ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

FOTR CD: 2-10: The Breaking of the Fellowship

2007-01-20 12:02:56 | Tolkien・LOTR
ここは,映画があまりに良く出来たファンフィクション(汗)で,しかもクライマックスの半分は,原作ではTTTに突入してしまうはずですので,原作のこの章って実はどうだったのか,是非,押さえておきたい所でした。

という事で,しっかり聴こうと試みます。。
構成は,こんな感じですね。

(1) パルス・ガレン到着
(2) そして1人で熟考のフロド
(3) そこへボロミアが‥‥!
(4) アモン・ヘンのフロド
(5) フロドを心配してミーティング
(6) フロド捜索大会
(7) サムとフロドの再会

(1)
フロドが少し1人にして欲しいと席をはずした時,彼をじっと見ているボロミアを,疑い深げに見ているサム。

(2)
フロドは「導かれるように」山の上へ。

(3)
このシーンでのボロミアのセリフ,特に後半はほとんど忠実に映画で採用されていますね。これだけ原作の本人のセリフが,その意味や前後関係も含めて正確に映画に使われたキャラクタは少ないと思いますよ。

(4)
ボロミアから逃れたフロドがアモン・ヘンで観たのは,Emin Muilから時計と反対周りに,闇の森,ビヨルンの国,ローハン,ミナス・ティリスを経て,モルドール。どこもかしこも戦争。そしてもう1周。なかなかゴージャスです。彼は特にこのバラド=ドゥアの恐ろしいビジョンを見て,ついに1人でモルドールへ行く決心を。そのタイミングは映画と同じですね。ただし,映画ではここでアラゴルン登場。

(5)
原作のアラゴルンは,ちょうどその頃,フロドの戻りが遅いと不審に思っていますが,ここでの皆の様子は注目です。

HoMEまで読んでりゃさすがにもうわかっていますが(汗)FOTRは映画から入った私,旅の仲間の目的は,全員でモルドールの火口に行って指輪を棄てる事,だと思い込んでおりました。いや,映画しか観てない人は,きっと今もそう思っているでしょうねぇ。
実は指輪を棄てる責務を背負ったのは,正式にはフロド1人なんですよね。他は誰もモルドールまで行く責任は負ってないのです。ボロミアはもちろん,アラゴルンも,本当の目的はミナス・ティリスです。

ここでアラゴルンは,フロドについて行くべき人を選ぼうとしますが,皆,最後まで付いて行くと意思表明。ここで初めて,本当の「旅の仲間」結成だったんですね~。でも,時既に遅し。う~~ん,何て残酷な話なんだろう。。(汗)

(6)
そこへボロミアがフラフラと。事情を聞いて,さすがのアラゴルンも呆れ果ててしまいます。が,勝手に走り出すホビット達を見て「!」,慌ててボロミアに護衛を命令。ははあ,それで映画でのボロミアの,自らを犠牲にしてメリーとピピンを守るあの行為に繋がるんですね。

(7)
サムは,足が短くて馳夫さんに付いて行くのを断念。彼はとても冷静ですね。フロドがどこかに飛んでいくはずはなく,武器もない。そこでボートを取りに戻ってくると一目散。
サムがフロドを見つけたのは「ボートがひとりでに動く」から。原作ではこの時フロドは指輪をはめたままだったんです。ちなみに,指輪をはめると具体的に何が起きるのか,を,知っているのは,ホビット達とガンダルフとアラゴルンだけでしたね。

映画でとても印象に残る,"Of course you are. I'm coming with you."も原作のセリフなのですが,実は,使われる状況が原作と少し異なります。ボートで出発しようとするフロドを止めるのでなく,一段落ついてからなんですね。

FOTR CD: 2-9: The Great River

2007-01-17 23:40:58 | Tolkien・LOTR
またまた久しぶりのLOTR CDです。でもようやく,あと1つですね。

ギムリが,キャンプで火をおこしているのを確認しました。父親譲りの技。(笑)

アンドゥインの両サイドの地形説明。東のエミン・ムイル,西のローハン。東は恐ろしげな土地ですが,西は人の気配を予感させます。原作のこの章を最初に読んだのは,FOTRを観て,まだTTTを全然知らない時でしたので,ちょっと退屈でしたが,今聞くと,なかなか飽きが来ない所ですね。鳥の描写も多いですね。でも白鳥でなく黒鳥だという所が,何となく怖いです。

