ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

FOTR CD: 2-4: A Journey In the Dark (1)

2006-05-15 00:08:12 | Tolkien・LOTR
カラズラスに敗れた旅の仲間達はミーティング。ガンダルフは,このまま続けるか,裂け谷に帰るかと問いかけます。ホビット達はちょっと期待,ですが,フロドは,それは恥でしょう,と。ガンダルフは,もし裂け谷に帰れば,指輪がそこにあるとわかってしまい,もう破滅を待つしかないと補足します。そして,今までアラゴルンの反対もあって言わなかったが,他に考えられる道があると告白。それはモリアの坑道と通り抜けるという方法です。これを聞くと,ギムリが興味を示します。

(映画ではギムリは最初から積極的にモリアを勧めていましたが,原作では最初からバーリンについての見通しは悲観的で,映画とはかなり違いがありますね。)

ボロミアは,ローハンを通ってはどうかと提案します。ローハンの人々はフレンドリーだし安全だったと言います。しかし,ガンダルフが,ボロミアがゴンドールから裂け谷に向かった時は,敵の目はそちらに向いていなかったので安全だったが,今は指輪と一緒にいる限り,あんたも同じ危険にさらされておるぞ,と,忠告。

(ボロミアは映画ほど熱心ではありませんが,ローハンを通る事を勧めますね。ガンダルフがローハンに難色を示すのは,HoME時代,ローハンがまだ悪役だった時代の名残をちょっと感じます)

モリア行きに積極的なのは,ガンダルフ,ギムリ,まあガンダルフが行くならとアラゴルン,ホビット達はあまり歓迎せず,レゴラスとボロミアは反対気味。ですが,指輪所有者フロドの決断は,あまり気は進まないが,ガンダルフのアドバイスを断る事もできない,でした。(映画でもその辺ちゃんと言って欲しかったね)

そこへ突如,ワーグの襲撃。ホビットの冒険を読むと,また何かいや~な予感(笑)がしそうですが,今回はレゴラスの大活躍もあり,なんとか撃退。ガンダルフもちょっと学習しましたかね。(笑) しかし,レゴラスは,意外にも,何故かせっかく原作で弓の腕前を披露しているシーンが,映画では削られたり,大将に取られたり(場面は違いますが,ナズグルを追っ払うのは原作ではレゴラスでしょ~)というパターンが,結構多いんですね。(汗)

FOTR CD: 2-3: The Ring Goes South (3)

2006-05-12 00:08:41 | Tolkien・LOTR
章の残りは,いよいよ旅の仲間が裂け谷を出発して,赤角山(=カラズラス)を諦めるまで。結構長いです。ダラダラ聴いているといつまでも終らない(汗)ので,今まで読み飛ばしていたり,映画に出てこなかったりで,あれ?と思った所をまとめましょう。

小馬のビルは裂け谷に来てちょっと太って嬉しそう。裂け谷に来たお陰とは言っているものの,サムのお世話がよいのですね。

裂け谷を出発してから,原作でも映画でも,うっかり気付かなかったのですが,柊郷までの道のりはすごく長いんですね。天気が変わるまで2週間(fortnight)とか平気で書かれています。モリアの坑道をくぐるのだって4日だったから,これは結構長いですね。時々かギムリの(朗読上は)ゆったりした語りが聞こえます。メリーが合いの手を打ったりとか,この時点で早くもホビット達とギムリは結構打ち解けているように見えますね。

HoMEにもあったので覚えているのですが,ピピン(HoME当時はキャラ名が違ったかな(笑))が,方角を間違えて東に向かっていると勘違いする場面がありますね。またガンダルフは主にアラゴルンと相談しながら道を考えているのも,基本的にHoMEと変わりありません。

赤角山から撤退する場面ですが,HoMEの最初の下書きは,ボロミアが1人で大活躍で,当時ホビットだったアラゴルンの前身ペレグリン・ボフィンまで抱っこして(笑)脱出していましたが,本番はアラゴルン,レゴラスも協力して道をチェックしていますね。映画ではマザルブルの間まで持ち越しですが,原作では旅の仲間が初めて種族を超えて協力する場面かな。(もっとも原作では裂け谷に2ヶ月も滞在したのだから,いい加減馴染んでいたんじゃないかとは思いますが。。そうでもないのかなあ(汗))

そしてカラズラスが彼らを打ち負かしました,で,この章は終わりです。

FOTR CD: 2-3: The Ring Goes South (2)

