この国の窓ガラスは
どれもこれもが
春の雲気のために曇ってゆく窓ガラスばかり
ふるさとでかつて
ぼくらが暮らした廃屋の窓ガラスもまた
拭いても 拭いても
たちまちに曇ってしまう
この国のありとあらゆる窓ガラスの不幸よ
すべての窓ガラスに
いつの日にか
これぞ禁断の文字という文字を描いて
その後に叩き割ってみたい
血だらけの拳で叩き割る勇気がないというなら
むしろ存在しない方がいい
窓ガラスとぼく自身なのだ
どれもこれもが
春の雲気のために曇ってゆく窓ガラスばかり
ふるさとでかつて
ぼくらが暮らした廃屋の窓ガラスもまた
拭いても 拭いても
たちまちに曇ってしまう
この国のありとあらゆる窓ガラスの不幸よ
すべての窓ガラスに
いつの日にか
これぞ禁断の文字という文字を描いて
その後に叩き割ってみたい
血だらけの拳で叩き割る勇気がないというなら
むしろ存在しない方がいい
窓ガラスとぼく自身なのだ