豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

五感のアレゴリー 追補

2014年03月25日 | 今日の美女
 250点ほどの「五感」の絵を見ているうちに気付いた奇妙なことがある。特に「TOUCH・触覚」の古い絵には女性の足元にはほとんど「亀」が描かれているのである。下掲四段目までの「触覚」八枚の赤い囲みに見られるごとくである。そしてそのうち何枚かは黄色い囲みで示したように「蜘蛛の巣」が描かれている。「触る、触れる」と蜘蛛の巣との係わりは判るが、亀の方は理解できない。しかし、一枚目の絵のようにわざわざ欄外に「タッチ」のイメージとして「亀」を描いているところを見れば、触覚と亀との強いつながりがあるはずなのだが。

  Jakob von der Heyden              Hendrick Goltzius                 Crispijn de Passe the Elder 
    

  Adriaen Collaert                              Juan de Arellano
  

   Pierre Landry                                     Jacob Backer
  

  Heinrich Renbage                                    Adriaen Collaert Flanders
  

 亀のことで見直しているうちさらに他の感覚も、それぞれ固有の動物が添えられていることが分かった。上掲の右の絵の通りで、すなわち「視覚・鷲」「聴覚・鹿」「嗅覚・犬」「味覚・猿」「触覚・亀」である。犬と嗅覚はよくわかるし、鷲は鋭い眼つきからの連想だろうか。臆病な鹿が音に対して敏感とか、猿が果物を齧る姿が印象的ということかもしれない。こういうことで結びつけるなら、亀は触れるとすぐ首手足を引っ込める動作が特徴的ということになると、こじつけたのだが、どなたか正しい解釈をご存じなら教えてください。

 下の絵はすでに掲載してある絵だが改めて人物の足元などよく見ると、お約束通りの動物が描かれている。
 昨日のマイセン人形でも亀は以外はちゃんと揃っていよう。この写真では一番目と四番目はちょっと見には判別しにくいが、猿と犬によって味覚と嗅覚と区別できるともいえる。
  Antoon Claeissins





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