明日は明日の風が吹く

60にしておひとりさまに。
この先、どんな人生になるのやら?

食べて喋って日が暮れて・・・

2024-04-09 | グルメ
2年ぶりだろうか。久しぶりの奈良行き。
大学時代の友人との集まりに、家からは片道約2時間の小旅行である。

実は4人のうちの1人が基底細胞癌というのになって、
でも無事にきれいに切除できた、という一報が入ったのが3月の初め。
その頃私は例の件でMRIの予約待ちで、心中穏やかならぬ日々だったのだが、
えーそんなことが起こってたの!とびっくりすると同時に
実は私ももしかしたら手術・・・などとポロリとこぼしたものだから、
エライコッチャ、これはみんなで集まって慰労と激励の会をやらなアカンと。

思い立ったはいいが、なかなか予定が合わない。たった4人なのに。
みんな自治会やら旅行やら春休みの孫のお守りやら、
婆は婆なりに忙しい。
延び延びになっていたのがようやく昨日になって実現したというわけだ。

奈良へ向かう電車の中は平日というのにインバウンドでいっぱい。
私は終点の奈良まで行かずに西大寺で乗り換えたが、
おそらく東大寺や興福寺辺りは外国人だらけではなかろうか。



小雨がぽつりぽつりと降ったりやんだり、曇天の奈良。
風が吹くと桜吹雪が舞い散る。今年の桜の見ごろは短そう。



花より団子。
今回友だちがお昼を予約してくれたのは、静かな住宅街の中にある普通のおうち。
私たちより少し年上のご夫婦がやっておられる隠れ家的和食のお店だ。
実は1人が同じ町内に住んでいるので夫人と親しく、ご近所さんのおうちにお邪魔しているような感覚。
普通はリビングの方のテーブル席に案内されるらしいが、
「おもいっきりしゃべりたい」私たちのために、別の和室を用意してくださった。


まず出てきたのが、じゃがいものクリーム豆腐(だったかな、以下ネーミングはうろ覚え)
次の椀物が蕗のすり流しナントカ。
そして春巻きの中身は穴子と春ごぼう。
どれも香りが良くてだしのおいしいこと! 
年取るとこういうのが嬉しいんですわ。自分では絶対作らないもん。
料理はすべていちからご夫婦の手作りで手間暇かかるものばかり。
ゆっくりと出てくる。


若竹煮の下に鯛の切り身が隠れている。
ふんわり載った淡雪は意外としっかり硬め。
わかめ、筍、鯛に木の芽・・・春の出合いものだ。
そのあとは蕎麦のサラダ仕立て。なるほど、これは真似できるかも。
ナッツやごまなどいろいろ入ったドレッシングがおいしかった。
そしてご飯はちらしずし。酸っぱすぎず甘すぎず。
桜の生麩がのっている。
こういうちょっとしたところがやはり家庭料理のようでも一線を画すところだ。
「ちらしずし、多かったらお持ち帰りに出来ますよ」と言われたが、
なんのなんの、全員完食(^-^)


シフォンケーキとコーヒー。
ケーキ、ちょいと齧ってしまい^^;

どれもおいしくて大満足。春の味を堪能させていただきました。

Yちゃんが言うことには「(奈良の)めぼしいお店はどこもインバウンドで予約取れず」
「値段はインバウンド価格でメチャクチャ高いくせに味はきっと落ちてる」
とのこと。
さすがこの隠れ家までは侵食されていなくてよかった。
2時間半以上、ここにいたかな。長ーいランチだこと。

このあとはMちゃんちに場所を移して、お菓子を食べながら(まだ食べるんかい🤣まだ入る)
おしゃべりの続きだ。

基底細胞癌というのは小鼻の辺りに黒いゴマ粒のようなおできが出来るという、
よくある、そしてすごく治りの良い皮膚癌の一種らしい。
周辺多めに何ミリだか切開して取ったらしいが、殆ど言われないとわからないほど
きれいに治っていた。他から皮膚を移植しなくて済みそうで、よかったね。
あんな話やこんな話、親の介護や孫の話、政治の話から事件事故まで
よくまぁ話題が尽きないねと我ながら感心する。
病気にまつわる話、老後の話の比率が増えてきたのはしょうがない。

知り合って50年超。怖ろしいくらいの年月が経ったのだ。
「この先、いつまでこうやって会えるやろね」
「足腰鍛えとかなね。Yちゃん車の運転いつまでするのン」
「そやな~便利なところに移ったらもうやめる」
「私ら一人減り、また一人減り・・・てなるんやろか」
「最後に残るんは絶対Kちゃんやな」
「いやーわからん。一病息災ていうやん。病気持ちの方が長生きするんやて」
てなことをワイワイ言いながら、気がついたらもうこんな時間!

「あんた2時間コースやろ。はよ帰り!」
「さっきのプリムラジュリアン、一株頂戴」
Mちゃんちの庭は花とメダカ(こっちはオット様の趣味)がいっぱい。
前にも匂いゼラニウムをもらって帰った。
厚かましく頂戴なんて言えるのも年代物の友なればこそ。
もらうものもらって大急ぎで家路に着いた。
次は(みんな元気に夏を越せれば)秋に我が家に集まることになっている。

帰ってきたら〇ーブスの知り合い92歳のK子さんから電話あり。
今日私の姿が見えなかったので心配してかけてきてくれたのだ。
友だちとこんな話をしてきました~と言うと、
「まだ若いのに何を悲観的なことお言いやすのん(京都育ち)」
と言われてしまった