多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

木村真・豊中市議が抉る森友問題の本質

2017年04月09日 | 集会報告
3月30日(木)夕方、参議院議員会館101号室で「『安倍政治を終わらそう!』3月30日集会」(主催 立憲フォーラム戦争をさせない1000人委員会)が開催され、森友疑惑を最初に発掘し3月22日に近畿財務局を告訴した豊中市議・木村真さんの報告を聞いた。
木村さんは「問題の本質は、極右カルト学園に政府中枢が異常な値引き、利益供与をしたところにある」「籠池氏の国家観と安倍総理の国家観がほぼ重なっている。『「みっともない憲法ですよ』という憲法観もほぼ同じ。戦争責任をきちんと取らなかったことに問題の淵源がある」と述べた。

森友問題の発掘と本質
                         木村真さん(豊中市会議員)

森友問題について最初のきっかけをつくることができたが、新しい話についてはわたしも、新聞、テレビ、ネットなどの一読者にすぎない。
もとはというと、あの土地は豊中市が公園用地として、国から無償貸与を受け整備したいと考えていた土地だった。しかし国は2008年ごろ「無償貸与などどんでもない、購入するなら2010年までに購入してほしい、買う気がないのなら売却する」と最後通牒のようなものを突き付けてきた。そこで市は東半分を14億で購入し、いま実際に公園になっている。市民は、もともと公園になるはずだったので、いったい土地が何になるのか気になっていた。
たしか2015年暮れか2016年初めに土壌改良工事のための囲いができ、「瑞穂の國記念小學院 学校法人森友学園」という横断幕がかかっていた。そのときは塚本幼稚園との結び付きが頭に浮かばず、学校になり変なものにならずよかったと思ったほどだった。ただ「瑞穂」という名や「國」「學」が旧字であることに少し違和感を感じた。
その後ふたたび見に行ったとき、生徒募集のポスターが掲示されていた。一見「神社の秋祭り」のポスターのようで真ん中に日の丸、その上には教育勅語、下に富士山と鳥居の写真があり強烈な絵柄だった。調べると塚本幼稚園の経営する学校法人が設立を準備しており、籠池氏は日本会議の関係者で、名誉校長が安倍昭恵であることがわかった。塚本幼稚園のHPをみると、誇らしげに教育講演会が紹介されており、講師として田母神俊雄、櫻井よしこ、百田尚樹など強烈な顔ぶれが並んでいた。
これはものすごい学校が、よりによって豊中に来る、しかも公園にしようと思っていた場所だから許せないと感じた。アベシンゾーのお友達がやっている(と当時は思っており)、これは土地取得に関してうさんくさいことをやっているかもしれないと考え、昨年5月に土地の登記簿を取った。当時は6月の売却前だったので、所有者は旧・運輸省だったが、すでに基礎工事のような工事が始まっていたので、近畿財務局に事情を聞きに行くと、土地は定期借地とのことだった。豊中市には強硬に購入しろといっていた土地をなぜ森友に貸しているいるのか、おかしいというのが最初の疑問だった。
そこで貸付合意書を情報開示請求すると、出てきたのは金額・条件など黒塗りの状況だったので「これは絶対おかしい。何かやっている」と親しい市民に集まってもらい情報交換を始めた。その直後売買が成立し売買契約書を取り寄せるとやはり金額などは真っ黒だったので、8月末に「「瑞穂の国小学院」問題を考える豊中市民の会」を立ち上げた。そのとき山本一徳市議も加わった。
まず「国有地を売却して金額は非公開!?売却先の名誉校長は安倍昭恵氏」というチラシを作成し配布した。黒塗りの契約書の写真も載せ、裏面に「教育勅語を暗唱させる特異な教育」という記事を入れた。じつはわたしの事務所と籠池氏の自宅は隣接した町で、歩いて10分もかからないところだった。ビラ配りを初めて1,2日のうちに籠池家にもビラを投函した。
全部で3万枚作成したが、連絡先にした電話番号に10本ほど電話がかかってきた。80代の女性の「戦争でほんまにひどい目にあった。もう戦争はこりごりや。こんな教育勅語を教える学校ができるなんて、ほんまにいややわ」という電話が印象に残っている。
