詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

獅子身中の虫&懐かしい詩人たちの詩ー

2010年03月27日 | 
われ、傷にして刀なり
掌にして打たるる頬なり
四肢にしてかつ拷問車
死刑の囚徒かつ刑吏なり
われ、わが心の吸血鬼なり・・
  (「悪の華」斉藤磯雄訳)

全滅に向っていることもしらない
遠い雪中行軍のような音が
ぽつんと、ことこきれてしまうと
しんしん淋しさがつもってきて
どうしようもなく
夜の夜中に
なま玉子をのむ
(『花地獄』高内壮介「水仙」より)

数億年も生きている
さかなのはらわたの中に
のまれてしまうと
俺も、お前も
めくらのむきみとなり
血の虹や、雨の線が
俺のもう盲膜をかすめる時
俺のガスは
よじれあう
おんなの口から
俺の
どろどろの奥へ
しみとおってくるのだ
(『花地獄』高内壮介「浄夜」より)

◆「敵は獅子身中の虫」という記事はーhttp://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-834.html