先日、火曜日に藤枝市へ出向いたとき、どら焼きとパンをいただいた。
以前にもいただいたことがあり、店の場所を訊ねたものの、出かけたことがなかった。
聞いたところによると、昼ごろには売り切れてしまうほどらしい。
どら焼きのおいしさに加え、パンのおいしさのとりこになった。
パン生地には、クルミ、ライ麦などが練りこまれている。
コッペパンのような形のふっくらしたそのパンには、イチゴジャムがサンドされたもの、クリームがサンドされたものなどがある。
中でも私の一押しは、モカクリーム。
このパン生地と一番相性がいいと思う。
夫にも半分残しておいてあげようと思ったけど、ついつい全部食べてしまった。
それでも、もう一個食べたいくらい、未練が残った。
一昨日の木曜日、今度は夫の用事で、藤枝へ行くことになった。
私としては、どうしてもその店にも寄ってみたい。
所用が済んだのが、10時半。
まだ、売り切れにはなってないはず。
期待が高まる。
予めネットで地図を取り出しておいたのに、道を間違えてしまい、行ったり来たりしてしまった。
住宅街と田んぼの中、店と思しき建物と、「東食」の看板が見えてきた。
おお、ここだ、ここだ。
藤枝市のすぐ西隣り、島田市の「松千」。
「東食」とは棟続きになっているらしい。
どら焼きの種類が豊富で、あれもこれもと目移りしてしまう。
「全種類ください!」と思い切りよく言えたら、どんなにいいことか。
どら焼きはつぶあん以外、生クリームが使われているそうだ。
迷ったあげく、チーズ、モカ、あんず、抹茶、黒ゴマなどを選んだ。
そして、お目当てのモカクリームのパンも忘れずに。
すぐ横にあったブドウパンもおいしそうに見えたので、それも。
家に帰り、早速食べたかったけど、とりあえず冷蔵庫にしまい、夫と夕飯の買出しに出かけた。
買い物から戻り、夫に、スイカを冷蔵庫に入れてくれるよう頼んだ。
諸々の用事が終わり、さてさてゆっくりとどら焼きとパンを味わおう、と冷蔵庫をのぞいた。
な、なんと!
どら焼きとパンは、ずっしり重いスイカの下に。
すべてぶっつぶれ状態。
いつもはずぼらな私をカバーするように、細かい事に気が利く夫が、なぜこんなふうに無造作にスイカを入れてしまったんだろう。
つぶれてしまったとはいえ、モカクリームのパンはやっぱりおいしい。
身も心もとろけそう…とはこのことかしら、と思うくらいうっとりする。
たいてい二度目というものは、最初ほどの感動を味わえなかったりすると思うのだけど、このパンは違う。
夫への怒りも、原型をとどめないパンの悲しさも、このおいしさに救われる。
ブドウパンは、レーズン好きの私たちにはたまらないくらい、たくさんのブドウが入っていた。
パン生地のほどよいしっとり感もいい。
この味、この大きさとボリュームで、お値段105円、
ほんとにいいんでしょうか、と思う。
藤枝行きの楽しみが、またひとつ増えた。