三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

学生の匠リフォーム、工事完了

2005年10月20日 09時09分58秒 | Weblog
さてこのブログでずっと紹介していた、学生の匠によるリフォームの工事も完了しました。
きのう、施工に当たった沢井建築工房・沢井さんと現地見学。
思わず、目を見張るほどにすばらしい住まいに一新していました。まずは、大変お疲れさまでした。
わたしたちのような、現場をよく見ているものが、足を踏み入れれば、だいたいの標準的な建築コストが体感的に感覚出来るのですが、ズバリ感じた工事費用は、最低2,500万円。(って、実際には約半額の予算になっているんですが)

まず、現在の基準レベルからいえば、耐震性・構造耐力・断熱・気密という基本的住宅性能の点で、既存の建物はまったくの不適格物件。とくに、鉄骨造の土台がなんと塗装だけで、外部にさらされていた、という恐ろしさ。これでは、明確に外気温を室内にヒートブリッジしてきます。
さらに、そこから立ち上がる鉄骨の柱や梁は、ボルトナットによる締め付けだけで持たせていた、というもの。だから「揺れる」んです・・・。本来であれば、外壁材もすべてはずすべきところ、構造耐力維持の点で、外壁材にもかなり依存していることが確実に推定され、外壁材をはずせば、崩壊の危険が高かった。そこで、
・・・というようなことをそのまま書き続けると、問題も出るかも知れないのでこの辺で。
解体してみてから明確に特定できた、こうした既存建物の現状に合わせて、行うべき建築的処置を不足なく行っています。 そういう性能面のケアがまずは基本。とくに床面が異常に寒かった、というオーナーの基本的な要望については、その原因の完全な特定と、この建物の条件に合致した適切な処理ができました。

デザインの面でも、学生の匠によるコンセプトを随所に活かした空間構成になっています。
とくに、写真右側の2階のインナーテラスは、さまざまな使い方を想起させてくれるユニークな空間。未来的で、北国の暮らしに大変おもしろい提案になっていると思います。
階段も、蹴込みをはずしてデザイン的に軽快感を表現して、玄関からはいってすぐ、この建物のデザインコンセプトを明確にしています。
以前のこまごまとした間取り計画は一新され、落ち着きのあるモダンデザインに。ひろびろとした伸びやかな夫婦ふたり暮らしの、ちょっと素敵な空間装置ができあがりました。

この週末、23日・24日の日月、一般公開を予定しています。
ぜひ多くのみなさん、住宅リフォームの可能性を、体験してみてください。
申し込みは、リプランの窓口、電話011-641-7855まで。
工事の様子や、入居後の様子など、またここでふれてみる予定です。きょうは取り急ぎ報告まで。
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