日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 





昨日アップしたポロックの代表作をもつMoMA(ニューヨーク近代美術館)
未だ美術館が収集の対象にするには価値が確立されていない「近代美術」にあえてフォーカスした美術館として、世界に影響を与えてきた。

この館長他を1929年9月の開館から 1967年まで、MoMA(ニューヨーク近代美術館)務めたアルフレッド・バー。
彼を振り返りながら、ニューヨーク近代美術館の立ち上げから、その発展を描く。
その内容については本を読んでいただくとして、個人的に特に刺さったところをほんの中から集めて以下メモ。


まずはNYの他の美術館との関係性。
NYに行った場合、数館まわるわけだが、その歴史を違いを知っていることで、より楽しめそう。

with メトロポリタン美術館、以下。
<ニューヨーク近代美術館設立を、ヨーロッパにおけると同様、ニューヨークにおける近代美術への感心の高まりを結果として捉え
<その役割について、これらの美術館の関係に倣い、既にニューヨークでアメリカのルーブルへと発展を遂げていた「偉大な美術館ー
<メトロポリタン美術館」と共存し、互いに機能を補完しあうということを期待していた。
(中略)
<その運営ポリシーから除外されてきた近代美術展の開催ーそれもセザンヌから今日までの、アメリカとヨーロッパの偉大な近代の
<巨匠の出来るだけ完全な展示

withホイットニー美術館(1930年開館)
こちらは設立者のコレクションを基に、それを恒常的に展示されるために設立された。
逆にいうと創設期、基本MoMAはコレクションにこだわらない点が特殊だったことがわかる。

withグッゲンハイム美術館(1937年開館)
<ヨーロッパの前衛作家たちの渡米(第二次世界大戦の影響)と共に、アメリカの美術界に大きな影響を与えたのが、グッゲンハイム
<美術館の名で知られている1939年創立の「非対称絵画美術館」の設立者ソロモン・R・グッゲンハイムの姪ペギー・グッゲンハイム
<が1942年にニューヨークに開いたギャラリー「今世紀の美術」の活動である。
(中略)
<この今世紀の美術は、バーの展覧会から一歩進んで、抽象芸術とシュールレアリズムを対等に展示することによって両者の対話を促し
<近代美術がその後進んでいくべき方向を指し示すことになったのである。
こちらもコレクションから始まった美術館ということ *()は、筆者補足


また近代美術館ならではの方針として、1942年に理事長の言葉を引用した以下の一節も面白い。

<パーマネント・コレクションが変化しないということではない。
<それが持っているのは、およそ川が持っているのと同じ恒久性のようなものである。

これが先の、
<「メトロポリタン美術館」と共存し、互いに機能を補完しあう
に繋がるわけだ!
彼が1933年に作成した図「時間を通過する魚雷」は魚雷の形を基に、そのMoMAの美術館の展示内容が少しずつ変化することを示している。
実に興味深い(p.172)


とはいえバーの引退後40年がたち、最近では状況が変わってきた。
上記のように一歩も二歩も先に進み続けたし、現在もそうあり続けるMoMAではある。
新築デザイン・スペースを生かした野心的な企画を連発して感嘆させる一方で、取り上げる作家の実績をある程度は重視せざるえない。

まわりで目立つのはまず、場所、建物をモダーンにリニューアルし、正に最新のアートを展示するNew Musium。
そしてホイットニーはNYで最も熱いゾーンである、ハイライン(High Line)に新館を建築予定。
またメトロポリタン美術館がちょいちょい自ら買い足す最新の作品に個人的にとても引かれる自分がいる。
(Anish Kapoor氏の作品 As Yet Untitledとか、Geroge Condo氏の作品とか)

今後もこれらの動きから目が離せないな、とこう書いてみて改めて思った(笑)


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



     


 
編集 編集