先日の日経朝刊の社説にこのような記事があった。
「訪日観光客を増やす努力を」
2008年に日本を訪れた外国人観光客は過去最高だったが、11月以降2桁の減少率が続いているという。
記事ではふれていないが、明確に「円高」の影響なのは、間違いない。
一方で、
「観光産業の裾野は広く、消費などによる波及効果は大きい。
(中略)
これからも着実に外国からの訪日客を増やしていきたい」
今年の1/10に読後評をアップした「メガ・リージョンの攻防 人材・企業の争奪戦にどう勝利するか」にこの良い解答があるように思う。
なので引用させていただく!
現在の世界経済は、アメリカ発の不動産・金融バブル→崩壊→その調整局面にあるが、そんな現象とは関係なく「フラット化する社会」が当たり前のこととなりつつある21世紀。
こうした中、現在の日本人が「日本」のあり方の捉え方をいかに「世界の中における日本」、そして特に持つべきのは「アジアをリードする日本」「東アジアをリードする日本」という視点であると考えている。
だが、日本人は島国のせいか、なかなかこういう視点で議論がなされることは少ない。
アジアの中でもこの視点の意識は大国であるにもかかわらず、恐ろしく希薄という認識である。
韓国あたりの凄まじい気迫と比べると、ホント情けない感じである。
本で特に刺さったのは、第6章「グローバル感性都市」東京の競争力を高める。
東京のソフトパワーを、映画、ファションそして東京マラソンの3つの事例をもとに分析している。
これを読むと、2016年東京オリンピック招致がいかに重要かを改めて感じさせる。
今年の10月の開催国決定に向け、東京、関東そして日本全体の民意を高めていくべきであると再認識した。
大事なことと考えているので、以下再び引用させていただく。
(2008-09-14 読中評(中):オリンピックはなぜ世界最大のイベントに成長したのか なぜ2016年東京かを理解する、より)
<東京は経済的ピークをすぎた疲弊した国の首都だというイメージを
<追い払うのに成功した。
<そして日本の評価を、アジアの中に埋もれつつある国というイメージ
<から「やはりアジアの中心の国」へ見直すきっかけとなった
<日本の経済力は衰えつつあるとはいえ、まだまだ強力な
<資産や可能性を持っている。
<ところが中国、韓国に比べた場合、日本人的な精神的な弱さが
<その負のスパイラルを自ら強めてしまっているような気がしてならない。
先に飛ぶが400ベージ(第10章)の一節を引用、活用したい。
「アテネはスモッグに覆われた開発途上国の都市だというイメージを追い払うのに成功した。
そしてギリシャの評価を、ヨーロッパの貧しい国というイメージから「やればできる国」へ見直すきっかけとなった」
これを日本に言い換えてみよう。
「東京は経済的ピークをすぎた疲弊した国の首都だというイメージを追い払うのに成功した。
そして日本の評価を、アジアの中に埋もれつつある国というイメージから「やはりアジアの中心の国」へ見直すきっかけとなった」
それは外部に向けての話だけではなく、国内の意識がまず変わるというところに価値があると思う。
日本の経済力は衰えつつあるとはいえ、まだまだ強力な資産や可能性を持っている。
ところが中国、韓国に比べた場合、日本人的な精神的な弱さがその負のスパイラルを自ら強めてしまっているような気がしてならない。
世界の意識、国内の意識をこれだけスイッチするのに、他の方法だといくらかかるのか。
世界に日本人が出かけたときに「語り草」になるようなことを、他のことが実現できるのか。
今のうちにこの議論をよく行い、マスコミを核として(そしてブログ?=微力ながら協力します)日本全体に理解を深めていかねばならないと切に感じる。
10月2日、デンマークのコペンハーゲンで開かれる第121次IOC総会での決定まで、残された時間はもうホントに少ない....
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