塚本幼稚園のある淀川区は豊中と隣接しているので1万枚配った。しかし世帯数17万戸の豊中市に数人でビラを配布するのはかなり厳しい。
マスコミにも情報提供し、何社か取材にきたがちっとも記事にならない。「なかなか取扱いがむずかしい。なにか具体的な動きやできごとがないとむずかしい」とのことだった。
2月8日に裁判を提訴し、午後記者会見すると、大阪のNHKが夕方と夜のニュースで流し「名誉校長は安倍昭恵さん」というところまできっちり報道してくれた。また影響力が大きかったのは朝日の記事だった。これがきっかけになり国会議員が国の職員に問合せするようになった。朝日の記事には売買金額が1億3400万とはっきり出ていた。10月ごろ登記を取りなおしたとき、たしかに1億3400万(買戻し特約)と出ていた。しかしわれわれは豊中市に売却したときの単価から推測し、適正金額は13億円程度だと頭から思い込んでいた。10年分割の支払いなので、はじめの1年目の支払額ではないかと思ったので、記者に「大丈夫か」と聞くと「確証をもって書いている」という。籠池氏を直撃して金額を確認したのだった。
その後、8億の値引きについて真相究明が図られたが、籠池氏自身が「グラウンド部分のごみ撤去はやっていない。かかったのは1億程度」と言っているのだから、少なくとも7億円程度値引きし過ぎていることは事実である。
わたしとしては、7億か8億かは大きく値引きしたことに変わりないのだから、そんなことよりわざとやったのかどうか、つまり背任かどうかが問題である。3月22日には「氏名不詳」のまま近畿財務局の職員を背任で刑事告発した。もし政治家の圧力があったなら共同正犯となる。
籠池氏ではなく役人を訴えた。ものを買うときに「安くならないか」というのはごく普通、当たり前のことだ。ムリなら「適正な価格なのでムリです」といえばよいだけのことだ。わけのわからないゴミ処理という理屈を編み出して値引きしたのだから、われわれの市民感覚からすれば完全にアウトだ。あとは責任追及するだけだ。
気にいらないのは「忖度」という言葉が使われていることだ。常識的に考えて、そんな判断を役人だけでできるはずがない。いまのところ政治家の圧力を具体的に証明できていないから忖度で説明しようとしているのに過ぎない。それは突き止めることができていないだけの話だ。
まったくのわたくしの憶測だが、安倍総理自身が関わっていたと考える。なぜなら籠池氏の国家観と安倍総理の国家観がほぼ重なっているからだ。「みっともない憲法ですよ、はっきり言って」という憲法観も籠池氏とほぼ同じだ。今回の幼稚園教育要領(学校の学習指導要領に当たるもの)に国旗国歌のことが書きこまれた。森友は少なくとも今年4月には開校しなくなったが、知合いの教員は「森友的な教育がいまや公立学校にもじわじわと浸透してきている。だからまだ終わったわけではない」と指摘した。戦争責任をきちんと取らなかったことに問題の淵源があると、わたしは考える。くすぶっていた地域の草の根保守が、安倍極右政権のもとでいっせいに吹き出している。だからわたくしが考える森友問題の本質は、極右カルト学園に政府中枢が異常な値引き、利益供与をしたところにある。値引きだけなら、市民にちゃんと説明して理解を得、市民の利益が得られればありうる。たとえば豊中市は「音楽あふれるまち」をモットーにしているので、もしあの土地が市のもので、大阪音大が7億で買いたいと申し出て、市民の賛成が得られれば、値引きはありえた(実際に大阪音大は7億を提示したが、財務省に蹴られた)。
安倍やその取り巻きの政権中枢は、森友をモデル校と位置付けていたから便宜供与したに違いないと思う。憶測で根拠はないが。安倍昭恵さんが「一人でさせてすみません」と言っていたので、日本語としては落ち着かないと思ったが、あれは「本来ならわたくしも夫も全面的に応援すべきところ立場上できない、申し訳ない。せめてカンパだけでも100万円」という話だと理解している。
森友問題は起こるべくして起こった問題だ。似たような問題は発覚しなかっただけで過去にもあったかもしれないし、これからも起こるかもしれない。これを防ぐには森友問題にきっちり落とし前をつけることが必要で、そのためには最終的には安倍晋三の責任を問うことが必要だ。

