楊州橋本周延は何度も登場している浮世絵師で、色々な「ふく」という風俗、風物 を女性と子供中心で描いた揃いもの。
こじつけもあり、また現在では通用しない「ふく」ものもある。
上段左から「洋ふく」 「福引き」 「福笑い」
下段左から「大礼服」 「匍匐」 「へんふく」
「大礼服」は現存しない宮中礼装で、このシリーズでは唯一男性が主役の作品。
「匍匐、ほふく」と読めるのは「匍匐前進」などで覚えたかなりの年配者。「這いはい」のことで「葡萄」と勘違いしないこと。
「へんふく」は「蝙蝠」の音読みで「こうもり」のこと。つまり「バットマン」は「へんふく男」ということになる。
日本では歓迎されない生き物だが、中国では「偏福」と同音なのでおめでたい生き物とされる。「偏福」は福が一所に集まるという意味で切り絵やシンボルマークにして、おめでたい飾りものなどにする。