卒業を
桜がそっと
お祝いし
so tsu gyo u wo(5) そつぎょうを
sa ku ra ga so xtsu to(7) さくらがそっと
o i wa i shi(5) おいわいし
卒業は、学校以外でもいろいろある。
ここでは、そうした公式でない「卒業」をさしている。
桜は、卒業、入学以外にも、お祝いには欠かせない。
長い冬から春への季節の変化のシンボルである。
桜を見て、日本人は喜びを感じる。
その桜が、頑張った人へそっと「おめでとう」と言うかのように咲いている。
という句である。
最後の5音は、擬人的に「おめでとう」でもいいかもしれない。
しかし、ここでは句の余韻を残すために、日本語の古い言い方である「し」とした。
頑張っている人は、桜も見ていて、おめでとうと言ってくれるかのよう。
というのが、この句である。
人しれず、頑張って一区切りつけ、「卒業した」すべての人への応援句である。
この句は、「桜」が春の季語なので、「俳句」である。
「そっと」は、静かに目立たないようにという様子を表している。
日本人は、そうした「そっと」が大好きである。
言い換えると、自己主張するのは、あまり好きではない。
それは、日本の自然が厳しいからである。
大地震、津波、火山の噴火、大雪、大雨、高潮、台風、竜巻、土砂崩れ、雪崩、地すべり・・・
そうした、大自然の厳しさの前では、いくら自己主張したところで、一瞬で変わってしまう。
そうした、自己主張はあまり意味がないことを、何千年もの暮らしの中で何回も経験してきている。
だからこそ、流転する時間の大きな変化の中で、桜の花の一瞬の美や可憐さを大切にするのである。
「かわいさ」に価値を置くのもそれと同じである。
変転しないものはない。
永続の価値はない。
ということを日本語は、心底から組み入れている。
日本語の背景を知っておくことが、日本語の理解に役立つと思います。
でも、本当は日本に住んでみることが、一番だと思います。
まずは、桜を見にいらっしゃいませんか?
「卒業」されたら。
これからが、ベストシーズンです。
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