」とくりかえす。
「わたしも……よかった。信行が……」
「いや、わたしは鬼軍団の、Q――吸血鬼軍団の雇われ軍師だ」
「美魔と敵対関係にある側に属している」
「それでも……Fが血を啜っているのでなければ、うれしい」
「おう。純は神羅のソルジャー。かっこいいネ」
と紅子がマジで純に拍手。
これはFF7のワールドだとヤング。一斉に純に拍手をおくっているクノイチガールズ。
ミイマはダンテの神曲を想った。
信行はFと呼びかけられてとまどっていた。
FF7の世界。
などという言葉にいったっては――カオスの世界に突き落とされたも同然だった。
もつとも蘇生して間もない信行。RPGをしらなくても、ムリはない。
救急車がきた。日名子には翔子と純がつきそった。
いや純も診察の必要があるだろう。
緊張がとけると虚ろな顔になる。
なにを翔子がはなしかけても、顔の表情に変化がない。
PTSDが心配だ。臨死体験からよみがえったのだ。
「純」
翔子は呼びかけた。そっと彼の手をにぎった。
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……愛してる。愛してるよ。純。
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