~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

寒い一日~~プロミシングコンサートのことなど

2013年12月12日 23時35分00秒 | 交響曲・管弦楽曲等

今日は寒かった~。予報では最高気温9℃とか出てましたが、実際どうだったんでしょうか?

ここのところ日没が早いので、娘の習い事の送り迎えをせねばならず、免許を持たない私は徒歩で往復してます。急な坂を日に2往復くらいが通常です。以前は坂の途中で一息いれてましたが、最近は一気に登れるようになり、所要時間も短くなってきた。・・・で、よしっと思って体重を測ったら、けっこう増えてた。なぜだ、なぜなんだ?!・・・あやうく体重計に蹴り入れるとこでした。

さて今日は、午前中友人宅で連弾のパート決め。10数分の曲を1回あらかじめ予定していたパートで通してみて、じゃあ逆やってみようかとファーストとセカンド入れ替えてやってみたんですが、なんか全然雰囲気違うんですね。当たり前といえばあたりまえですけど。 ずっと逆のほうがいいような気がして、また弾きやすいような気がして、結局練習パート入れ替えです。彼女とは以前も組んだことがありますが、曲によってパートを替えていて、いまだに実はどちらが向いているのかよくわかりません。

昼は、別の友人と会い、仕上げ練習を聴かせてもらいました。この友人とはもうかれこれ10年のおつきあいです。お互いずーっと聴き合ってきてまして、それぞれの環境の変化もピアノについてのあれこれも知ってます。そりゃお互いうまくなりたいし、うまくなったほうがいいけれど、今まで50年くらいの人生の直近の10年間を身近に聴きあってきた仲間がいるというのは、それだけでありがたいことです。

そしていったんうちに帰り、それこそ娘の送り迎えをし、夕食の準備をしてから、・・・・出かけました。

プロミシングコンサート。これは地元の期待の新人が広響と共演するというもの。

プログラム~~~~~~~~~~~~~

鴨田友梨香 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調

谷脇友里恵 ボッテジーニ:コントラバス協奏曲 第2番ロ短調

井上裕香   ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調

<指揮>鈴木織衛  <管弦楽>広島交響楽団

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9月のリサイタルで、「語り」のシューマンを聴かせてくれた鴨田さんが、コンチェルトをどう弾かれるのかとても興味がありました。ひとりがたりのような独奏とはまた違うはず、と。

最初のうちこそ、緊張もあってか、ちょっと硬めの音もあったように思いますが、途中、とくに変イ長調のアンダンテ・エスプレッシーボのあたりにくると、ピアノもよく鳴り、音色も豊か。 同じメロディーの掛け合いのところは、先行の管楽器や弦楽器のニュアンスをよく汲み、あるときは生き生きと、あるときはしっとりと対話されてました。リサイタルのときの「語り」はひとりがたりのようなものが多かったのですが、コンチェルトにおいては他楽器との対話部分もあるわけで、彼女の「語り」の世界がいっそう広がったという印象を受けました。

第2楽章も引き続き対話もあり、表情もさらに濃やか。第3楽章は動きもオーケストラとシンクロして、生き生きと喜びを歌い語っていたようでした。

彼女は「超絶技巧の持ち主でなんでもすぐ弾けちゃう」というタイプではないと思いますが、やりたいこと、伝えたいことをしっかり持っていて、かつ真摯に音楽に向きあっていることに好感が持てます。これからもずっと演奏を聴き続けていきたい方のひとり。

 

コントラバスについては、曲も楽器も不勉強ゆえによくわからないのですが、ポジションの移動域の非常に広い楽器で、ソリストを務められるのは大変なことなんだろうな・・と思いました。とても美しいドレスであの大きな楽器を持って登場されたときのインパクトは絶大でした。大きい楽器ゆえのご苦労はこれからもあると思いますが、ぜひソロでの活動もお続けください。

ラヴェルの方も素晴らしかったです。まずは安定感が抜群で、聴いてるほうにもなんの不安もない。音は伸びのある美しい音で耳を惹きつける力がある、そして総じて巧い。新人というより、それなりに経験のあるピアニストという感じを受けました。この方のリサイタルはまだ伺ったことがないので、いつか聴かせていただいきたいな・・と思いました。

コンチェルトを聴く機会というのは、オーケストラの公演でプロの演奏を聴く以外はほとんどありません。まして弾く機会はもっと少ないです。私がコンチェルトを体験するということは終生ないと思われるので、経験のないところから感想も言いにくいのですが、今日のお三方はオーケストラに負けず、といって勝手というわけでもなく、バランスと協調のある、満足度の高い演奏であったと思います。

これからも研鑽を積まれて、すばらしい演奏家になられることを願ってやみません。