~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

チェロコンチェルト

2008年07月12日 23時08分15秒 | 室内楽
チェロの初あわせに行ってきました。

今回は、友人でも知り合いでもない、依頼を受けた相手なので、どうなることかとちょっとだけ心配。
中学生の男の子で、4月に彼の演奏を聴いているはずなのですけど、自分が伴奏した直後のプログラムだったせいもあって、実はあまり記憶になく・・・(すみません)

彼のお宅は私のうちからはそう遠くないのですが、ダイレクトに行ける手段がなかったので、あちらの最寄の駅まで迎えに来てもらいました。
ナチュラルな感じでとても雰囲気のいいきれいなお母様。ピアノの先生と伺っていたので、「・・・え・・なんでシロウトの私が伴奏・・ドキドキ・・」と思っていたのですけど、車の中ですでに共通の知人の話題で意気投合。

昨年まではお母様が伴奏もされていたようなのですが、中3になってからはレッスン室にも入らず、息子さん本人が自立して頑張っておられるようで、今日の合わせにも立ち会われませんでした。
ただ録音の時は入って来られましたけど・・・。

この録音なんですけど、行きの車のなかで「今日録音してもいいですか?」といわれ、練習の録音かピアノ伴奏を単独で録音するかのどちらかだろうと思った私は、「ハイ、いいですよ」と応えたのですが、これが実は、予選エントリーのためのテープ審査用録音(爆)。
「本番は8月だし、今日は初合わせだから」と、そこまでつっこんで練習していなかった私はちょっと焦りました。・・が、しかたありません。

3ヶ所ほどひっかけてしまい、私としてはもう1テイクしたかったのですが、チェロのO君が「これでいい」というので、「まあ、チェロ部分は問題ないし、いいか」とあきらめ(?)ました。

曲はカバレフスキーのコンチェルト(1番の1楽章)です。
この曲を全然知らなかった私は、「苦しい時のNAXOS頼み」で安いCDを手に入れ聴いてみたのですが、なかなかいい曲。
リズムのキレあり、変拍子あり、強弱の幅も大きいし、伴奏部分(オーケストラパート)もかなり弾きがいがあります。私の今一番やりたいことは、コンチェルトの伴奏なので、これは願ったりかなったりです。
あらかじめO君には、どれくらいの速さで弾いているのかテンポをきいていましたが、ほんとにこの速さで落とすとこなく弾けるのかな・・と半信半疑でした。技術的にかなり難しそうなところがあったもので。
ところが、テンポを落とすどころか、難しそうなところで加速してましたよ。リズムのキレもいいし、若いっていいなあ、とほれぼれしましたねえ。
それと、この曲、ちょっとどこか鬱屈した雰囲気(ロシアっぽいとかソ連っぽいとも言えるのでしょうが)が漂っているのですけど、それがこの年齢くらいの男の子の、出口を探してぐるぐるしているようなエネルギーの感じと相俟って、独特の音となって出てきます。
・・・いやあ、私、枯れちゃったなあ(爆)と思いましたね。この伴奏をつとめるにはもうちょっと微熱のような音がほしいです。それも更年期ののぼせではなくて、身体の芯に何かを抱えていてなんとかしてくれ~みたいな、ね。
80歳くらいになっても、若い演奏家たちと年齢不詳の(笑)みずみずしいアンサンブルをしていたルービンシュタインって、やっぱりすごい人だとあらためて思いました。


ところでO君のお母様、実は私と似たような経歴ののちにピアノの先生になられたようで、そのあたりの話もはずみ、実に楽しい時間となりました。
これから暑い季節ですしコンクール続きですけど、いい夏になるといいな、と思っております。