彼らはモルドールに向かうかゴンドールに寄るかの,ちょっと辛い決断を先延ばしにしているだけですが,平和な時は長く続かないんですね。ゴラムの存在に気付くサム,フロド,アラゴルン。ゴラムは一体どこで旅の一行と合流したのでしょうかね? 少なくてもモリア以降は同行している(汗)とわかってますが。彼はビルボの居場所を突き止めていたので,ひょっとすると,既にシャイアに迫っていて,初めから追いかけてきた可能性も,‥‥(汗)

それにしても,ゴラムを小出しに登場させる技がとても上図です,トールキンさん。

オークに襲われる,ナズグルが飛んでくる。

フロド,ボロミアの質問に,はっきり答えません。指輪つながりをばらすのが怖かったのでしょうか。ボロミアは,生涯「飛ぶ」ナズグルを知らないままなんですね。でも彼は「馬に乗った」ナズグルは知っているはずですが。(何故そんな事がわかるって? エルロンドの会議での発言をチェック。(笑))

サルン・ゲビアは怖い所だったのですね。私,カヌーやるんで,なかなか臨場感あります。(笑)

アルゴナスの通過。フロドは急にアラゴルンがへろへろの服を着たレンジャーではなく,王様に見えてきます。後で似たような記述がTTTでアラゴルン,レゴラス,ギムリがエオメルに遭遇する所でも出てきます。何故2回出てくるのかと思ったのですが,ここはフロド(サムもかな)の目で見ていたアラゴルン。TTTのは,おそらくギムリの目で見ていたアラゴルン,だったから,だったんだなあ,と,今更,わかりました。

FOTR CD: 2-8: Farewell to Lorien

2006-12-06 22:14:34 | Tolkien・LOTR
1年ががりになって参りました。前書いたのは,9月でしたっけね?(汗)

最後の夜のミーティングで,ボロミアはミナス・ティリスへ行く事にこだわりますね。いや,それはいいとして,フロドを見ながら,思わず,「捨てるなんて馬鹿げている」(... folly to throw away ...)と言ってしまったのが聞こえました。慌てて彼は「命を,って意味だ」と言い直しますが。でも,大っぴらに行くよりミナス・ティリスの兵にガードしてもらった方がいいだろう,って言うのですが,その方がよっぽど大っぴらになってアブナイじゃん(汗) 辞書を見ると,throwは自動詞ではないので,必ず「何を」という目的語がないといけません。だから,ネイティブには,このボロミアのセリフは,明らかに「ヘン」に聞こえるんだわ。(^^;) で,フロドは「何を」throwするって言うんだ?!と考え込んでおります。

原作では,ボロミアは,ロスロリアンに入ってから,指輪に関しておかしな事を言い出しますね。しかし,私は,サムがどこで彼がおかしいと気付いたのかにも興味があります。後でファラミアにうっかり言ってしまう例のあのセリフが気になっておりまして‥‥。ロスロリアンの中である事は間違いないんですが。この会議の後,サムは何気に頷いておりますが,この時はもう確信を持っているのでしょうかね?

ケレボルン様は,ミナス・ティリスに行くには,ラウロスの滝の所で右の岸に出てエント川を経由して行くとよい,というような事を行ってますが,あ,そういう地理関係なのね。今頃になって知りました。(^^;)

出発の朝,ギムリが,レンバスを試食して,クラムとビヨルンの蜂蜜ケーキの話をしている所が好きです。映画では,ホビットの冒険を先にやってなかったので,そんな余計なセリフは入っていませんでしたけどね。
サムとエルフ達がロープの話をしている所があります。エルフ達は,今はもう作り方とかを話している暇はない,と言っておりますね。それだったら,彼らはロリアンに結構長い事滞在していたのに,何故その間に教わらなかったんだい?と思わずツッコミを入れたくなりました。(笑)

