日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 





著者は、「マネーボール」のマイケル・ルイス。
先日Blu-rayで今作品を改めて鑑賞し、オマケについていた彼のインタビューを拝見した。
「あの本を書いた動機」などのポイントをついた内容で、しゃべりも含め気に入った。

だからというわけはないが、さて「ブーメラン」
サブタイトルにもあるように、アメリカ発のサブプライム問題が欧州でさらに爆発し、また戻ってくる様を取材を通して描いている。

まず「序章 欧州危機を見通していた男」で凍り付いた。
サブプライムが生み出したCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は企業の倒産などの経済のマイナスの事象を予想し、全くそれに関与していない人でも、それにベットして大金を稼ぐことができるという、とんでもない代物なのだが、サブプライム問題を予見し、大もうけした人物の話だったからだ。

しかも! その後その人物がベットしているのは「企業の倒産」ではなく「国家の倒産」に。
しかもその国家はフランスと日本!
吐き気はしてくるし、読む気を無くしてしまいそうなくらい強烈なオープニング....


そして、章ごとにサブプライム問題に巻き込まれた(あるいは自主的に加担した)国々を取材する。
第1章 漁師たちは投資銀行家になった     =アイスランド
第2章 公務員が民間企業の三倍の給料をとる国 =ギリシア
第3章 アイルランド人は耐え忍ぶ       =アイルランド
第4章 ドイツ人の秘密の本性         =ドイツ

そして、
第5章 あなたの中の内なるギリシャ      =アメリカ!(お~ブーメラン 笑)


下手な恐怖小説よりも怖いと感じる経済もの、って貴重。
個人的には、今年マストの1冊かな?

なので前著「世紀の空売り」も近々読むことを決意。
こっちも、そうとうゾッとできそうだから夏にするかな(笑)

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