昨日は「土用の丑の日」でした。一年の内で最もウナギが売れる日です。
梅雨明け以降、気温もウナギ昇りに上って連日35度を超える猛暑となっています。
テレビ・新聞の報道によれば、昨日の「土用の丑の日」には、この猛暑を乗り切れとばかりに、百貨店やスーパーのウナギ売り場やウナギの専門店などでは通常の2~4倍のウナギを用意してウナギ商戦に臨んだようです。
今年はシラスウナギの稚魚が不足しているため、ウナギの値段が1割程度上昇しているそうです。
このため海外産ウナギ、特に台湾の業者が安全で安い台湾産のかば焼きを積極的に売り込んでいるようです。
日本では、シラスウナギの人工養殖に成功し、数年先には安定した供給も可能との報道もありました。
期待したいですね。
・よく売れている専門店の”うな重”です。
日本では、「土用の丑の日」にウナギを食べる習慣がすっかり定着しましたが、その由来を調べると諸説あるようです。
一般的に最もよく知られている説は「平賀源内の発案説」と言われています。
以下、諸説をご紹介します。
・平賀源内の発案説
文政5年(1822年)、商売がうまく行かない鰻屋が、夏に売れない鰻を何とか売るため、平賀源内の所に相談に行ったところ、源内は、「丑の日に『う』の字がつく物を食べると夏負けしない」という民間伝承からヒントを
得て、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めたそうです。
すると、物知りとして有名な平賀源内の言うことならということで、その鰻屋は大変繁盛しました。その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着したというものです。
・春木屋善兵衛説
同じ文政年間に、鰻屋の春木屋善兵衛が土用に大量のかば焼きの注文を受け、「子(ね)の日」、「丑の日」、「寅の日」の3日間で作って土甕(つちかめ)にいれて保存しておいたところ、「丑の日」に作ったものだけが悪く
なっていなかったからとする説。
・太田南畝(おおたなんぼ:江戸時代後期の狂歌師、戯作者、別号:蜀山人)説
天保10年(1839年)に、鰻屋に相談を持ちかけられた蜀山人こと太田南畝が、「丑の日に鰻を食べると薬になる」という内容の狂歌をキャッチコピーとして考え出したとする説。
・丑=鰻二匹説
平仮名で墨汁を使って毛筆で書いた「うし」という文字が、まるで二匹のウナギのように見えたからとする説。
188年前、相談に来た鰻屋に、丑の日に「ウ」の字のつく食べ物を提案した平賀源内ですが、もし、うどん屋が相談に行っていたなら、同じ「ウ」の字がつく”うどん”がよく売れ、現在のウナギブームはうどんブームとなっていたかもわかりませんね。
それはともかく、ウナギにはビタミンA、ビタミンB類が豊富に含まれているため、夏バテ予防、食欲減退防止の効果が期待できるそうです。
連日の猛暑により、夏バテ寸前という人も多いのではないでしょうか?
ウナギは「土用の丑の日」に限定したものではありません。いつでも、栄養豊富なウナギを食べて猛暑を乗り切ってください。