○博多座のSHOCKに着く前に30分位早かったので、歌舞伎でなくて洋物?の観劇や鑑賞の前はやはりカフェぽい方が気分かな、と思い、隣の近くのカフェ、ブルックリンパーラーで休憩。ここは前を通りつつ「へえ、こんな店ができてたんだな」と思ったことはあっても、まだ中に入ったことがなかったので。そぞろに空腹でもあり腹ごしらえしてもよいのだが、夕食を頼むには若干時間不足な上、通勤と帰宅途中のバイクなもんだから、アルコールはいかん(爆)。そこは前回のパブ・カーディナルのようなわけにはいかない。
とりあえず、おとなしくケーキセットにする。恒例のガトーショコラとアメリカンコーヒーである。甘さも苦さもほどよく硬さも好みの固めのチョコケーキだが、(ハードロックカフェとかもそういうところがあるけど、お値段と量ともに)かなりボリュームがある。キイロイトリ「サスガニ アメリカンナ サイズハ デカイ…」
店内は言わば「知的で粋なニューヨーク」な「アメリカのクラシック」なお洒落な感じ?だろうか。若干音量大きめの1950年代風の音楽(ドリス・デイとか、ナット・キング・コールとかそういう風の)が流れ、壁面の本棚に並ぶ現代アメリカ小説や写真集等の数々、「太い黒縁の眼鏡が似合う」ような、レイモンド・カーヴァーやマンスフィールドなんかの“村上春樹訳の小説”なムードな気分という感じ、というか。そういえば、こないだの映画「ヒッチコック」も、室内のインテリアや設えがそういう50年代調のお洒落さを持っていたような気がする。
本日のBGM:
映画「ロープ」(米、1948)(AXNミステリー、4/21 20:00~)
音楽:Leo F. Forbstein
映画「ヒッチコック」連動企画?で特集の放送。なお、映画「ヒッチコック」の中で、「サイコ」の配役に選ばれたアンソニー・パーキンス(ジェームズ・ダーシー)がヒッチコック(アンソニー・ホプキンズ)に会う時、なんか緊張しつつ“もぞもぞ”しながら(←うわーw)、監督のヒッチコックに「監督の作品では、…『ロープ』とか、『見知らぬ乗客』とか、好きなんですけど」というようなことを言うシーンがあって、えええそれってやっぱファーリー・グレンジャーのファンだったりするんですかいあんた!?腐女子腐男子号泣(爆)みたいなところもこそっと演出に盛られているのでちょっと笑える仕掛けになってたりするようだ。
さて本編の「ロープ」は、まさにそんな神経質で繊細で潔癖そうでぴりぴり緊張する秀才のハンサムな青年たち(まだ40~50年代だから、ビートルズ的に長髪の崩した汚なめの若者は出てこなくて、異様に紳士的にファッションが整ってる頃だ)が見ものな映画なのだろう。自分もヒッチコックの中では結構好きな方で(皮肉ぽい「おとぼけ」ジェームズ・スチュアートもかっこいいし・笑)、見るのは3度目くらいだろうか?全編カメラが何間かつながっている室内を移動して、ワンシーンでつないでるように見える(よく見るとつなぎ目がわかるそうだ)、という原作の舞台の芝居らしさを生かした映画である。ある種の倒叙ものだが、やっぱり台詞の巧みなひねりの多い応酬がいちいちはらはらさせて、同時に時々ユーモラスで可笑しい。フィリップ(グレンジャー)の弾くピアノの曲がなんか変調してっておかしくなってくのが変(しかもBGMにちゃんとなってるとか)。ああ、ヒッチコックの映画ってこういうのだなあ、と思う。(20130421)