原作ではアラゴルンへのおみやげとして剣の鞘とElfstoneをあげています。実はHoMEではElfstoneは最初ギムリにあげる事にしていたのに,急遽ひらめいて,アラゴルンに変更されたのでしたね。それだけElfstoneは大きな意味があるのですが,映画では,さすがに剣の鞘では未読の人が???になりそうなのでまあよいとしても,何故かアルウェンのペンダントを持っているからもういいでしょ,という事に。もしPJがこういう細かい原作の意味をもうちょっと大切にしてくれていたら,私ももっとホビットの冒険にPJを,と,こだわるんだけどな。

逆にギムリがガラ様に髪の毛をおねだりするシーンは,映画のビジュアルだけでとてもよく表現できていたりするのですが。

「私達はdoomの縁にいる」というようなセリフが(2度ほど)聞こえますが,doomには,破滅という意味の他に,運命とか判決という意味もあり,指輪の旅に成功しなければ破滅するんだという意味と,エルフ達はどっちみち中つ国を去らなくてはいけない,というほのめかしを感じますね。英語(特に英国)の小説は,二重(ヘタすると多重)の意味を持った表現が多いです。これだけはどんなに上手な翻訳家でもなかなかうまく表せないんですよ。原書を読む甲斐がある所ですね。

FOTR CD: 2-7: The Mirror of Galadriel

2006-09-23 00:09:52 | Tolkien・LOTR
また久しぶりにCD再開してます。(笑)
ここは,先に映画を観ている上に,FOTR後半とTTT前半は翻訳版持ってないし(それってキセルですよね(爆)),原作のこの部分はとても難しいし‥‥,という事で,思いっきり勘違いをしている可能性が高いので,楽しみ?です。(とは言っても,さすがに反転ガラドリエルは原作とは違うでしょ(爆),それぐらいは知っておりますが)

とても背の高い木の並ぶ場所に着いて,ハルディアは「カラス・ガラゾンへようこそ。」でも入り口まではまだ外側を回って行かなくてはなりません。ようやく入り口に周り,橋を渡って内部へ。
そこには門があって,一行が中に入るとまた門が閉じられます。人の気配がないのに話し声。木を上がっていくと,楕円形のtalanとかフレトとか言われる台の上に巨大な家が建っているそうですが,‥ちょうどこれを聴いていた時,桜並木を通っていたのですが,桜位だと全く想像がつきませんねぇ。少なくてもその数倍の高さがなくては。

ケレボルン,ガラドリエル夫妻についての記述。ひときわ奥のフレトに一行が到着すると,天蓋から夫妻が出てきます。非常に背が高く,2人共同じ位?。ガラドリエルは深い金色の髪,ケレボルンは銀色の髪,でも彼らには年齢を感じさせる物はない,とありますね。

ガンダルフの「死」を聞いて,エルフ達は結構動揺していたんですね。

アラゴルンとレゴラスを除き,彼らはガラドリエルの「眼」に耐えられなかったとありますが,アラゴルンとレゴラスは慣れているのか?と余計な推測をする私。(笑) そう言えば,アラゴルンはもちろん初対面ではないでしょうが,レゴラスは本当は会った事あるのでしょうかね?(映画の様子だと初対面な感じですが) フロドを除くホビット達は,家の事とかしょうもない事(笑)を考えていたのがバレたと思ってヒヤヒヤ。ボロミアは何かアヤシイのではと。で,彼女に何かオファーされたみたいですね。で,フロドに何かよからぬ事を考えているかもしれないと囁く始末。それを見て,おいこら,と,アラゴルン。(笑)

アラゴルンは,出発以来初めて安心して眠れると言います。とても静かな場所のようですね。フロドはモリアで見た事を歌にしますが,歌うま過ぎ。(笑) その後のサムの歌♪がまたヒド過ぎ。(笑)

映画では,アラゴルンがボロミアを心配して近づくシーンがありますが,原作ではそういうのは全然なくて,主にフロドとサムの会話です。何とかフロドをリラックスさせようとするサムはいじらしいですね。

水鏡の内容を,実は正式本,HoMEまで含めて,初めてゆっくり味わいました。(汗)

