日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



米コロンバイン高校銃乱射事件を取り上げた衝撃作「エレファント」に続く、ガス・ヴァン・サントの新作。

見終わった直後は、あっけなく終わる事もあってコメントしづらい状態になる。
だがすぐあとからシーンというより、イメージがじわじわ蘇ってくる。


ある事件をきっかけに、世の中全てが全て暗転してしまった16 歳の主人公。
昨日までとまるで違う、どす黒い沈殿の中に彼の意識はある。
この世代の最大関心事「初体験」でさえ、この中で灰色になってしまう。

この意識をまずあぶり出すのが、ハンディカムも部分的に使用して主人公の視点・気持ちを表現する「映像の力」。
(クソ映画HAKAISHAとは全く違う次元!)

次に「音楽の力」。
まずはあっと驚きの、ニーノ・ロータ。
彼と言えば、フェリーニだが彼の映画「カビリアの夜」「アマルコルド」の音楽が使われており、これがまた不思議に効いている。
オープニング・タイトルの部分の音ですでにでおやっ?となるのだが、実際この時点で既に彼の音楽。
このニーノ・ロータだけではなくテープ逆まわしの音源など、登場する全ての「音」「音楽」の映像とのマッチングが素晴らしい。


こうなってくると、春の公開時に劇場の暗やみでしっぽり観たかったと後悔。
一方、こういう種類の映画は評判がよほど高くない限り、なかなか行けない映画ではある。
ただ観てわかったのが、上映時間が短いこと(エンドタイトル到達まで78分)
家でも、なんとかそのくらいなら集中できる時間を確保できるかもしれない。


ガス・ヴァン・サント監督の次の作品は 「Milk」。
ゲイをカミングアウトしつつ初めて合衆国の大都市の公職に選ばれたが1978年に射殺された人物の話。
出演陣はショーン・ペン、ジョシュ・ブローリン、ジェームズ・フランコと、なかなかにくせ者ぞろいで、11月のアメリカ公開の評判が楽しみではある!

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