日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



著者は2人。現役の広告マン、亀田 卓氏と、元銀行マン寺嶋 博礼氏。
この2人がそれぞれ、「エンタメ」と「金融」という、全く違う世界の融合に奮闘した自分を振り返る。

この本でも出てくるが、ぱっと思い出したのは、David Bowie が1997年にやった、自分の楽曲300曲以上の著作権を証券化したケース。
当時、さすがDavid Bowieやるのお~、アタマいい(というかコスいなあ)とは思った。
それで5500万ドルもの資金を調達したのだというのだから。

このコスいなあという感覚が、自分の基本的な生き方からきているような気がする。
なので、様々なエンタテインメント・イベントを「証券化」してしまうというのも違和感がどうしても起こってしまう。
「エンタメ」と「金融」でいうと、どっちサイドにつくかは明白である。

この「エンタメ」と「金融」の違いを切り取っていく第2章「金融とエンタテイメントは水と油?」がすこぶるおもしろい。
「言葉が全く通じない世界」を体験した者だけが語れる異次元ワールド。
この中に、かなり我が意を得たり!な表現がかなりあった。

その表現は例えば、
お金に汚い vs お金にルーズ
人の言葉を信じない vs 人の言葉を信じる
全てを数字で語る vs 数字が嫌い


だが世の中の潮流は、本でも主張しているように確かに「エンタメ」×「金融」という方向に明らかに向かっている。
それは後半の元銀行マン寺嶋 博礼氏のような方が現れていることに象徴されるだろう。

読後してまず思ったのは、この「水」と「油」が混ざった感が、この本からでさえ染み出てくること。
お互いにアプローチは違うのにエンタテイメント界にいるにもかかわらず。
ここに微妙さが現れていて面白い。
もし編集者が「狙い」でこういう構成にしたのだとしたら天才かも!(ないない)

最後にもうひとつ。
この本のカバーは通常とは違う特殊な造りになっていて面白い。
そのワケは簡単に類推することができるが、こんなところにもコンテンツ製作の「知恵」が感ぜられて良い。

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