豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

秋の女 三夕拾遺

2015年09月25日 | 今日の美女

 昨日の「秋の夕暮」の三夕をベースにした作品は他にもあるのだがほとんどが不揃いである。
 似通ったものが多いが、あえて並べてみよう。

 新古今集「三夕」
  心無き身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮     西行
  寂しさはその色としもなかりけり 真木立つ山の秋の夕暮     寂連
  見渡せば花も紅葉もなかりけり  浦の苫家の秋の夕暮     定家

   寂連は百人一首の「村雨の露もまだ干ぬ槇の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮」が有名でこちらと誤る人も多い。

◎ 鈴木春信 見立三夕 
  西行と定家のみ。三枚目は寂連だがこれは明らかに別バージョン 
    

  鈴木春信の一枚ものの「見立て三夕」 左から西行・寂連・定家で、背後の景色に歌の内容が示されている。


◎ 葛飾北斎の西行と寂連
  
  
◎ 勝川春章  西行・寂連 
  

◎ 駒井義信  西行・定家
  

◎ 磯田湖龍斎  西行・寂連  
 三枚目は別の「風流多賀袖三夕」の寂連だが、袖に描かれた歌は「村雨の」である。  
    

◎ 二代目歌川国貞  
「風柳月三夕」というタイトルであるが本来の「三夕」とは直接関係なさそうである
   


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