テレビを見ていると、各地でハスの開花のトピックが報じられています。
私の散歩コースである大阪府熊取町:長池公園のハス池にもハスの花が咲いてきましたのでご紹介します。
ハス(蓮)は、ハス科の多年生水生植物で、原産地はインドから北オーストラリアと言われており、インドの国花になっているようです。
・これは私の散歩コースの長池公園とその一角にある蓮池です。
ハスの名前の由来は、蜂の巣状の花托に果実が実ることから、「ハチス(蜂巣)」と呼ばれていたものが、その後「ハス」になったと言われています。
ハスは根の部分が食用にされてきた大形の水生植物で、5000年も前から栽培されてきたそうです。
・これは長池公園の事務所前の鉢に植えられているハスです。
・これも同じく鉢植えのハスの蕾と花托です。
ハスの花はレンゲ(蓮花)と呼ばれ、中華料理に使用するレンゲ(ちりれんげ:散蓮華)は、散った蓮華の花弁に似た形をしていることから付けられたといわれています。
・早朝、咲きかけのハスと蕾です。
ハスは泥の中で育っていますが、花や葉は清浄であることや花の美しさからインドや中国で重んじられ、仏教文化と深くかかわってきました。
仏教では、釈尊が蓮華の上で瞑想する絵が描かれており、極楽浄土の象徴とされています。
このため、多くの仏典に「蓮華」の名で登場し、蓮華をかたどった台座に仏像を乗せたり、厨子の扉の内側に蓮華の彫刻を施したりしています。
また、お寺の境内にハスイケ(蓮池)をよく見かけると思いますが、これもこのようなことから造られているそうです。
・極楽浄土を想わせるようなピンクの鮮やかなハスの花です。花弁は普通16弁だそうです。
「大賀ハス」
東大農学部教授の大賀一郎先生が、千葉市の東大検見川総合運動場で1951年(昭和26年)に弥生時代の地層からハスの実を発見し発芽に成功しました。
この実は2000年も前の実だったそうです。
先月のNHKテレビ「街道テクテク旅ー熊野古道をゆく」で、和歌山県上富田町の「大賀ハス田」を紹介していました。
この大賀ハスは、日本各地は元より、世界各国に友好親善と平和のシンボルとして根分けされているそうです。
ハスを詠んだ歌を一首ご紹介します。
・「夕方の 雨も降らぬか 蓮葉(はちすば)に たまれる水の 玉に似たる見む」 新田部皇子(にいたべのみこ)(万葉集)
(意訳) 雨でも降ってこないかな。ハスの葉に溜まった水が玉のように光るのが見たいものだ。
この歌は、宴席でハスの葉を詠み込んだ歌を作れといわれて詠んだもので、「溜まれる水」は美女の真珠のような涙を暗示しているそうです。