サムは,モルドールの山の際でぐっすり寝ているフロドを見,くねくね階段を登っている様子を見ます。そして木を切り倒すテッド・サンディマン。シャイアの危機。

フロドの見たものは,‥まず彼が見たのは,もちろんその時彼は知る由もありませんが,白いガンダルフです。HoMEを読むと,最初トールキンさんはこの映像を正式版よりもっと早く,パルス・ガレンの辺りでちらつかせようと思っていたようですね。そして,袋小路屋敷をビルボがうろうろしている様子,西へ向かう船。

ガラドリエルの声は映画よりずっと優しいのですが,やっぱりケイト・ブランシェットで,優しいガラドリエルも聴いてみたいですねぇ。。

FOTR CD: 2-6: Lothlorien (2)

2006-07-14 21:16:05 | Tolkien・LOTR
随分間が空いてしまいましたが(^o^;),聴いてますよ。(笑)
今日はロスロリアンのエルフ達。映画では「息の音がうるさいから射る事だってできるぜ」って言われたのはギムリでしたが,原作では実はサム? あからさまにサムとは言われてませんが,彼が慌てて口を塞いだ所を見ると(笑)サムですね。

ハルディアは映画で見るよりずっと気さくな感じですね。(汗) で,彼の兄弟のルーミル,オロフィン,共通語をあまり話さないという事でしたが,時間あるんだから語学位勉強しろよな,って思わずツッコミを入れたくなりました。(笑)

皆でフレトの上でオーク達をやり過ごす場面は,ホビットの冒険で,霧ふり山脈脱出後,ワーグやオークから逃れようと木に登ったシーンを思い出します。また,川を渡るシーンも,例の,闇の森の川でボンブールが落ちたシーンを思い出させますね。今回は誰も落ちませんでしたが。ホビットの冒険とLOTRは,実はベースのプロットがほとんど一緒ですので,このように様々なシーンが対応しているのも面白い所ですね。映画にはこの辺りが入ってなかった(そう言えば,モリアに入る前にワーグに襲われるシーンも入ってなかった)のは,もしかすると,PJ達の頭の隅っこに,ホビットの冒険映画化,があったのかもしれないですね。(ただ,一向にその気配はないので,今はそれ言ってもしょうがないですけどね。。)

話は前後しますが,目隠しをされると言われて,急に頑固になるギムリが,かわいい。またここで急に「皆もだ。」と言い出すアラゴルンも,暖かいですね。(その後嬉しそうなギムリと,ブツブツ言うレゴラスも‥(笑))ガンダルフが一緒の間は,旅の仲間同士の会話は,道をどうするかとかビジネス的な物が主でしたが,この章に入ってからは,キャラクタがわかるようなやり取りが急に増えてきましたね。

章の最後に,アラゴルンが長々とアルウェンへの想いを語る所があります。原作ではアルウェンはほとんど顔を出す事はありませんが,顔を出さないからこそ,いろいろ想像して楽しめるキャラクタですね。映画のコメンタリーのどこかで,PJがどこか,アルウェンのシーンだったか?,TTTの例の余計なシーンを入れた辺りだったか?,それとも執政家に関して何か操作した所だったか?,‥‥どこだったか定かではありませんが,とにかく「何故そこでそれを言うか!?」な所だった事は確かです。彼は「映画では語り尽くせないシーンがあるが,見えないからこそ想像して楽しめるのだ」というような事を言っていて,誰の事を言っている!?,と,相当カッチ~~~ン!と来た記憶がございます。(笑)

FOTR CD: 2-6: Lothlorien (1)

2006-06-15 23:18:47 | Tolkien・LOTR
HoMEで何度か草稿を見ましたが,モリアを通る時は注意して下さいって言ったでしょう?と嘆くアラゴルンのセリフが冒頭にありますね。これを捻ったのかどうかは知りませんが,映画では何故か,サルマンがガンダルフを「心配」しておりましたね。

山の描写が写実的。使っている言葉もきれいです。トールキンさんて,何か自然に関係ある随筆を描いても,売れる作家になれたかもしれません。そういえば,トールキンさんはプロ並みに絵が上手ですよね。物を観察して表現する能力に長けているんですね。

