「世界中がわらえる」&「神か天才か、それとも」 私のこだわり人物伝にチャップリンとモーツアルト.
桂小米朝著「モーツアルト」.
こちらのサブタイトルは「神か天才か、それともアホか」.
モーツアルトが江戸時代で言えば「宝暦年間」の生まれ、寛政3年の没といえば、時代が理解できる.
バロックの次の時代.
モーツアルトの音楽について、「弾くとわかる凄さ、楽しさ」(148p 小曽根真・記).
「ねじれのある音と哲学」(139p 井上道義・記)に、その評価と、音楽像がしめされる、か.
ただし後者には、いささか注が必要.
「表現に抑制がきいていて、とても大人の音楽」「(半音階をつかって)曖昧な気持ちを表現するときに効果的」
「(人間は悪いことに魅力を感じるものだし、悪いことをやめようとおもってもなかなかそうはいかない)曖昧さを認める哲学」.
そこを、モーツアルトの「好きですね」の点と、井上はむすぶ.(『私のこだわり人物伝』 日本放送出版協会 2006年6月).