仙台できのう取材した住宅の写真です。
古い旧市街地での新築住宅なのですが、
わたしはてっきり今までここに住んでいての建て替えとばかり思っていましたが、
実はなんと、こちらはわざわざ狙って、こういう旧市街地の敷地を買い求めたものなのでした。
こういう敷地、って、ここんとこ取材で重なっているワケなんですが、
いわゆる間口が狭くて、奥行きが長い、という
日本的な伝統的都市住宅の街割りのなかの敷地形状。
一般的ハウスメーカー住宅では、そもそも建てられないようなケース。
ただし、立地条件としては都市機能の利便性を享受できる。
この家の建て主さんもついの住み処は都市中心部のマンションかな、と
考えていたそうなのですが、やはり車はずっと使い続けるだろうし、
そのためにずっと駐車場を賃貸契約するのも、抵抗を感じる。
また、友人知人との気兼ねのない交友を考えれば、
戸建て住宅の暮らしやすさがやっぱりいちばんいい、
というように考えて、こうした敷地の入手を考えていたそうなんです。
もう、大人になった子供との間には、間取り的な距離感もほしいところですが、
そういうときに、中庭的な空間を介するスタイルが多くなる
こういう敷地形状って、むしろぴったりと当てはまるんだそう。
しかも、そういう利便性を考え合わせたとき、土地の価格としては
現代の条件からすると売りにくいこともあって、
比較的に入手しやすい金額で手に入れることが可能ということなのですね。
ふむふむ、なるほどと、感じ入った次第です。
そういう意味では、団塊の世代のひとつの典型的な「ついの住み処」の
新しい形になるのかも知れないなぁ、と思いました。
ただし、デザイン的には、ごらんのような「無機的な」印象。
コンクリート打ち放しの1階部分や2階から上の内部に対して、
2階から上の外断熱部分の外装材にはアルミ板を張っています。
外壁の日光に当たった部分は、ちょっと「ぬらぬら」とした
独特なイメージが喚起されます。
このあたり、やはり元祖ビジュアル系の団塊の年代らしい、住宅デザインの選択。
これまでのいかにも「高齢者向け」的なデザインには、
団塊のみなさんはすこし違和感を感じて、むしろこういう過激系の
作りようを好むものではないのかなぁ、というのが実感。
音楽などでもローリングストーンズみたいな好みが、きっと、この年代のスタイル。
60を過ぎても、過激なミックジャガーみたいに、老いていくんだと思いますね、きっと。
さて、こういうライフスタイル、どんな印象を持たれますかね?