鏡の湖の水は,「氷のように冷たいから」飲んではいけない? ほ~。ちょっと不思議な理由。でも,よく考えてみると,トールキンさんがこれを書いていた当時の冷蔵庫事情は‥‥。今のような電気冷蔵庫ではなくて,木の箱に氷をどん!と入れておくアレだったのかな? これでも,水を氷のように冷たく冷やす事はできなくはないですが‥,日本みたいに暑い国ではないし,紅茶の国ですから,わざわざ好んで冷たい水を作る必要もなかったのでしょうかね。冷たい水の刺激にも慣れてなくて,体を悪くすると信じられていたのかも‥‥と,1人で勝手に納得する私。(笑)

この辺りでようやく,フロドが怪我をしていたとアラゴルンが思い出し,ミスリルの威力に皆がびっくり。

ギムリがさりげなくフロドをエスコートして歩いているんですね。何か追ってくる足音が聞こえる,と,心配げなフロドに,わざわざ地面にかがんで確認して,そんな音聞こえないよ,さあ,行こう!と言う辺り,温かみがありますね。

ロスロリアンが近づき,ニムロデルについて語るレゴラスのセリフが流れるようで美しいです。

FOTR CD: 2-5: The Bridge of Khazad-Dum

2006-06-04 23:37:00 | Tolkien・LOTR
ビルボの仲間だったドワーフのうち,バーリンと一緒にモリアに移ったのは,グローインの兄オインと,トーリンの遠縁に当るドゥリン一族の1人オーリです。

バーリンの墓に置いてあった日誌,いろいろなドワーフの手によって書かれていましたが,バーリンの死の知らせは,ギムリによれば,オーリの手によるものだそうです。その後もずっと彼の筆跡だったのかな。それは悲しい知らせばかり告げていましたね。(泣) バーリンはおぼろ谷側の出口で,鏡の湖を見に行ってオークの矢に倒れました。オインは柊郷側の口で,水中の監視者の餌食に。。。(汗) オインはグローインと喧嘩しながら火を起こしていたのが思い出されますね。

そして最後に"We cannot get out. They are comming."(悲)
ギムリは日誌を持って帰る事になりますが,日誌はその後どうなったのでしょうね。

‥感傷に浸っている暇はなく,オークが攻めてきます。映画との細かい微妙な違いがいろいろありますね。幾つ見つけられるかって,結構楽しめます。(笑) 覚えているだけでも,"They are comming!"と言うのはガンダルフでなくレゴラス,外へ敵を確認に行くのはボロミアでなくガンダルフ,フロドは「シャイアの為に!」つらぬき丸を抜いてボロミアの危機を救い,それを見たアラゴルンも「シャイアの為に!」とエールを送ります。

でもたまには映画と同じシーンも。その後ボロミアは本当に投げ飛ばされ,フロドは刺されてしまいますね。

ガンダルフは隙を見て皆に逃げるよう指示。アラゴルン,フロドを抱えて逃走。レゴラスはバーリンの墓にしがみついてるギムリを無理矢理引っ張り出し(笑),ガンダルフは後から皆と合流。彼はバーリンの墓にオークが入らないようにしようとしたのだけど,強力なパワーを持った誰かに抵抗され,彼は吹き飛ばされ部屋は破壊され,バーリンを埋葬されたと言ってますね。でも何か別のものも一緒に埋葬されたって。。。一体何だったんでしょうね。(汗) 映画でも観る事ができませんでしたが。。。

旅の仲間達は,どんどん下に下りて,やがてカザド=ドゥムの橋がある場所に到着。そこへオークも怖がる恐ろしいバルログ。共に一族を殺されたレゴラスとギムリ,2人共映画と違い,恐れおののいてます。ガンダルフの帽子に刺さるオークの矢。何かトールキンさんは楽しんで書いていたっぽいですが,映画では採用されませんでした。

そしてバルログと対峙するガンダルフ。ガンダルフは魔法を使って自分から橋を破壊したんですね。。。って今頃初めて気付く私。(汗) え~~,一体何年LOTRと付き合っているのよ。(4年か)。いやしかし,映画ではただ単に杖で橋を叩いただけに見えていたものですから。。。

朗読を聴いていると,"Fly! You fools!"と言った時のガンダルフは,もちろん,この後も戦いをやる気まんまんで,全然死ぬ気なんかなかったような気がしました。

とは言え,呆然としている旅の仲間達,です。

FOTR CD: 2-4: A Journey In the Dark (5)

