日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 





論客 野口悠紀雄氏が、1980年代~現在を俯瞰し、タイトル通り日本の問題に迫る。
氏の場合、どうしてもアベノミクス批判に世間の注目がいってしまう。
この本でもその理論展開があるが、ここでは違う角度から。

一言にいうと、この30年間の国際経済を取り巻く環境の激変をうまくまとめていると思う。
各章の当ブログ的に刺さったフレーズを以下。

第1章 経済思想が大転換した
 計画経済は機能せず、ソ連崩壊は必然だった。
 日独 or 米英?の経済覇権争い
 EUROは出来たが機能せず。

第2章 IT革命
 ITの基本解説から、21世紀型グローバリゼーションへ。
 共産圏では、情報統制の中、この革命が成長する余地がなかった。
 垂直統合→水平分業による日本への影響

第3章 市場型経済の復活
 アメリカ経済の復活、イギリスの大変貌……脱工業化と金融立国
 一方アイルランドは驚異的な経済成長

第4章 中国が工業化に成功した
 改革開放が軌道に乗り、新しい企業が台頭


ときて、次からがいよいよ日本。

第5章 取り残された日本は円安のぬるま湯に
 バブル不良債権処理に追われた日本の90年代に、大変化に気づかず!

そしてより現在に近づくと、リーマン・ショックの解説を通し、日本の病巣に迫る。

第6章 100年に一度の金融危機
 アメリカ住宅バブルを産んだものは、投資銀行の変貌。
 円安バブルの進行

第7章 リーマンショック後の世界
 最も沈下したのは日本。GDPが年率2ケタ減
 米中というG2の時代に突入。


そうしてこの本の結論が以下4章。

第8章 日本経済が抱える深刻な問題
第9章 制御不能に陥っている日本の財政
第10章 アベノミクスは答えにならない
第11章 未来を拓くために必要なのは何か?


タイトルで、おっ!となるのが最後の結論部分の11章。
どうしてもこの部分に期待がかかる。
だが残念ながら、提言部分はあっさりしていて、目新しい内容にやや乏しいと感じてしまった。
それを批判する人たちもネット上でいるよう(オビのコピーややオーバーぎみ...)

だが当ブログは考える。
野口氏をもってしても、現在の日本の今後に明確な指針は出せない、それだけ厳しい状況、なのだと…
政治家も、アベノミクスを始めとして、同様に進むべき明確なビジョンを示すことはできない。
2020年まではオリンピックもあり、それなりに形はつくかもしれない。
が、その後をつくづく考えさせる1冊だった、という点でお勧めと言える!

うーん 暗い気分に陥ってしまった…
一掃するために次に読む本は以下。
「楽観主義者の未来予測」(笑)

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