景色をゆっくり堪能しながらの余裕綽々の登山です。今度は景色だけでなく、地面にも気を取られてしまいました。岩石のことは殆ど知らないくせに、石仏をほんの少々齧ってしまいましたので、興味だけは人一倍持ってしまいました。地肌がむき出しになった地面には、岩石も転がっています。山の中腹あたりで、その場所では見かけない岩石を見てしまいました。
大平山を地質図で見ますと、下部が凝灰岩(火山灰が積もって固まった岩石)で、上部が流紋岩(マグマが地表付近で固まった岩石)となっています。どちらも畑沢の石仏に使われています。特に流紋岩は、立石山と大平山だけにあり、上畑沢の延命地蔵に使われた極めて硬い岩石です。この山の特徴を示すものです。
ところが、この流紋岩ではない岩石が転がっていました。一つは、頁岩(硬質)です。大昔には石器にも使われたものです。
次は、砂岩状の岩石です。凝灰岩との区別は素人の私には難しいのですが、畑沢の石仏で使われている凝灰岩とは明らかに異なります。
最後の岩石は、さらに分かりにくいものです。一見、花崗岩(御影石)のようにも見えますが、花崗岩よりも結晶が小さいようにも見えます。
畑沢の隣接している細野地区の地質図には、頁岩、砂岩の印がありますので、境界に近いこの辺りには様々に混じっているのかもしれません。実際は地質図のとおり、スパッと地質が明確に区分されていません。
素人の岩石学はこれで幕を閉じます。