2006-06-01 23:07:11 | Tolkien・LOTR
一行は例の3つの分かれ道にやってきました。右は登り気味,真ん中はまっすぐ,左は下り気味です。原作ではここで何か起きたかというと,ピピンが井戸覗きをして,ガンダルフに"Fool of a Took!"って言われるんですね。(笑) ついこの間,HoMEでピピンのパランティア覗きの所を読んだばっかりなので,余計そう思うですが,。。。ピピンって覗くの好きなんですね!(笑) ガンダルフは怒った後,彼を見張りに立てますが,少し経ってから優しく休むように言って,自分は煙草を吹かしながらいろいろ考えている様子。この時ガンダルフが考えていたのは,どの道が正しいか,だけだったのでしょうか,それても他にもいろいろ考えていたのでしょうか。。

‥で,朝,結局選んだのは右の登り気味の道。でも,あれ?何か映画では左の下り気味の道を選んだような気がしていたのですが,気のせいでしょうか? ‥で,登っていくと,やがてかつてメインストリートだったような広いしっかりした道。そして,たくさんの柱のある印象深い場所にやってきます。原作ではここでギムリが詩を披露しますね。(サム,お好きだそうで)

ここでミスリルの話が出てきます。トーリンがその帷子をビルボにプレゼントした時の事とか,いじけてしまったトーリンを何とかする為に,ビルボが,見張りをわざと交代して洞窟を抜け出し,ミスリルの帷子を堂々と着たままスランドゥイルとバルドのキャンプに出かけて,エルフ達に不思議がられたのを思い出します! ギムリははなれ山のミスリルがビルボに渡ったと聞いて,びっくり。"What?"のセリフがいいですね~(笑)

で,原作ではここでさらに1泊です。フロドはその夜見張りに立ち,またまた例のあの目の光を見てしまいます。今HoMEでちょうどゴラムに追いつかれる所なので,気が気ではありません;

そして翌日,外の光の差し込むマザルブルの間へ。映画ではここは原作に忠実に描写した,と言ってましたが,う~ん,その通り! 本にはバーリンの墓に書かれていたDaeronのルーン文字の絵が出ています。ギムリは思わずフードを被ってしまったのですね。

FOTR CD: 2-4: A Journey In the Dark (3)

2006-05-26 23:14:58 | Tolkien・LOTR
ふと思ったのですが,原書,翻訳,映画,BBC,HoME,といろいろあるので,今何版を見ているかと意識しなくなる事がしばしばあるのですが,‥よく考えてみると,朗読CDというのは,人が読んでいるので,1つフィルターはかかっていますが,使われる言葉は,まさしく原書の正式版,全ての版の原点,なんですよね。。。。という,マヌケなほど当たり前な事に,時々気付く私。(爆)

今日は,メリーが,どうやってガンダルフに扉を開けるヒントを与えたのかをチェック。実は映画のコメンタリでもさんざん言われていたので,原作をチェックしていたのですが,英語力の不足か?どうも一体どこでどういうヒントを出したのか,イマイチ見つけられずにいました。(汗) しかし,読んでわからんものを聴いて見つけられるかって。(笑)

‥と思ったら,実は,朗読CDではちょうどトラックの継ぎ目にその言葉が入っていたので,意外と簡単に見つける事ができました。(笑) メリーは,「("Speak friend and enter."って)どういう意味?」と訊いているんですね。これがガンダルフにヒントになった? しかしわかりにくいヒントですね。それで映画では,フロドが余計な一言追加(エルフ語では何?)を。。(→だから原作では何だったのかなかなか見つけられなかったんだ)で,ギムリが「もし友達ならパスワードを言えって事だ。」(それ映画ではガンダルフが言ってないかい?)

