日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



著者はスポーツライターの杉山茂樹氏。
サッカー談義で日常的に語られている「システム」について、海外の試合を多く経験している彼の視点から論じた一冊。
冒頭で自ら「サッカーは布陣でするものか、否か」と問いつつも、実際に観戦した試合をベースに実感で語っていく中で説得力を発揮していくので、大変おもしろく読めた。

まず皮切りは、06-07 UEFAスーパーカップ。
具体的には、UEFA チャンピオンズリーグ優勝のバルセロナと、UEFAカップ優勝のセビリアの一戦。
この試合私はテレビ観戦できていないが、下馬評を覆してセビリアが4 vs 0でバルサを撃破していることは記憶にあった。
この試合で大活躍したダニエウ・アウベス(とロナウジーニョ)を切り口として、サイドの重要性について語りはじめる。
(そういやダニエウ・アウベスは今季からバルサですなあ...)

次に取り上げるケースは、06-07 UEFA チャンピオンズリーグ 決勝トーナメント第一戦 アーセナル vs PSV(監督:ヒディング!)
この試合でどう番狂わせが起こったかを同様に解析。
くわしくは本書に譲るが、なかなか!

で、このあとアリゴ・サッキの「プレッシングフットボール」、ヒディンクコリア、日本代表(特にこのへん辛辣!)などと展開していく。
個人的には、ヒディンクコリアが「どのように準々決勝の対戦相手イタリアを混乱に陥らせたか」を具体的に語る部分が、納得性も高く最もヒットした。


先日のEUROでロシアを率いあらためて「ヒディングマジック」という言葉を世界に実感させたばかりのヒディング。
ちょうどオランダ戦のころ、この本を読んでいる最中だったので、ロシアのフォーメーションが 4-1-3-2 と発表された時この本冒頭の9つのパターン表をチェックしたのだが、そんなものはなかった。
つまり、この試合でも明らかにNEW TACTICSを仕掛けてきているのだ!
あとでわかったのはキーマン スナイデル対策をかけつつ、攻撃重視の布陣だったということだが。

この本は、そんな彼の片鱗だとしても理解できたような気が出来るというだけでも、超お薦めといえよう!
(もちろんそれ以外にも読みどころはたくさんある)

最後にちょこっと愚痴。
最近読んだあとぜひ紹介したいと思うような本が少ない。
けっこう乱読しているはずなのだが。
この本を紹介する前にもっと固いのをと思っていたのだが、ことごとく散っていった。
もっと正しい選択眼を持たなければイケナイと反省。
ちょっと本系のブログにふりまわされすぎかな....

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