日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



著者は、中尾政之さん。
生産技術の専門家なのだが、成功事例をもとに講義するより失敗事例で教えた方が生徒へ効果的であることに気づいたことがきっかけで、日本ではめずらしい「失敗学」の権威となったそう。
うーむ、これだけで最高のつかみではないか!


で、第1章「失敗は予測できる」 
失敗のケースを大量に集め、分析することで、先の事故を防止することが可能であると。
重大事故のほとんどは類似災害であると断言している。

例えば、2006年に起こった埼玉県での循環式プールの事故。
昭和40年代から既に60名もの事故が既に発生していたにもかかわらず、再び発生してしまった。


さらにおもしろい!のが。
失敗は、大事故に至る失敗から、電車乗り過ごし、落とし物などの日常的な失敗までいくらでも存在するものの、そのように全く違う分野の失敗でも共通する点が浮かび上がらせることができれば、その対策が打てるという指摘。

失敗は別の場所で起きた失敗と何らかの類似性があり、過去に起きた豊富な失敗例を分析し、その中の類似性に気づきさえすれば失敗は予測できると。
う~んオモシロイ!

またこのような判断ができる人が、実は限られることもを指摘している。
どうしても思考をうまく変換できない人が○割いると。


そして第3章「失敗から逆転する」では失敗を予測するだけでなく、どうすれば失敗を回避できるかという方法も考察しており、実に参考になる。


最後のあとがきで、去年6月に渋谷であった温泉の天然ガス爆発事件にまで言及。
この本の発売は8月なのに.....
筆者がこの本の中にありったけの最新の事例(他山の石!)を取り込もうと努力し続け、最後までこだわったことがわかる。
そしてこの具体性が論旨の説得力を大幅に強化している。

これほどためになる本はめずらしいのではないか!
(というか、ためにしないとイケナイ、と自己反省...)

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