詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

詩 愚か者

2010年03月05日 | 
お前こそが
愚か者なんだという
誰かの声がいつも聞こえる

すべての人々が
夜空に向かって
つぶやく夜毎のうわ言かもしれない

けれども愚か者は
言い訳はしない
愚か者はただ
死までのときを懸命に生きるだけ

愚か者には死こそが友だち
明日死んでもゆこうとも
自分だけには恥じない生き方をと思う

詩 泥にまみれて花と散るため

2010年03月05日 | 
泥にまみれて花と散るとは
己だけの救済を拒否する菩薩行への思い

そしてそれはいつも
腐食し続ける時代の相克と
過剰なおのれの感情に苦みつづけた
宮沢賢治の辿った自己否定の奇跡

人間はいつの時代にも
阿修羅のように
戦いへと駆り立てられるつつありながら
いつでもその根拠を求める存在
たいがいはその時代に制約された正義だろうが
ごくまれには
不当に奪われてしまったものへの怒りが
後世の誰からにも支持される
普遍的な正義へと昇華することもある

けれども哀しいことに
人間の感情には容量というものがある
悲しみどころか
最上の喜びの最中でさえも
その限界を超えると
たちまち別のものへと変質してしまう

星々よ
涙のようにとめどなく降り続けるがいい
わたしがわたしであり
わたしが私利私欲や
感情に支配されるロボットになるのを拒絶するために
いついかなる時代にも
泥にまみれて花と散る人々のために