HoMEの初期のドラフトでは,ガンダルフがビルに裂け谷への手紙を託して,早々に(扉を開ける前に)返しています。で,ガンダルフが,なかなか扉を開けられないのを見て,ボロミアが「返すんじゃなかったかなあ」と冗談っぽく言ってました。

で,正式版ではどうなったかと言えば,ガンダルフが扉の開け方を知らず,しかも大人気ない対応が,ピピンの頭を突っ込んでやろうか,とか,さらにパワーアップ(笑)されてますが,ボロミアはお人よしでなくなり,かなりイライラを見せていますね。映画と違い,石を投げて水面を波立てていたのは彼なんですね。それをたしなめるのはフロド。ビルを返す返さないの決断は,サムが頑張った為先延ばしにされていましたが,結局水中の監視者の出現により,泣き別れ。

『水中の監視者』は,名前を与えられなかったんですね(汗;) イカタコ類のような足(tentacles)を持つ水中の生物と記されていますが,ハリポタでは学校の傍の湖にGiant Squidが住んでいます。イカタコは西洋ではバケモノと相場が決まっているんですね。(笑)

で,洞窟に閉じ込められ,ガンダルフは,入口の柊の並木の事を残念がっております。直線で40マイル(≒64Km)の距離を4日間で旅するんですか。NZのミルフォード・トラックは,90kmを4日間(実質3日)での旅でした。直線で40マイルというと実際はその倍はあるだろうし,アップダウン,暗い場所を歩くという事を考えると,楽ではありません(やっぱし皆さん剣客,じゃなくて健脚)が,とても現実的な距離感ですね。

(どうもパソコンは。。,『その道は一般の人はあまり使わず剣客向けだ。』とか全く自然に変換するんですよ(笑) ハイキングをする人には定番中の定番,徳本峠を越えて上高地へ向かう道の途中,昔どこかのお姫様が何かの戦いから逃れて逃走中に,剣客に襲われて(おいおいここで健脚って変換するか~;)命を落としたそうで,今でも碑が立ってますが。)

FOTR CD: 2-4: A Journey In the Dark (2)

2006-05-18 23:10:17 | Tolkien・LOTR
今日はワーグ襲撃からモリア到着までの聞き取りに挑戦したいと思います。普段,ここは読んでも記憶に残らないし,映画にもほとんど出てこない所なので,忘れているんですよね。(汗)

一行がワーグに襲われた場所からモリアまでは,1日行程です。天気もよかったようで。ジョン・ハウ氏が,そのシーンの絵を描いていますね。カナダ大使館での展覧会の時,観ました。ハウ氏があのように鋭い峰々を描いたのは,おそらく,彼がカナダ西部の出身という事に関係あると思います。バンクーバー周辺には,ピラミッド型にスッパリ切れた,頂上に氷河を持つ山々が連なっているんですよ。アレに比べたら,日本の山ってホントに丸くて穏やかな形をしているんだなあと思いました。

さて,トールキンさんは,実際山歩きをした事があるんでしょうかね? ‥というか,LOTRには山に関する細かい描写,それも近所の雑木林風な所から,雪の山,火山まで,本当にいろいろな山道について描かれているので,全く経験がないとは思えないのですが,イギリスには,日本ほどたくさんハイキングコースがあるわけではないので,ちょっと不思議です。

モリアに上がっていくのは,平たく言えば,シランノンの沢筋の道なき道。実は私は山歩きしますので,ひぇ~これは,ヤマケイの地図で言えば,実線じゃなくて点線で描かれた道。剣客,じゃなくて,健脚向け,

(ここで,「点線の道は剣客向け」に,にわかにウケる私(笑))

で,‥(廃道)とかカッコ付きで書いてあるやつではありませんか。‥でもビルも一緒に上がっているので,さすがにザイルが必要というほどの道ではないでしょうね。

何故川の流れが小さくなったのかと思ったら,上流に湖ができていた,というのは,かなり芸が細かいです。そして「壁」。ガンダルフは,ビルをモリアの坑道に連れていくわけにはいかないと言い出します。サムはとても悲しがって抵抗しますが「主人を選ぶか,ビルを選ぶかという事になるぞ!」

皆は坑道の入り口を探し始めます。ここでギムリが斧で壁を叩いているという一文が。こんな短い一文が,しっかり映像化され,ちゃんと印象に残ってますね。(アレは斧で壁を叩く音がとてもよかったので(笑))

モリア入り口付近に植えられていたという柊の事は,HoMEで読まなければ,一生認識しなかったかもしれません。(汗) それにしても,アレは初期の下書きですが,いきなり完成度が高かったんですね。トールキンさんはこの辺りには最初からはっきりしたビジョンを持っていたのですね。

Run!Run!Run!