2006-04-28 01:20:09 | Tolkien・LOTR
いつの間に旅の仲間が裂け谷を出発したのか,ラッシュの電車やバスのどさくさでよくわかりませんでしたが,3回目にようやくキャッチ(笑)

‥まずはガンダルフがピピンに不思議な助け舟を出すシーンに戻りまして。。どうしても行きたいピピンに「君は何が起きるかわかってないだろう。」となだめるエルロンド。そして「それはフロドとて同じじゃ。」と言うガンダルフ。裂け谷の強面?グロールフィンデルが行った所で大した変わりはないとうまく丸め込まれ(笑),ではしょうがない,2人(ピピンとメリー)は行ってよいぞ,7日後に出発にしよう,。。という事になりますね。

この時のガンダルフの考え方は,その後多くのファンタジーの話の進め方の基本になってますね。

ビルボがつらぬき丸とミスリルをフロドに渡すシーンで,そう言えば,彼は何故ミスリルの事は皆に内緒にしろと言ったのでしょうか。単なる照れ隠し?それとも何か深い意味があったのかな? まあそのうち,彼がそのミスリルをゲットした場面を読み返してみようと思います。これは確か,はなれ山の洞窟の中でスマウグががめてていたドワーフのお宝の中の1つですが,元々どこかのエルフの王子が子供の時に身につけていたものだったと思います。(まさかレゴラスのではあるまいな(笑)) これを見つけた時,トーリンがビルボにそれをお礼と記念にとくれたものでしたが,彼が後でスランドゥイルやバルドと会った時は別に隠してはいませんでしたよね。見張りのエルフ達が,あれ?王子様の帷子だぞ?と思っていたみたいですし。(笑)

サムが持つのは,調理セット,火打石セット(それを持つのは火付け役グローインの息子ギムリではなかったのね(笑))そして,お~っと,「シャイアの塩」ってこんな所に出てくるのですね,それとリネン,と聞こえましたが,ここでは,下着一式,の意味かな。で,ロープ! 裂け谷にはロープはなかったのでしょうか?

出発のシーンでは,映画でも聞き覚えのあるフレーズがそこここに出てきます。

FOTR CD: 2-3: The Ring Goes South (1)

2006-04-25 23:51:32 | Tolkien・LOTR
1番長い章を抜けたと思ったら,次の章も結構長いんですね。とりあえず,旅の仲間出発まで。。

いよいよ会議も終了。原作を読んだ人はもちろんご存知と思いますが,映画とは違い,誰がフロドと一緒に行くかは会議の後に決まるんですよね。こうしてミーティングの後にメンバーが決まるのは,なんか会社の仕事で何かのワーキンググループのメンバーを決めてるみたいで,妙に現実っぽいですね。特に今4月で,実際そういう状況なので,一層現実味が増します。(笑)

まずフロドはサムを指名。ピピンは何とかメンバーに潜り込もうと必死ですね。(笑) どう見ても不利と思われましたが,ガンダルフが認めた事で情勢は一変。このガンダルフの認め方が,彼がゴラムにも果たす役割があると考えていた事を思い出させました。

その他,おそらく今後いくらPJ版より優れた映画が出てこようが,映画では決して説明されないような細かい説明が一杯。アラゴルンはエルロンドの双子の息子達と近所の「お掃除」に出かけ,黒の乗り手達が使っていた馬の死骸8頭分が発見され。。。後の1頭はどうしたんだろう? それに馬を無くした彼らはどうやってミナス・モルグルに帰ったんだろう?

原作では,アラゴルンがフロド達に付いて行く理由が,ボロミアと一緒にミナス・ティリスに行くついでに。。なんですよね。そうそう,この辺の事情がわかってないと,映画ではいかにもモルドールまで一緒に行くんだと言っているように見えてしまうので,何故彼はパルス・ガレンで,ボロミアの遺言であったとしても,フロドを追わずに別の方向に行ってしまったのか,不思議に思われるかもしれませんね。

また,私はかなり不思議に思ったのですが,徒歩では旅行のしにくい冬までわざわざ待つんですよね。冬に徒歩旅行というのは,日本でもキツイですよ。まあ,オーストラリアやNZなら平地は冬でも温暖なのでできるかもしれませんが。。。しかしこの話は一応ヨーロッパが舞台なんですよ。敵を欺くという事でしょうか? それと,比較的日焼けをしにくいので(登場人物は基本的に白人のようですので,これは結構大事かも),その点ではいいかもしれません。

FOTR CD: 2-2: The Counsil of Elrond (3)

2006-04-25 00:49:31 | Tolkien・LOTR
話が全く前後しておりますが(笑),ボロミアの弟の話や,エルロンドのお友達の話などよりもっと前に,まずグローインが,はなれ山での最近の出来事についてお話していますね。モルドールの遣いが直々にやってきて,ダインを悩ませていて,グローインはビルボに指輪の事で警告する為に裂け谷まで足を運んだのでした。明記されてはいませんが,ギムリが一緒に来たのは,年老いた父のアシストなのでしょうかね。

エルロンドが両親の話をする所がありますが,母のエルウィングがルシアンの血を引いているのですね。それはさぞかし美しい方だったのでしょうね。それと,映画ばかりを観ていると,アルウェンがガラドリエルの孫というのが印象に残ってしまって,ついつい父方の祖先を忘れていた所でした。(汗)

アラゴルンはボロミアに対してとても優しくて謙虚ですね。決して高圧的にならず,「君の疑問はこれで解けるだろう。」と優しく言って壊れた剣を出したり,その後も様々な疑いの言葉を向けるボロミアに,さらに「君の疑いは許そう,私は祖先のイシルドゥアやエレンディルには似てない。。。」と畳み掛けたり。HoMEでは,最初はミナス・ティリスまでボロミアを生かしておいて,アラゴルンに殺させようという計画だったようですが,やはり元々ホビットから生まれたキャラクタにそんな事は全然似合いませんね。

ガンダルフとラダガスト,サルマンとの会話は,言葉が流れるように美しかったです。ちょうどHoMEで,アイゼンガルドの話を読んでいる事もあり,ガンダルフと他の魔法使い達との友情というか,仲間意識というのがちょっと気になります。思えば1000年ほど前にたった5人でやってきて,しかも2人は行方不明? 3人とてお互いに滅多に顔を合わせる機会もなく,凡人の想像ではどう考えても寂しそう。また,この3人は魔法使いとは言っていますが,魔法を使った所はほとんど見た事がありませんね。強いて言えば,サルマンの「声」とガンダルフのミナス・ティリス門前でのナズグル追っ払い劇位でしたね。

誰かに,どうしてガンダルフは箒に乗らないの?と訊かれた事があります(笑)が,そう言えば,魔法使いは箒に乗って‥‥というステレオタイプは,一体いつできたのか,考えてみると不思議です。

FOTR CD: 2-2: The Counsil of Elrond (2)

2006-04-18 23:49:23 | Tolkien・LOTR
最初はいきなりボロミアの話ばかりが記憶に残ってしまいました(笑)が,この会議の中では,最後の同盟の話,イシルドゥアにその後起きた事,彼の末息子が後を継いだ事,等も語られます。そしてゴラムという生物がビルボに指輪を渡した(取られた(笑))いきさつ,ゴラムのその後,等が語られます。

ここでちょっと気付いたのですが,会議の中で,ゴラムは登場人物としては出てきますが,彼の生い立ちや,指輪がこの小さな生物に具体的にどういう影響を与えたか,については,最初の方の章でガンダルフがフロドに直接詳しく話してしまっています。と,すると,そのような詳しい話は,フロド以外の旅の仲間にはあまり伝えられてなかったのかもしれませんね。

ただ,ホビット達はビルボやフロドからある程度の事は聞いていたでしょうし,アラゴルンはゴラムを連行したのだから,ある程度はわかっていたでしょうし,レゴラスもゴラムを見ているので「察して」いたかもしれません。と,すると,指輪がゴラムに与えた影響の大きさをいまいちよくわからない立場なのは,ギムリとボロミア。しかしギムリは血統的に(笑)指輪には動じません。やっぱりボロミアには,最初からやや不利? もっともゴラムの事を詳しく見たり聞いたりしたからって,彼が簡単に考えを変えるとも思えないし,弟のファラミアは(原作では)ゴラムをよく見る前に指輪の誘惑からちゃんと逃れているから,言い訳にはならないですよね(汗)

ところで,指輪を持っていたイシルドゥアの子孫と聞き,「ではあなたの物でしょう?」とアラゴルンに言うフロド。思わず,うん,それは筋が通っているよ,とつぶやいてしまいました。

某じいさんが最近になってこんな発言を(笑)したからって言うわけではありませんが,ガンダルフがサルマンに捕まって脱出した顛末や,イシルドゥアと指輪の話以外にも,いろいろ歴史的に面白い事が語られていて,それらの話も映像化して欲しかったなあと思います。ドワーフやビヨルン一党や谷間の国の話は,ホビットの冒険が映画化されたら多少映像化されるのかもしれませんが,じいさん,あんな事言ったら,もうガンダルフに採用されなくなっちゃうよ,‥と余計な心配をするのでした。(汗)

FOTR CD: 2-2: The Counsil of Elrond (1)

2006-04-12 21:50:06 | Tolkien・LOTR
LOTR最長で災難間じゃなくて(笑)最難関の章にやって参りました。
全部準備ができるまでずるずる聴いているとGWどころか夏休みになってしまいます(爆)ので,分割して感想を書くという作戦にします。

まず,久しぶりに原作正式版のこの章に触れていて気付いたのは,映画にしろ,BBC版LOTRにしろ,ここで語られる話の多くが冒頭で説明されるんですよね。映画などは,思っていた以上に原作の文章をほぼそのまま使っている箇所が多いですよ。"(The Ring )passed the all knowledge."とか。(この文章はどうりでしゃれていると思ったら,元々原作の文章だったのね)

映画やBBC版LOTRを観たり聴いたりする人にとっては,歴史の始まりがLOTRの始まりですので,そういう説明の仕方に持って行くのは良い事ですね。だた,原作はおそらく「ホビットの冒険」を読んだ事を前提にしていると思うので(って言うか,トールキンさんが「ホビットの冒険」を土台に話を書いているので(笑)),ここからは「ホビットの冒険」とは違うよ,という事を改めて宣言する為に,ここで初めて多くの事を語っているのかな,と思います。

前の章でグローインが出てきて「ホビットの冒険」以降のビヨルン一党やはなれ山や谷間の国の様子を語ったり,ビルボが,原作の中ではおそらく1番登場時間が長く,詩を詠んだりとかしているのも,そういう効果を狙っているのかな,と。

で,いよいよフロドの知らない世界の人達が集まってきますが(彼らは前の章の夕食時にはいなかったんですね)キアダン等も来ていたんですね。レゴラスは闇の森のエルフの王様スランドゥイル(「ホビット」からの読者にとって,ここであの王様の名前がスランドゥイルだと初めて明らかになる(笑))の遣いで来た,と最初から明らかにされますが,ボロミアに関しては,最初「南から来た人間」とだけ紹介され,ややミステリアスな謎を残します。

でもここでツボだったのは,(HoMEにはなかった)ボロミアの髪型の詳細が語られる所です。his locks were shorn about his shoulders.という描写が,去年読んだオデュッセウスの髪型を思い出させます。(とりあえず,どちらもショーン・ビーンという事で(笑))しかもボロミアはスピーチの中で,やたら,"my brother"を連発しているのが,CDを聴いてはっきりわかるんですよね(笑)原作では名前まで言いませんが,確かBBC版ではここで名前も言ったと思いますが。。

FOTR CD: 2-1: Many Meetings

2006-04-11 00:56:07 | Tolkien・LOTR
次の章はめちゃめちゃ長い事で有名(笑)ですが,この章も長いです。何故長いのか,よく見ると,それは後半のビルボとのやり取りがあるからですね。

フロドが目覚めると目の前にガンダルフが。何度か読んで気が付くのですが(って,1回で気付けよ(笑)),それは指輪棄却の後,原作ではコルマルレン(映画ではミナス・ティリスになってますが(汗))でも,フロドが目覚めた時やっぱりガンダルフが目の前にいるんですよね。

フロドは,自分が最後の憩館にいると知って,ビルボが「パーフェクトな館」と言っていたのを思い出します。このエルロンドの館でのおもてなしは,前にも書いた覚えがありますが,イギリスの(おそらくヨーロッパ全土の)古い習慣で,現在は本家イギリスでは一般の人は殆どあやかる事はないようですが,NZには,ロッジという宿泊施設にその伝統が残っているのだそうです。ロッジと言うと,日本ではスキー場の宿の事かと思ってしまいますが,本場のロッジとは,昔,貴族が遠路はるばるやってくる旅人を自分の家に泊めておもてなしした事から始まったのだそうです。単なるホテルのような宿泊施設とは違い,主人が旅人をトータルにもてなすという事を目指しているのだそうで,当然,ロッジ毎にいろいろなこだわりがあります。ちょっと前にテレビで,マオリ族の伝統料理をアレンジしたディナーを売り物にしているロッジの話が出ていましたね。

去年NZに行った時,確かに,幾つかのロッジの看板を見かけました。(意外と多いです) もしLOTRを読まなければ,とても思い付かなかったと思いますが,一生に1度位は,ロッジというものに泊まってみたいなあと考えております。ちなみに,ちょっと心配な,先立つ物,の話ですが(^^;),マオリディナーのロッジは,1泊30,000円代だったと思います。。このお値段だと,何かの記念旅行とかで行けなくもないかもしれませんが,ただし,お金以上に心配なのが,‥元々は貴族のたしなみから始まったお楽しみですので,当然,もてなされる側にも,それなりのレベルが要求されるという事で。。。

で,話が完全に逸れてしまいました。(笑)

玉座(Dais)と呼んでいいのかな。エルロンドの椅子,そして両側にはグロールフィンデルとガンダルフ。これでグロールフィンデルが裂け谷のエルフの中でも偉い人だとわかりますね。(Firstbornだと説明されてますね)彼はホントにゴンドリンの陥落時にバルログと戦ったグロールフィンデル? LOTRのこの場面では,エルロンドはagelessで喜びも悲しみも刻まれた顔,と,表現されていますが,ホビットの冒険では,若くて親切,と,書かれていました。長寿のエルフと言えども80年の年月で変わってしまうのでしょうか,それとも,見た人によって印象が変わるという事でしょうか。

フロドはその後,仲間達と再会の後,ディナーに招かれます。ここで彼はグローインと食事を共にしますね。アラゴルンが席をはずしております。(実は料理のお手伝いをしていたとHoMEにはありましたが,正式版でもそうなのでしょうか(笑)) ビルボとの冒険旅行の,その後の谷間の国の王家,ドワーフの王様,ビヨルン一党の事,ドワーフの仲間達の暮らしぶり(バーリンとオインとオーリは‥‥(泣))などなど,話は尽きません。

そして彼はついに,ビルボと再会。でも,ビルボはまるで病人のように暗い雰囲気でそこにいた,という所が,指輪の不吉な事情を暗示します。ただ,ビルボが指輪を見て目の色を変える所や"Sorry for everything ..."の所は,映画とは違ってさりげなく読まれます。そして,ビルボの詩,なんですが,正式版はエアレンディルとエルウィングの話だったんですね。(HoMEに,最初の下書きはハチミツ話だったとあったので,何故かすっかりその気になってました(笑))

グローインとビルボの登場は,何となく,ここでホビットの冒険へ踏ん切りを付け,新しい冒険のスタートを切るんだという意気込みが感じられます。

FOTR CD: 1-12: Flight to the Ford

2006-04-06 00:02:58 | Tolkien・LOTR
この章は今までの中でも1番まとめにくい章でした(汗)しかし早く終わらないといつまでも裂け谷に到着しませんから‥(笑)

サムはフロドに,その時自分達が見た事をお話してます。皆はフロドの姿が突然消えると,影のような物が飛び回っていたのを見たそうです。

アラゴルンが戻ってくると,皆縮み上がったのを見て「私は黒の乗り手ではない!」と言う所がw。しかしアラゴルンは,フロドがアングマールの武器によって傷付けられたのを見て,その傷は治せないのではないかと心配。そして何故黒の乗り手が5人だったのかも不思議がりますね。他の4人は堀窪でフレデガー・ボルジャーを襲ったり,ガンダルフを追ったりと,別行動をしていたわけですが,私はその事はHoMEを読んで知りました。映画ではアルウェンが「何故5人なのかしら?」と言ってましたが,映画では彼らが二手に分かれている理由が消えているので,ホントに「何故5人なのかしら?」って首を傾げてしまいます。(笑)

アラゴルンはアセラスを見つけると,お湯を沸かし葉っぱをすり潰して‥と,療病院にあるのと同じ方法で治療しますね。(ここであのシーンと同じ記述があったから,映画でアルウェンのあの登場の仕方を思い付いたんですかねぇ‥‥)フロドの傷はとりあえず表面的にはちゃんと治療されたようです。

彼らはやがてトロルの洞穴付近に到着。気味の悪い塔等があり,ホビット達はトロルが建てたのかな?と言いますが,アラゴルンは,トロルは物を造ったりしない,それはかつて北の王国の人達が暮らしていた跡と言います。皆アラゴルンのその知識にまた驚嘆。でも,まあ,(ホビット達はこの時点ではまだ知りませんが)アラゴルンはその王家の末裔ですから‥(笑)。そしてアラゴルンは裂け谷に住んでいた事もあると告白。

そしてサムのトロルの歌。これはヒドイ(笑)。朗読しているRob Ingrisさんは,他の詩を聞く限り,歌はヘタではないのですが,サムは歌がうまくないという設定にしているのでしょうか?(汗) BBC版はプロも同然のビル・ナイが演じていますから,そりゃうまいんですけどね。

そこへグロールフィンデルが彼らを捜してやってきます。彼の出発時,ガンダルフはまだ到着してないとの事。それにしても,9日間も捜していたんですか。まあアルウェンではありませんからまだいいですけど(笑),1人で裂け谷を出て9日間もさまようなんて,いくらグロールフィンデルでも危険じゃないでしょうかね?

フロドは基本的に1人で頑張って裂け谷まで行ったんですね。ここもちょっと原作準拠の映画を観てみたいなあ。。

FOTR CD: 1-11: A Knife in the Dark

2006-03-28 08:11:01 | Tolkien・LOTR
この章の冒頭は,堀窪で留守番をするおでぶちゃんのボルジャーを襲った災難です。映画を観てから原作を読んだ身には,ここはちょっと馴染みにくい箇所でしたが,HoMEを読んでから納得。黒の乗り手達は,基本的に,堀窪とガンダルフをマークする組と,本物のフロドの一行をマークする組と,二手に分かれているんですね。(まあ実際は互いの連絡役もあり,単純に5:4の二手ではないですが)

最初彼らはおでぶちゃんのボルジャーの方を本物のフロドと信じていたようですね。まあ,いずれにせよ,フレデガーは,HoMEに一瞬書かれたように,ガンダルフの背中に貼りついて馬で脱出したり,その後風見が丘で黒の乗り手に連れ去られたりする事ももちろんなく,‥そうそう,本当にいろいろありましたが(笑),‥結局,彼は怖がりながらもちゃんと役割を果たして無事に逃げ延び,ブランディバックの一族は勇敢に警告の角笛を鳴らして黒の乗り手を追い払い,この一件が,後の「Scouring of the Shire」への,大きな布石になりましたね。

‥そして黒の乗り手の残りは,ブリーの踊る子馬亭を襲撃します。ホビット達は馳夫さんの忠告を聞いてよかったと感謝。それにしても部屋はめちゃめちゃなのに,バタバーさんは「音を聞かなかった」そうで,一体どうやって襲ったんだか。しかしホビット達の連れてきたポニーがいなくなって,代わりにしだ家のビルの所のビルをもらう事になるんですね。彼らがブリーを出発の時,サムがしだ家のビルにリンゴをぶつけるシーン,原書では読み損なっておりましたが,CDでしかと聞届けました。(笑)

聴いていてなかなかおかしかったのは,一行が湿地で虫に悩まされたという場面です。秋だというのにmidges(蚊やブヨの類)に追い回され(これは映画のシーンにもなってますが(笑)),コオロギの仲間に"neek-breek"とか"breek-nreek"とか鳴かれたとか。

裂け谷まで2週間かかると聞いて,モチベーションを落とすフロド。彼は初めて自宅を離れた不安感を募らせたとありますね。

途中でギル=ガラドの話(なんとサムが暗唱)とか,べレンとルシアンの話(馳夫さん)とか織り込んで,風見が丘に。何故か塚山丘陵を思い出すフロド。馳夫さんはそういう関係はそこにはいないと言いますが,結果的にはフロドの予感ある意味的中ですね。

ガンダルフがキャンプした跡を発見する一行ですが,HoMEの時とはちょっと変わっていますね。本番では皆に食べ物を残していたという話はなくなっています。でもブーツの足跡を見て,これはレンジャーではないと言う馳夫さんのセリフは残っていますね。

黒の乗り手達を見て,メリーやピピンが剣を抜いたというような記述はありませんね。(映画の観過ぎか(笑))でもフロドが戦わずしてへなへなとなったという記述もありません。それどころか彼の方が先にアングマールの魔王を攻撃しているんですね? ‥と,辞書で確認して,さらに翻訳版も確認に行ったへたれ英語力。(笑)

Run!Run!Run!