三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

ふるさと「回帰」って?

2006年10月14日 07時31分29秒 | Weblog

きのうから東京に来ておりまして、なにかというと、
「ふるさと回帰支援センター」 http://www.furusatokaiki.net/
というところが行うイベントに参加するためです。
団塊世代の定年退職が07年から本格的に始まりますが、
それに向けてのひとつの運動なんですね。
政府機関や、地方自治体など、公共性の高い機関が注目している運動。
きのうは前夜祭ということで、作家・猪瀬直樹さんの基調講演、
さらには、前・宮城県知事の浅野史郎さんや、見城美枝子さんなどが
参加するパネル討論などが行われていました。

「ふるさと回帰」って、どういうコンセプトで行っているのかなぁ、と興味があったのですが、
全農がバックに付いているという側面もあって、どちらかというと、
団塊世代に新規就農や、「土に触れる暮らし」というメッセージを送っている、
そんな感じが強かったです。
そんななかでは、浅野史郎さんからの
地域の実体験メッセージがいちばんリアリティを持って感じられましたね。
どうも、多くの意見は移住する人への呼びかけが情緒的側面のみで、
それはまぁ、いいから、実際問題、直面するいろいろなことがらを
どう、乗り越えるべきなのか、というような問題提起に乏しかったように感じます。
確かに、東京的な無機的な現実生活から、
土に触れる暮らしというのは、説得力はあるだろうけれど、
そういうことだけでは、都市的な無名性などの魅力の側面などに簡単にひっくり返される部分もある。
猪瀬直樹さんの講演でも、どうも政府側的な発想での移住のススメのようで、
なかなかピンと来ませんでした。
論旨が、良い環境や、子孫に残すべき地方をあなたたちが作ってください、
という、ちょっとある意味、突き放したような言い方だった気がします。
もうちょっと、いろいろな経験や、職業的先端ノウハウを蓄積している
団塊世代の心理を鼓舞するような方向からのアプローチが必要のような気がします。
けっして農業だけではないと思うのですよ、
団塊世代のみなさんの、誇りを持った老後の暮らしって。
先日も、定年後ただただ、遊び暮らしているようなひとたちを紹介するような
興味本位そのもののテレビ番組があって、やれやれと思っていたのですが、
それと本質的にたいして変わらないかなぁ、と。
確かに、人間、らくに楽しく暮らしたいとは思うけれど、
やっぱり「誇りを持って生きられる」ということのほうが、大切なんではないでしょうか。
で、そういうことは、やっぱり、行政的・役所的な視点からは
出てこない部分なのかなぁ、というのが正直な実感ですね。
さて、どうなんでしょうか、ね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする