三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

「亜鉛閣」訪問記

2005年10月29日 05時12分36秒 | Weblog

亜鉛閣。 っていっても、なんのことかわかりませんよね。
これは、金閣・銀閣をもじった建物の名前ということです。・・・が、
なんか、印象としては名前からして
孫悟空に出てくる妖怪のほうが思い起こされるかなぁ。などとついつい。
ホントは、日本建築学会賞も受賞された建築家・山下和正さんの
ご自身の「ついの住処」に付けられた名前です。
28日に福島県の南端に近い川内村のこのお宅に取材に伺いました。

最後は、舗装道路も絶えて、林道みたいな道を心配しながらスズキアルトを走らせ、
ようやくたどりつきました。 ふぅ~。
広大な敷地。
周囲のわき水を貯めた池。
四方が山で囲まれて、やや色も薄めながら
紅葉が見事な豊かな自然環境のなかに、この家はたたずんでいます。
山あいの早い落日を心配されて、さっそく撮影ポイントを的確に教えてもらいました。
池の水面にこの「亜鉛閣」が写り込んで、
「そうか、これで金閣・銀閣じゃない、亜鉛閣か!」と遅まきながら気づき、
山下和正さんのにこやかな笑顔に、ぐぐっと引き込まれた次第。

2×4工法のごく初期から、取り組んでこられたということで、ディテールに至るまで、熱心に説明してもらいました。
なかなか本州地区では設備や工法の詳細まで、建築家自身から語っていただくケースは多くないので
正直、たいへんうれしく、また興味深くお話しを伺うことができました。
この地は、冬期にはマイナス10度ほどにはなる土地柄とか。
そして一方で日照率は高く、そうした条件を設備設計などに織り込んで、さまざまな建築的工夫を凝らしています。
そのいちいちが道理にかなっていて、うなずけることばかり。
こうした内容については、近いうちにリプラン誌面でご紹介したいと思います。
ぜひお楽しみに。

札幌ナンバーの軽自動車で、ぜいぜい言いながら伺いましたが
たいへん楽しく取材させていただきました。
福島川内村ってなんかいいよなぁ、というのが、余韻にひたっている、いまの実感です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする