写真は先日の新住協総会で展示されていたサッシとハニカムスクリーン。
地球環境問題の側面から、住宅の性能向上の機運は、
今後、大いに注目が集まってくるものと思います。
とくに、サミットの開催が決定した北海道の住宅業界では、
こういう機運をもっと活かして、アピールを強化すべきだと感じます。
先週末には東京へ移動して、樹脂サッシメーカーのシャノンさんでインタビュー。
樹脂サッシのパイオニアとして30周年を超えたのを機会に
アピールしたいという企画でした。
インタビューで感じたのは、日本の住宅設備機器の基準作りのあいまいさ。
性能でその基準を示す、という世界標準の考え方が通らず、
現状のマーケット状況を反映したような基準が
まかり通りやすい構造を持っていると言うこと。
性能ではなく、現状のアルミサッシのマーケットサイズを維持する方向で
基準の設定が行われていると言わざるを得ない、ということなのです。
日本では、断熱の基準で言えば4地区、5地区という地域が
人口の大きな部分を占めていて、
アルミサッシでもいいのだ、という論理が大手を振っている状況。
北海道の常識で言えば、そもそもアルミサッシはほとんど流通していない。
性能的に、室内の熱を外に逃がすし、外部の冷気を内部に入れてしまう、
いわゆる「ヒートブリッジ」になるのですね。
樹脂サッシはこういう窓まわりの熱性能を高めるものなのです。
実際に冬期に窓まわりに手をかざして、
冷気を感じるのがアルミサッシで、ほとんど感じないのが、樹脂サッシ。
こういう当たり前のことが、なかなか通用しないのが現実。
こんなことでは、諸外国の性能基準から日本の住宅性能が取り残されるのではないか、
そういう危惧が叫ばれているのだそうです。
欧米はもとより、北東アジア地域でもそういう傾向にあるとのこと。
しかし、エネルギー問題から地球環境問題、
という待ったなしの現実の中で、いずれにせよ、方向性はハッキリしている。
やはり、多くのユーザーが声を上げて、
こういうおかしな構造に対して、異議を申し立てていくことが、
関東以南の地域でも求められることだと思うのです。
こういう認識の格差、考えていかなければならない問題ですね。