このほか青木泰さん(環境ジャーナリスト)から「森友学園国有地払い下げ、8億円減額詐欺行為の全貌」という報告があった。2回目にゴミがみつかり9.9m掘削したのは杭を打った303平方メートルのみで全面積の6%に過ぎない。9mも掘ればだいたい江戸時代の地層に到達するが、江戸時代に産廃の不法投棄はないし、土地購入後に投棄したにしても10mも穴を掘って不法投棄する人はいない、また1回目に3mは掘り下げたのだから2回目に3.8m、つまり80センチだけ掘ってもそこでみつかるゴミはほとんどないはず。国有財産にゴミがあるという理由で格安(ほぼ無償)で払い下げるのは役人の犯罪行為である。
   詳しくはこのサイト(主として22分から46分の部分)をご覧いただきたい。
        
また文教委員会の筆頭理事で、安倍総理や菅官房長官に国会質問した斉藤よしたか参議院議員は、元・愛知県の小学校教員だった体験から「教室のなかにA・B2人の生徒しかいなかった。Aは『B君にいじめられた』という。しかしBはいじめていないという。そこで教師が『A君、君がいじめられたといいだしたのだから、君が立証しないといけない。証拠をだせないでしょ。君はウソツキだ』などというだろうか。これが自民の主張で、不誠実だ」とコメントした。言いえて妙なたとえだった。
第二衆議院会館前では、3月9日から3月30日まで毎週木曜夕方『森友疑惑徹底糾明!安倍内閣は退陣せよ』が開催された。わたしも3回参加した。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« NODA・MAPの「足跡姫」 | トップ | 失業給付・狂想曲 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
【 産廃処理偽装問題 】森友学園と所沢市東部クリーンセンター (所沢市政の問題点)
2018-03-14 12:35:54


【 産廃処理偽装問題 】森友学園と所沢市東部クリーンセンター

 森友学園の場合は、産廃処理費用分と称し国有地の価格を値引き。
 所沢市 東部クリーンセンター建設事業の場合は、産廃処理費の予算と実費の差額を業者に利益供与の疑い。
 産廃処理を口実として、懇意にしている団体や業者への億単位の利益供与という点で共通である。

産廃処理偽装問題、森友学園8億円、所沢市東部クリーンセンター9億3000万円。

所沢市東部クリーンセンター建設事業 産廃処理偽装問題。
割高の処理費用となる焼却灰混合土として予算計上し、普通の建設汚泥として処理の疑い。
契約で計上された予算と実費の差額は3億~5億円。 
http://blog.livedoor.jp/tokorozawalvdoor/archives/7310411.html

東部クリーンセンター建設事業における産業廃棄物処理費についての契約は、平成13年3月議会で議決。
産廃処理総費用9億3000万円。
その後、当時の建設室参事が官製談合を告発。産廃処理費の予算と実費の差額は3億~5億円と市議が議会で質疑。
契約書の閲覧不可と助役が答弁。   
http://blog.livedoor.jp/tokorozawalvdoor/archives/7310525.html


【 落札率103.7%?】 所沢市 東部クリーンセンター工場棟建築工事、官製談合で業者に利益供与の疑い
http://tokorozawablg.jugem.jp/

所沢市政の問題点
https://twitter.com/tweettokorozawa
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

集会報告」カテゴリの最新記事